マクロスΔ ドラケンIII 塗装後の組み立て~可変機の組み立てはノウハウが必要

  • 2016 年 9 月 16 日
  • 模型
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土曜日は輪行も絡めて思いっきり遊んで、自転車にも乗ってきました。日曜日は雨予報ということで一日中家に籠もって模型を組み立ててました。

この前から作り始めたバンダイの 1/72 完全変形のSv-262Hs ドラケンIIIですが、部品の切り出しとゲート加工はほぼ終了していたので、今日は楽しい塗装と組み立てが中心です。

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ちなみにこんな環境でやってます。塗装しながらだと机の上は道具で一杯ですね。塗装ブースとコンプレッサーが場所を取ります。個人的に塗装ブースは置く場所を固定したいんですが、スペースがないので塗装するときだけ設置して塗ってます。

このバンダイのドラケンIIIですが、完全変形なのでとても部品が多く、強度を出すために沢山使われているABS部品の扱いが塗装時に面倒です。ネットで見つかる作例はパチ組(塗装せずにそのまま組んだだけ)というのが多く、塗装しながら作るには色々とノウハウが必要です。

結構試行錯誤して「失敗した~」というのもありますので、ここにメモしておこうと思います。

ABS樹脂部品の塗装について

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関節部など強度のあるところに使われるABS樹脂の部品ですが、ドラケンIIIには2つの成形色の部品があります。上の部品は特に可動部に多く使われているので、塗装には注意が必要でした。

ABS樹脂は塗料が浸透して割れる性質があります。特にエナメル塗料に弱く、墨入れで部品を割れてしまうことがあります。で、塗料の食いつきがイマイチなのでしっかりサフを吹いて厚塗りしないといけないかな~?と考えました。

しかし、あまり厚塗りしてしまうと可変機の場合、部品の合いがキツくなってしまう…と考えて、普通に塗装してみました。

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バンダイのプラモではABS樹脂の部品が合わせ目にくる事はあまりないので、組む前のパーツで塗装して組み立てるのがいいですね。でも普通に塗っただけだと塗膜が薄くて、組み上げた時に可動させると塗膜が剥げる箇所が出てきました。

なるほど、パチ組ではこういうのは分からないですね。という訳でABS樹脂部品を塗装するときには、サフ吹き、塗装(厚め)、クリア吹きまでやってから組み立てないとダメ!とよく分かりました。

変な成形色の部品の塗装

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ドラケンIIIといえば金色の縁取りのようなカラーリングでして、これも部品の成形色で実現されています。おかげで塗装しなくて、それなりに仕上がるのです。でも、この金色のパーツはちょっと変わったプラ素材です。

おそらくこの色を出すために普通のプラと組成が違うのでしょう。成形時のムラが結構あるのと、塗装がなんか浸食しやすい…なんか脆いんです。そして一部の金色はデカールになっているので、デカールとの色味も合わせないといけないです。

キャラクターモデルだから綺麗にキラキラな金に仕上げたかったんですが、デカールと色味が合わなくなってしまうので、クレオスの普通の金を指示通りカッパーとシルバーで調色して吹きます。

これも塗膜が薄いと変形時のクリアランスが出なくなるのが怖くて、サフ吹かなかったんですが大失敗でした。薄い金の塗膜だけだと塗膜が弱く、エナメルで墨入れしたら割れて浸食する部分も出る始末。メタリックはちゃんと下地を作って塗って、塗るときにクリアを混ぜて丈夫な塗膜にしないとダメですね。

よく見るとこれらの金色の部品は可動に関係ない部分が多いので、しっかりと下塗り+厚塗り+クリア保護をしても問題なかったです。可動時の事まで考えて組むのは、一度組んだ後だと分かり易いけど、組む前に判断するのは難しいですね。

パイロットの塗装

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1/72のプラモながら、どうみても人間のスケールが小さすぎるだろう、というのがバンダイのマクロスの可変機の運命です。この辺は変形を成立させるために、実際のサイズよりコクピットが小さいんでしょうね。

白騎士様ですが、塗装例がマニュアルだけだと分かりにくかったのですが、直前に買ったマクロスFebriにヘルメット姿の白騎士様の絵があったので、それを参考に塗装します。

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ドラケンIIIのキットはクリアなキャノピーとエネルギー変換装甲でカバーした状態の両方を再現できます。もちろんクリアキャノピーにしましょう、となるとコクピットはちゃんと塗装しなければなりません。小さいのに金モールの塗装とががあって、大変面倒でした。

モールの塗装はエナメルの金を買ってきて塗ってはみ出しを拭き取るのがベストなんでしょうが、手持ちがなかったのでラッカーの金で塗って、はみ出しをエナメルのセミグロスブラックで潰していきます。

パチ組の人は、コクピットとか成形色のままで気にならないんだろうか…ちなみにこのキットのコクピットとパイロットの成形色が銀なので、なにも塗らないのは気になってしまって自分はダメですね。

シルバーはちゃんと下塗りしましょう

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足の部分となるノズル部は綺麗なメタリックの銀を塗装します。先ほどの金色パーツの塗装の反省から、銀はちゃんと下塗りをして仕上げていきます。つやのある黒を下地に吹いてベースを作ったら、その上に薄くシルバーを吹いていきます。

これはかなり綺麗に仕上がって満足しています。裏側や焼鉄色にしあげるのでマスキングをします。この足の部分のパーツはキチンと塗装すると気持ちよく仕上がりますね。でも、銀は塗膜を厚くすると発色が悪くなるので、組み立て前にクリアを吹くべきでした。

