前日に引き続き輪行でお出かけです。例年、富士スピードウェイでシーズンオフに開催されているニスモフェスティバルに行くためです。
昔は車で行ってましたが、ここ数年は自転車で行くのが楽しみにになっています。富士スピードウェイに限らずサーキットというのは場内が非常に広く車を停めるのも大変です。車で行くと東名高速を御殿場インターが最寄りなのですが渋滞も大変です。
そんな訳で車で通っていたときには5時ぐらいに家を出ないと非常に混みますので、早起きしてサーキットに向かってました。帰りですが16時ぐらいに現地を出ると、渋滞が少なからず発生して帰宅は20時ぐらいになります。
ちなみに車なら帰りは明神三国峠で山中湖側に抜けて、道志みちで相模湖まで下道で走って、相模湖から中央道に乗ると小仏トンネルの渋滞がすぐありますが、その後は比較的スムーズに帰れます。帰りの東名は酷く混むので避けてました。
そんな訳でサーキットというのは車が走る場所だし、車好きが集まるのですが、車で行くのは結構大変です。国内の大きなサーキットで駅から徒歩で行けるのは、鈴鹿サーキットぐらいなんですけどね。SUGOは山の中だし、もてぎも山の中だし…
実は富士スピードウェイに行くのに一番便利で、早く帰ってこれるのは自転車です。しかもお金も掛かりません。シャトルバスで行くというのもありますが、片道が1230円もかかってしまいます。自転車ならタダです!
ルートは上の様な感じで、富士スピードウェイがある所が最高標高点となります。小田急の新松田駅まで輪行で行きますが、新宿を7時半に出て鈍行でも9時前に新松田駅に到着します。ここから自転車を組み立てて、片道28kmを走って富士スピードウェイに向かいます。
行きは登りなので2時間ほどかかりますが、帰りはずーっと下りなので1時間で帰ってこれますし、自転車なら渋滞はありません。輪行準備で15分として、サーキットを出てから3時間掛からずに自宅に着けるのはありがたいです。
小田急は電車賃が安いこともあって、新松田駅までの往復であれば2000円で足ります。車の時は東名の高速料金だけでもっと掛かっていたなぁ(笑)
YUKI氏と新宿で待ち合わせして、昨日、秩父で輪行袋に入れた自転車を新松田の駅まで取り出します。昨年同様、丹沢湖ハーフマラソンに出場する人達で駅前は賑わっています。
冬場はリュックを背負っても背中が蒸れないので、こういう旅で防寒具を持ち歩くことが出来るのが嬉しいですね。
輪行装備その1。自分は輪行袋はオーストリッチのSL-100ですが、エンド金具はマルトの物を使っています。樹脂で軽くて、軸をエンド金具内に収納して折りたためるので携帯性に優れています。
クイックは後輪の物を外して使います。軸にチェーンを通して、変速をロー側に入れてチェーンのテンションを上げると共に、ディレイラーを内側に移動させることで破損のリスクを下げます。これは必ずやっておいた方がよい手順ですね。
マルトのエンド金具ですが、欲を言えばもう少し高さがあったほうがディレイラーの保護がしやすいんですが、携帯性重視のためギリギリの高さになってます。クイックは思いっきり強く締めないとエンド金具の位置がズレてしまって、ディレイラーが地面と当たってしまいエンドの保護の役割を果たさなくなることがあります。
エンド金具がズレて倒れないように固定する工夫として滑り止めを貼り付けたりしてますが、根本的な解決にはなってないですね。この辺は何かよいアイディアがないものか?と思います。なお、オーストリッチのアルミのエンド金具はもう少し固定力はありますが、倒れる時は同じように倒れるんですよね。
クイックの使いやすさは輪行時のこのエンド金具をしっかり締め付け出来るか?がポイントですね。今のところ、手持ちのホイールではZONDAについてきたカンパニョーロのクイックが一番強く締め付けやすいです。
輪行装備その2。自分はサイクルベースあさひのワンタッチ着脱ストラップを使っています。よく欠品するので、以前まとめ買いしておきました。オーストリッチのストラップより嵩張るのですが、便利なのでずーっと愛用しています。
ワンタッチで着脱する部分の強度が高いので、パチンと接続したあとにストラップを引っ張って締め付けても外れたりしません。ちゃんとホイールをストラップがガッチリ固定してくれるテンションまで高められます。このストラップを使うと、バックルにストラップを通すという面倒くさい作業から解放されます。
取り付け時は、ストラップを緩めてホイールとフレームの間に通したら、バックルをワンタッチでパチンと接続します。あとはストラップを引っ張ってストラップのテンションを上げてホイールをフレームにしっかり固定します。取り外しはバックルをパチンと外すだけでOKという手軽さです。このストラップにしてから輪行作業は明らかに速くなりました。
もう2年ぐらい使ってますが、ワンタッチで止めるバックルの部分が1回割れて使用不可になりましたが、それ以外は問題なく使えています。
