Xaomi Smart Band 8というライフログが取れるスマートウォッチの利用を止めて、Garminのスマートウォッチに戻しました。もともと心拍が測れるスマートウォッチとして、Apple Watchが発売される前はGarminのものを9年前まで愛用していたので、Apple Watch → Xaomi Smart Band 8を経ての出戻りです。
ここ10年で様変わりしたスマートウォッチのシェア
この10年でスマートウォッチは雨後のタケノコのように各社から発売されました。当初は心拍や歩数を計測して、それをスマートフォンやPC経由でクラウドに記録するだけだった製品だったのですが、Apple Watchの登場で様々な機能が付加されてゆき、Appleがシェアを奪っていきました。
光学センサー式の心拍センサーを国内で最初に搭載したEPSONは撤退し、Googleに買収されてしまったFitbitの製品は、2023年の製品を最後にGoogle社のPixel Watchに集約されました。Garminは運動系に特化したスマートウォッチを販売し続けていますが、シェアではApple WatchとHUAWEI、Xaomiなどの中華勢の製品の合計が7割を占めています。
ちなみに以下の記事は、10年前に出始めた頃の心拍センサー付き腕時計にハマっていたころに書いたものです。まだスマートウォッチとは言えるほどの機能が無かったころです。
運動系に特化し、電池の持ちがよいGarminのスマートウォッチ
自分は昨年までApple Watchを使っていたのですが、電池が持たないことがストレスで利用を止めました。止めた理由は以下のエントリーに詳しく書いていますが、それからしばらくはスマートウォッチの利用を止めていたのですが、すぐにXaomi Smart Bandを購入して1年ほど使いました。
今回、Garminのスマートウォッチに9年ぶりに回帰した理由は、Xaomi Smart Bandは文字盤が小さくて時計として非常に見にくい、という老眼事情です。あと睡眠の計測の精度にやや不満があったことです。それからGarminのスマートウォッチにすると、Garmin Connectというアプリ上で自転車トレーニングの内容なども合わせて、より細かく健康情報をモニタリング出来るようになるのです。
現在のGarminのスマートウォッチの現行ラインナップを見てみると、種類が増えて値段も驚くほど高いモデルがあります。ハイエンド、ランナー向け、アウトドア向け、ゴルフ向け、日常使い向けと多数のラインナップがあり、機能も豊富になっています。まずはオーソドックスなランナー向けの機種が中古の流通量も多く手頃な価格で入手出来るので、これを試してhみる事にしました。
ForeAthlete 745の中古を13500円で入手
自分が購入したのは、2020年発売のランナー向けのハイエンド機種であるForeAthlete 745の中古です。お値段はYahooフリマで13500円で入手しました。かなり古い機種ではありますが、機能が豊富で、自転車と連動してパワーメーターのデータが取れるというところに惹かれました。それに文字盤も大きくて見やすいです。