クリアを吹いた後に墨入れすれば、エナメル塗料のパーツへの浸食も押さえられますし、塗膜も保護できます。で、表面も平滑になるのでデカールも貼りやすくなります。で、最終的にデカール貼った後にまたクリアを吹くのです。

調色ビンは予備を持っておこう

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今回失敗したなぁ、と思ったのは調色した色を入れておく空ビンがなくて、何度か継ぎ足すように調色したこと。メインの暗めのネイビーブルーの調色が難しいのに、途中で足りなくなって継ぎ足しで調色してたら、最初の頃に塗った色と最後の方で若干色味が変わってきてしまいました。

関節部に使う青色も調色が一番難しかったですが、これは最初に塗ったので調色した色をビンに作っておいたので問題なかった。という訳で調色は最初にたっぷり目につくって、塗装完了まで一環して同じ色を使い続けないとダメですね。この後、予備のビンを沢山仕入れました。

上の写真はメインとなる暗めのネイビーブルーの部品群ですが、とても部品数が多くて塗装が大変でした。ここも成形色に近いのでサフを吹きませんでしたが、塗り終わった後にクリアを吹くべきでしたね。

普通の飛行機プラモの場合にはくみ上げてからクリアを吹くのですが、可変機はご覧の通りのパーツの多さですし、くみ上げた後だとクリアを吹けない部分が出てきます。なので、パーツ単位でクリアを吹いてから組み立てる、というのを基本にしたいです。

瞬着パテは使い勝手がよいです

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塗って食器乾燥機で乾燥させたパーツをくみ上げていきますが、僅かとはいえ合わせ目を消さないといけない箇所が少しだけありまあす。上の備品は左手の上腕部でして、目立つので合わせ目を消しましょう。

ただ、結構段差があったのでパテで埋めてから削りますが、作業を急ぐために瞬着パテを使ってみます。液と粉をヘラでこねて塗りつけると、数分で硬化します。単なる瞬間接着剤だと固くて削りにくいんですが、これは作業性も良好です。

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スポンジヤスリで順序よく削って平滑に下げたら再塗装します。バンダイのマクロスの可変機はこういう処理をしなければならない場所がほんと少ないです。パーツのヒケも殆どないので、パテの出番はこのくらいでした。

でも、塗膜が薄いと下が透けて、よく見ると下地処理が甘いのがバレますので、次回以降はちゃんとサフを吹くことにしますわ。やっぱり成形色と塗装色が近いと、サフとか要らないかな?と思ったんですが、塗料の食いつきとかを考えるとやっぱり必要かと。

ちなみに普通のスケールモデルほどモールドが細かくないので、サフ吹いて塗装してクリア吹いたりしたぐらいではモールドは消えません。パーツのままクリア塗るっっていうのは、ちょっと他のモデルでは必要ない処理で、この辺のノウハウは実際にやってみないと分かりませんね。

で、組み立てて見たんですが…

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部品を全て綺麗に削った状態で一気に塗装しながらくみ上げるのは、非常に楽しい作業でした。やはりゲートを削って、ヤスリでサンディングする処理は地味で辛い作業なんですよ。

ただ、部品数が多くて本当に大変でした。朝6時から、上記の状態に到達したのが21時。その間、途中に家事をしたりしてましたが、基本ぶっ続けで作り続けたのでした。やっぱり塗装すると綺麗だなぁ…なんですが、クリアで保護しなかったので近くで見ると、可動部を中心に既に塗装のハゲが始まってます。

で、くみ上げてデカールを貼る前に動作確認で変形しようとしたら…いきなり足のボールジョイントのABS樹脂部品が折れました。塗膜で部品の合いがキツくなっていたのでしょう。取り付け時に、グリグリと部品を合わせて見て馴染みを出しておかないとダメでしたね。

VF-31もそうでしたが、足と機首と固定するボールジョイントの部分の合いがキツめなので、ここは填め込む前に部品だけで合わせて見て、キツいようならヤスリ等で調整しておくことををオススメします。他にも大きな可動部の動作については念入りにチェックしてから部品とを取りつけないとダメですね。

という訳で塗装したことにより想定外の破損が出ましたが、さっそくバンダイに部品取り寄せの手続きをしましたが、小学校の時のガンプラの部品取り寄せの時とやり方が完全に同じで驚きました(笑)

さて、完成のちょっと手前で足踏みになってしまったドラケンIIIですが、このすごい変形機構を見ると「これは凄いキットだ!」と驚いています。いやぁ、これまでに組んだ可変機と比べても凄いギミックです。この後、部品が届いたらデカールを貼って、綺麗に仕上げようと思います。ちなみに上の写真、羽根の取りつけが上下逆になってますね…orz

この前に組んだVF31は塗装は最低限でして、基本は成形色を活かした仕上げだったんですが、今回のドラケンIIIは全パーツを塗装しながら組んでみました。実際にやってみると、これは普通の飛行機プラモとはかなり違うプロセスを踏んで作らないとダメということが分かりました。

ハセガワからファイター形態のドラケンIIIの発売も決まりましたし、リアルに仕上げるのはハセガワのキットに期待するとして、バンダイの可変モデルは塗装しつつもちゃんと変形するように丈夫に仕上げて、キャラクターモデルらしくピカピカに仕上げるようにしたいですね。

という訳で部品が届いたら、また続きと変形後の形態をお見せしたいと思います。