少々嵩張るのが難点ですが、自分の使う長さにカットした肩掛けストラップとこのストラップ3本を包んで。SL-100を専用の袋に入れる事は十分に可能です。流石に前述のマルトのエンド金具をストラップ類と一緒に包もうとすると、専用袋に詰めるのは窮屈になります。
輪行装備その3。ランドヌ東京の勉強会で田村編集長の輪行実演をやったときに「輪行はサドルが痛むのでカバーを付けることをオススメする」というのがあった。私が使っているサドルであるフィジークのアリオネは後端部が尖っています。なので輪行で縦置きにするとサドルの後端部とエンド金具でフレームを支えますから、いつの間にか、サドル後端がすり切れているのを発見したのです。
輪行の手順ですが、まずフレームにカバーを巻いて、ブレーキキャリパーを開いたら自転車を倒立させてホイールを外し、エンド金具を取り付けます。この倒立時にハンドルとサドルを地面の上に置くので、ここでもカバーは必要となります。
という訳でサドルカバーを探しましたが、田村編集長が使っていたのはブルックスのサドルに付属してきたものだそうな。同等品はないかな~と探してみたら、Y’s Roadの上野店にブルックスのサドルカバーがありました。他の店では全然見つからなかったんだよね。
これは素材が丈夫なので、サドルの保護という点では申し分ないです。フレームの保護カバーとサドルカバーは真っ先に取り付けます(倒立すると取り付けにくくなるので)。
前述のサドルカバーですが、丸めるとこんなにコンパクトになります。よく輪行する人はサドルの後端のすり切れ防止のために、カバーは使った方がよいかと思います。まぁ、軍手を被せるとか、他にも何か手段はありそうですけどね。
駅前で自転車の組み立て完了。サドルカバーとエンド金具、フレーム保護カバーはリュックに突っ込んでおきます。ちなみに自分は水筒は空のままボトルゲージに差して輪行します。水筒の厚みがダウンチューブをホイールのリムから守ってくれるので、ダウンチューブにフレーム保護カバーが要らなくなるからです。
輪行の小ネタはこの辺にして、快晴の新松田から富士スピードウェイに向かいます。
駅前から少し離れたところにあるコンビニで朝ご飯。このルートは途中にコンビニも多いのですが、緩い登りが続くので腹ごしらえは必要ですナ。
あの富士山の方に向かって進んでいきます。とにかく天気がよい!。風もなくこの土日は最高の自転車日和でございました。
富士スピードウェイまでは車なら国道246号で向かう人が多いんでしょうが、交通量も多いし、路肩は荒れているし、渋滞も酷いので出来る限り避けるルートをYUKI氏が考案してくれたので、それに従って進みます。
新松田駅から6km程走ると、最初に246と遭遇するポイントです。ここは歩道を押し歩いて、写真にある右側の側道を通ると246沿いの安全な県道を走ることが出来ます。
側道は自動車は一方通行ですが、自転車は通ることが出来ます。時間は10時前ですが、246は既に交通量がかなり増えてきています。
左手には川と246を見つつ、景色のよい道を通って進むことができます。この道を走りたいがために自転車で富士スピードウェイに来ているのかもしれません。
紅葉が少し残る山並みを見ながら、緩い登りをゆるゆると進んでいきます。この道は交通量も少なくて自転車で走りやすいです。左手の246は渋滞が始まっているのですが、この道へは自動車だと入り口が分かりにくいからでしょうか、不思議なぐらい空いています。
逆に帰りの時間はちょっと交通量が増えますが、路肩が広いので怖くはありません。
次に246をかすめるポイントの交差点。ここは左側が246の本線で、右側の道は側道になっているのでそちらに向かいます。246本線から右側の道に入ってくる車がいて、合流が危ないので素直に自転車を降りて右側の歩道を歩いて進んだ方が賢明です。
この分岐は他にあまり類を見ない設計になっているので、こういうときは素直に歩いた方が安全です。246本線の車はスピードが出ている事が多いですし。
この先、少しだけ246の本線を数kmほど走らなければならないところがありますが、ここは路肩が広くとってあるので危険はありません。ここで先日記事にした落車があったのですが、路肩内ということもあって事なきを得ました。
246を離れると、小山町の市街を通って富士スピードウェイまで向かうのですが、前半よりも少しだけ傾斜がきつくなります。とはいえ、昨日の奥武蔵グリーンラインと比較したら余裕である。
再び246を横切るところにセブンイレブンがあるので、そこで食べ物を調達する。落車の影響かディレイラーハンガーが少し曲がっていたので、手でグイッと直す。あまりにあっさりと元に戻ったのは良いけど、R3のディレイラーハンガー、弱すぎるよ。
ここまで来たらあと数km。富士スピードウェイは標高600mぐらいのところにあるので、最後の最後でちょっとだけ勾配がアップしますが無事に到着です。時間は11時ぐらいなので予想通り2時間ほど掛かりました。
他の人は殆どが自動車で来ているので、ゲートで入場券のチェックと駐車料金を払っています。自転車の場合、駐車料金はもちろん不要です。駐車料金は1500円ほど取られるので、これも結構馬鹿にならない出費です。