自分が入手したForeAthlete 745ですが、元箱や充電ケーブルも揃っていて、外観の程度も非常によかったです。その割には安い値段で販売されていて、3年ほど使ったという出品者のコメントがありました。商品説明に言及はなかったですが、こりゃきっと電池が弱っているな、と推測してました。
Garminのスマートウォッチはオークション等に大量に出ているのですが、やはり数年ぐらいで買い替える人が多いようです。外装の痛みや傷がある出品が多いですが、それ以上に多いと思われるのが電池の消耗したものです。
ここ2年以内の機種は電池容量が増えているので、電池がヘタってきても実用上の問題はないようです。しかし、4~5年ぐらい前の機種は電池容量も少なく、常時身につけるというスマートウォッチの性質上、電池は弱っていると思った方がよいでしょう。
案の定、自分が入手したForeAthlete 745は電池が持ちませんでした。満充電しても2日ぐらいで充電が必要になります。カタログ上は7日持つということになっているので、電池が正常なときの実測で4~5日は電池が持ってほしいです。
電池が弱りやすいので交換電池が入手しやすい
スマートウォッチは四六時中身につける上に小型なので、電池の消耗は避けられないでしょう。Apple Watchの分解は大変そうですが、Garminのスマートウォッチの電池交換は素人でも出来そうなのが幸いです。13500円という値段なら、交換を失敗しても諦められますので自分で電池を交換してみることにしました。
ちなみに電池交換前のForeAthlete 745の評価ですが、時計は見やすいし、ANT+で心拍を飛ばしても安定しているし、睡眠データもきめ細かく計測出来ます。SUICAや音楽再生機能は自分には不要ですが、運動や健康のログを取るスマートウォッチとして、進化しているなぁ、と5年前の機種ですが満足しています。
なのでForeAthlete 745の分解動画をYouTubeで検索したり、互換電池を売っている通販サイトを検索してみました。交換用電池はAliExpressで800円程度で工具付きで売っているのが簡単に見つかりました。それから電子機器の接着によく使用されるB-7000という接着剤も、AliExpressで数百円で販売されていたので一緒に購入します。届くまで2週間ほど掛かって無事に手元に届きました。
リチウム充電池の送付について
ちなみにAliExpressなどで海外からリチウム充電池を送るのには、いろいろと制限があって船便になってしまって非常に時間がかかった、というような事例もあるようです。今回は2週間ほどで手元に届いたので、中国からの発送のリードタイムとしてはいつも通りでした。

届いたものを開封してみるとと、充電池が右のコイン電池に隠れるように貼り付けて封筒に入ってました。これだとX線などによる検査で「普通のボタン型電池」と見なされて通関できるのでしょう。あくまでも私の推測ですが、こりゃもう当局とのイタチごっこですね。
B-7000接着剤も届きましたし、購入した充電池にT5トルクスドライバーなども含まれていました。充電池と接着剤で1000円強で調達出来てしまいました。
デザインナイフで接着を剥がす
それでは作業開始です。
まずはデザインナイフをディスプレイと時計本体を貼り付けている隙間に差し込み、接着を剥がしていきます。少し隙間が空いたら、右側の薄いギターピックのような薄い板を差し込んで、全周にわたって接着剤を剥がしていきます。この作業をする前にドライヤーで接着部を暖めて、少しでも剥離しやすくしておきます。

カッターで全周に切り込みを入れます。側面はプラスチックなので傷を付けないように丁寧にカッターの刃を差し込み、少し浮いたら薄いギターピックのような工具を差し込んで、接着を剥がしていきます。全周に渡って接着剤が剥げたら、本体と液晶を繋いでいるフレキのコネクタを外して分離させます。

あとはT5のトルクスネジを回して外して、基板を持ち上げます。基板はテープでも固定されているので、そのテープを剥がさないと持ち上げられません。ここもフレキがあるので、それを切らないように注意して基板を持ち上げます。
そしたら電池部分が見えてきます。電池の周囲には保護用のスポンジ類が貼り付けてあるので、これは交換後に後に戻すように紛失しないようにします。

電池はフレキにハンダ付けされています。最近のGarminの機種では、ここがコネクタになっていて交換が容易になっている機種がありますが、このころのForeAthleteやForeRunnnerはハンダ付けされているようです。極小というサイズではないので、普通の電子工作用のハンダゴテで作業出来ます。
充電池のリード線をカットして、フレキに半田付けする
AliExpressで送られてきた交換用電池と並べて見ます。外観もスペックもほぼ同じものようです。

そのままではリード線が長すぎるので、取り付けてある電池を参考にしてカットします。ショートしないようにカット時に片方の端子はマスキングテープを巻いておくことを推奨します。

ハンダゴテを当てるので、養生としてフレキの下にマスキングテープを貼ります。この後、フレーム外周にも念のためテープを貼りました。ハンダごてを熱して、端子がショートしないように注意してハンダを溶かしていきます。
しかし、ここで問題発生。長年愛用しているハンダゴテの熱量が足りず、ハンダが溶けません。もう10年以上使っていたハンダゴテなので、そろそろ寿命だったようです。ホームセンターに新しいハンダゴテを買いに行って、1000円ほどで調達完了。あまり電子工作はしないので、安い物で十分です。

