「パーティーが終わって、中年が始まる」読了

  • 2024 年 9 月 5 日
  • 日記
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水曜日の綺麗な朝焼けの涼しい朝だったので、5時半から朝練で走ってきました。

理想としては週に4~5日は自転車でトレーニングしたいな、と思っているのですが、徐々に秋が深まっていくと寒くて朝に出かけるのがしんどくなってきます。このペースで平日の朝を走れるのも、あと1ヶ月半ぐらいだと思います。

自転車で走る事に関しては目標もないので、このまま成り行きに任せます。寒くなったら自然と乗らなくなっていくでしょうし。達成したいことがあるとしたら、自転車トレーニングしてない状態で体重が増えないようにすることなのです。やっぱり食べないようにするしかないんですけどね。

……

表題の件に移ります。働かずにニートとして生活していたphaさんという有名な方がいます。15年ぐらい前にTVのインタビューに出るぐらい有名になって、ビートたけしのTVタックルで「働けよ、バカ!」って言われていたのが印象的でした。

普通に会社員をやっていた自分からしても「働けよ、将来困るぞ!」と当時は思っていたのですが、そのphaさんも40歳を超えて(現在45歳)中年になって、現在の思うところをまとめたエッセイが今年発売されました。それが「パーティーが終わって、中年が始まる」という本です。


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自分はたまたまWebの記事でこの本の内容の一部を知ったのですが、その一部があまりにも正直で共感出来る内容だったので、すぐにAmazonで電子書籍を購入して一気に読みました。この本には普段自分が感じていたモヤモヤが見事に文章化されていたのです。

phaさんは20代後半で仕事を辞めて、フラフラと根無しのような定職につかない暮らしをしていて、ネット時代のニートとしてメディアにもてはやされていました。自分もその頃のphaさんはあまり好ましいと思っていませんでした。しかし、今回のphaさんのエッセイは当時の行動や考え方、社会情勢が変わってしまって、現在の自分からすると気恥ずかしい、と正直に書いていました。

そして40代の中年になったphaさんが若い時には理解出来なかった「ああ、だから世間の人は仕事したり結婚したりしているのか!」と感じる理由が分かってきた、と素直に書いているのです。自分が変化したことで当時の主張と変わってしまったということを言い訳がましくなく、正直につらつらと書いてある文章は潔くて素直に読めました。

年齢を重ねると雑魚寝したり出来なくなること、ゆったりした地方生活が心地良いのに東京に住み続けたいと思ってしまう理由、デフレの終焉など、うんうん!と頷く内容ばかりです。この本を読むまで、phaさんは自分とは別の人種だと思っていて苦手だったんですが、文章で接してみると自分に考え方が似ているというか、結局は同じ人種なんだと思い直しました。

ビートたけしが「働けよ、バカ!」って言ったように、若い時にあんな暮らしをしていると将来困るぞ!とphaさんを冷ややかに見ていた社会人は多かったと思います。自分もその一人だったのでphaさんが実際に年齢を重ねてみて、どうなったか?というだけでも興味ありますよね。phaさんが人生に困って後悔したり、ああしておけばよかったというような愚痴が書いてあるのかな?的なところを自分はこの本に期待していたのかもしれません。

しかし、そんな内容は殆ど書いてなくて、現在の生活と日々感じることを若い時の自分と比較して淡々と書いてあるのです。実際にphaさんが中年になって感じたことを、素直にフレッシュな感性で文章として書いてあって、俺もそうだったんだよ!という内容ばかりでした。意味も無く夜行バスで移動するのが楽しかったんだけど、今は辛いだけで全く楽しくない、と感じていたのは俺だけではなかったんだ!と安心したりしました。

残りの人生において「大きく期待を上回るようなことは起きないだろう」というのが、年齢を重ねると分かってきてしまうとか、東京にいると何かクリエイティブな場に身を置いているようで何歳になっても「なんか起きるかも?」という期待があって離れがたい、という記述もありました。これこそが自分が新潟に移住した後、東京に対してなんとなく感じていたんだけど言語化出来てなかった事なんです。

特に男性の単身者、東京で生活したことのある人は一読してみることをお勧めします。

ネットで見掛ける文章でここまで掘り下げられている内容に出会うことは殆どありません。あるのかもしれないですが、ノイズのような駄文が多くてたどり着けないのでしょう(俺の日記も駄文だし)。今回のこの本は購入して一気に読み終えましたが、既に何度か読み返しています。

今年になってから本を読む時間を増やしていると以前書きましたが、既に何冊も読んで良かった!という本に巡り会えています。過去の本を読みまくっていた頃の自分と再会したようで、なんとも懐かしくも有意義な時間が本から得られています。

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