サーキット内の周回路は道もよく、適度なアップダウンもあります。遠くの駐車場に止めるとテクテクと歩く羽目になるのですが、自転車なら周回路も楽ちん。
ただし、グランドスタンドなどの観戦エリアでの乗車は禁止されていますので、降りて押し歩くようにしましょうね。
さっきまで綺麗に見えていた富士山に雲がかかってきました。午後になってくると完全に雲に覆われると共に気温が一気に下がります。
やはり富士は標高が高いこともあって、常に寒い印象がありますね。
ニスモフェスティバルのお楽しみといえばトークショウ。日産系SuperGTのチームである、モーラ、コンドー、インパル、ニスモと4チームの監督がそろい踏み。近藤監督と元祖・日本一速い男 星野一義監督のトークは毎年面白いのです。
何度もBlogに書いてますが、サーキットでは現在の近藤監督の事を悪く言う人は居ません。立派なモータースポーツ関係者であり、立派な監督さんです。モータースポーツ冬の時代にスポンサー獲得に奔走して、頑張る姿は素晴らしいと思いますね。
今年はインパルとニスモがSuperGTのチャンピオン争いが最後まで続いたので、予想通り面白い話が聞けました。そういえば日産系チームは今年、SuperGT 500クラスで全チームが優勝してますね。
左から柳田選手、本山選手、クルム選手、佐々木選手、ルーカス・オルドネス。
本山選手は今年最年長優勝記録を更新したと思ったら、次のレースでクルムが優勝して抜かれたのが相当悔しかったっぽい。
クルムはなんと日本のレースでの優勝が14年ぶり。若手の佐々木選手が優勝時にどんな事をすればいいのか?クルムに聞こうとしたら「俺も久々すぎて分からない」というエピソードが面白かった。
ルーカスはゲームのグランツーリスモのGTアカデミー出身の選手。ゲームで育ってGT500を走るなんて凄い時代になったもんだ。
ドライバーも体重が軽い方が有利なので減量にはみんな熱心ですが、佐々木選手は52kgしかないんだそうな。
こちらは熾烈なチャンピオン争いを繰り広げたインパル vs ニスモの4人。左からオリベイラ、安田選手、ロニー、松田次生。私は長年の次生ファンでございます。
星野監督が「来年オリベイラは結婚するよ」とネタばらしされて、オリベイラが照れてました。ロニーと次生のニスモ組は連覇ということで、なんとロニーは4度目のGTチャンピオンです。全く通訳不要で日本語ペラペラのイタリア人でございます。
次生は今年は痩せたなぁ、と思ったら6月ぐらいにフランスに行って太って帰ってきてロニーに凄く怒られたんだそうな。それからダイエットして現在に至るとのこと。
関西人の安田が、チャンピオン譲ったんだから来年はロニーに家賃払って欲しいとか、レストランではご馳走して欲しい!とか色々とジョークをかまして、トークショウは終了でございました。
何はともあれ、ニスモチームは連覇おめでとうございました!
本当に今日は天気がいいなぁ。風もないし、快適なサーキット日和でございます。もっとも富士は悪天候が多い事で有名です。このスタンドで雨に降られた事は何度も何度もありますね。
毎年来ているので、ヒストリックカーとかが走っているのをノンビリ眺めてボーッとするのが贅沢な時間の使い方でしょう。
そういえばグランドスタンドにはコンテナを改造したコインロッカー入れが新設されていました。あとトイレの便座が全て温水便座になっていて、これまで冷える便座と比べると大変快適になりました。
鈴鹿と比べて色々と言われている富士スピードウェイですが、個人的には頑張っていると思うし、レジャー施設としての便利さは立派だと思います。これで交通の便さえ良ければ…というのは自転車で来れば解決です(笑)
長谷見さんのトミカのスカイラインが走るのを見届けて、14時過ぎぐらいで急に寒くなってきました。曇って日が差さなくなると富士はとても冷えるんです。
目的のトークショウも見てノンビリしたので、帰路に就くことにしましょう。帰りは下り基調なので、殆ど漕ぐこともなく28kmを1時間で走って、15時20分に新松田の駅に到着。10分で輪行準備をして、15時34分の新宿行きに間に合いました。
自分は帰りは登戸から南武線、武蔵小杉から目黒線と乗り継いで17時には武蔵小山まで戻ってこれました。YUKI氏は代々木上原から千代田線で、始発駅からのんびりと輪行して柏方面まで帰るので登戸でお別れ。
富士スピードウェイまで新松田まで輪行して自走して自転車で行くというのは、サイクリング自体を楽しめるだけでなく移動手段としても速くて安上がりです。移動手段としてのロードバイクの優秀さを満喫出来るということもあって、自分としては非常に気に入っています。
富士は自転車で行くのに一番向いているサーキットといえますが、ツインリンクもてぎも距離はあるけど自走で行けそうですね。SUGOはサーキット周辺の登りが凄そうです(笑)。鈴鹿は残念ながら遊園地内が自転車乗り入れ禁止ということもあって、自転車で行くのは盗難のことを考えるとあまり現実的ではないかも。