ハンダを溶かして、前の電池を除去し、そこに新しい電池のケーブルをハンダ付けします。特に難しいと思うこともなく、簡単にハンダ付け出来ました。注意することは端子をショートさせないように作業することと、極性を間違わないようにすることぐらいです。

仮組みして、充電ケーブルを繋いでみます。ディスプレイに充電マークが出ましたので、無事に認識はされているようです。あとはディスプレイの防水性が維持されるように、しっかりと接着すれば作業終了です。
B-7000は作業性のよい接着剤です
この手の作業をするのに定番となっているのがB-7000という接着剤です。AliExpressで購入すると時間は掛かりますが、数百円で十分な分量が送料込みで購入出来ます。自分は50mlのものを300円で購入しましたが、こんなに大きな容量は不要でした。

手早く作業するため、写真などは撮影してないです。B-7000は先が細い金属ノズルになっていて、スマートウォッチの本体の溝に接着剤を充填させる作業もやりやすかったです。B-7000は透明のゲル状の接着剤で、24~48時間で硬化します。
乾燥すると強力な接着力となるようですが、瞬間接着剤ほどではなく、硬化後もドライヤーやヒートガンの熱で剥がしやすい作業性の良さが売りです。これでも防水性はちゃんと維持されるようです。接着したら、はみ出している接着剤を綺麗に拭き取り、マスキングテープなどをしっかりと巻いて圧着しておきます。

ある程度、時間が経過してからマスキングテープを剥がします。接着した隙間から漏れる接着剤もなく、綺麗に接着できたようです。しかし、この後、ディスプレイのフレキのコネクタの基板への固定が甘いことが判明して、文字盤の表示が崩れました。
完全硬化する前でしたので、少し熱するだけで簡単に接着を剥がすことが出来て、接着剤のあとを再び綺麗にして再接着できました。接着剤自体のまとまりがよく、綺麗に接着剤を除去出来る作業性の良さも魅力です。
という訳で適切な工具があれば、YouTubeの動画などを参考に電池交換は思ったよりもあっさりと出来ました。追加コストは2000円(ハンダこての代金含む)と2時間の作業時間でした。接着のやり直しがなければ、1時間ほどでお釣りがくる作業です。
電池の持ちが2日→4日になりました
電池を交換したForeAthlete 745ですが、無事に復活しました。満充電していても、みるみる減っていく電池残量という状態からは脱しまして、1日で20~25%程の電池の消費に復活しました。これまでは2日で電池が切れそうな状態でしたが、これなら4~5日は持つと思います。

まだ交換してから2日ほどしか経過してないのですが、この状態であればストレスなく使い続けることが出来ます。Garminのスマートウォッチに戻してから、まだ10日ほどしか経過していませんが、既に手放せない感じになっています。
もう少し評価して、自分の使い方などが定まってから新しい機種に買い替えることも考えたのですが、電池さえ持ってくれればForeAthlete 745で十分すぎるような気もします。体重計もGarminのモノに戻したので、健康やトレーニングのデータ保管はGarmin Connectに再び集約されるようになりました。
難点があるとすると替えバンドが少ないこと
電池の持ちがよく、中古だと値段が非常に安くなるGarminのスマートウォッチですが、Apple Watchに大きく劣っているのが、交換バンドの種類の少なさです。

このForeAthlete 745という機種は、まだ替えバンドの種類が多いのですが、それでもApple Watchには敵いません。デフォルトのシリコンバンドは肌が蒸れるので、長さ調節が出来るナイロンバンドに交換しましたが、あまり選択肢が多くないのが難点です。
またバンドの交換が少し面倒なのもApple Watchに負けている点です。運動時はナイロンバンドだと汗で汚れるので、シリコンバンドに交換したいのですが、ちょっと交換が面倒でして、利用目的に合わせてバンドを頻繁に交換する用途には向いていません。
Apple Watchはバンドの仕様をあまり変更してないのですが、Garminはバンドの取付部の仕様をこまめに変更してしまってるので、これが交換バンドの種類が少ない原因でしょうか。