SR取得のために8月に600kmを北海道まで遠征して完走してきたのですが、残る400kmと300kmのうち、300kmは開催もまだそれなりの本数が残っているので問題はない。やはり鬼門は400kmである。残りの開催本数は多くないし、難易度の高いコースばかりである。
SR認定的には400kmは600kmをもう一本走る事で代替は出来るが、200kmの差はやはり大きいのである。走行時間が27時間の400kmは仮眠や着替えを取らずに強引に走りきれるが、600kmとなると仮眠、着替えなどを考慮に入れる必要が出てくる。
この後のエントリースケジュールを考えると、9/12(土)にVCR横浜あおばで開催されるBRM912青葉400富士を完走することが、2015年のSR取得のために一番重要だ。スタート地点は自宅から35kmの藤沢の湘南台。横浜の二俣川在住時はスタート地点まで15kmほどだったので自走で行ったが、今回は万全を期すために湘南台の駅前のホテルに前泊することにした。
ところがである。このブルベの直前で仕事がとても忙しくなってきた。こりゃ、休日出勤して仕事を片付けないと来週が大変なことになりそうである。しかし、万全の準備をしてきた重要なブルベをDNSしてしまうのか?という葛藤もあった。
色々と悩みつつ、前日の金曜日の出勤時には出走するつもりでいた準備をしていた。帰宅したら藤沢の湘南台まで自走してホテル泊のつもりだったが、夕方の業務状況から判断してこれはブルベどころではない、とDNSして週末は仕事に当てることにした。
先週の半原越200も出走はしたものの、結局は日曜日の仕事が気になって仕方なかった。ブルベを走っている最中に「ここで止めて帰って仕事しなくて大丈夫か?」という不安があったら、辛くなった時にDNFしちゃう可能性が高い。ブルベは趣味ですから、仕事と天秤に掛けたらこの判断は仕方ない。
痛いのは直前でホテルのキャンセルであったため、100%のキャンセル料が掛かった事だ。主催者にDNS連絡をして土曜日は1日出社、日曜日は半日出社して仕事をこなしたおかげで当面の課題は片付いた。
日曜日の朝に続々とゴールしてくる富士400の参加者のSNSへの投稿を見てると、みんな速い上に完走率が高い。コンディションが良かったようで、先週の半原越えで私と同じくPC2でタイムアウトしたK井さんが数時間の余裕を持って完走している。「やっぱり出たかったな…」と思っても、完全に後の祭り。
何はともあれ、これで今年のSR取得は翌週の喜多方600の完走が必須になってしまった。
喜多方600は深夜0時スタートなので、ブルベ中の夜間走行が二晩に及ぶ。更に登りも多く、喜多方までに貯金を作らないと眠る時間が確保出来ない。唯一の明るい材料としては、今年、千葉の600kmを完走してSRを無事達成したYUKI氏が出走すること。現在の走力は自分より確実に上だろう。
完走に万全を期すのであれば、金曜日は休んで昼間に寝だめして0時に手賀沼をスタートしたいところだ。しかし、現実には金曜日は18時まで仕事が確定している。ここから手賀沼まで自転車を持って移動しなければならない。仕事後に一度家に戻って、輪行袋を持って通勤ラッシュの山手線と常磐線を乗り継いでいくのは正直厳しい。
手賀沼近隣に住むYUKI氏に相談したら、幸いにも自転車は事前に預かってくれるという。金曜日の夜に輪行するよりはマシだろうということで、火曜日の仕事の後に自宅から品川まで自走して、品川が始発になった常磐線で柏まで自転車を運んで、YUKI氏に輪行袋を預かって貰った。仕事が終わって帰宅した後に柏まで往復するのは大変だったが、これで金曜日は少し楽になる。
金曜日は装備を持って出社して、仕事後に手賀沼に直行する。何とか18時過ぎに仕事を終えて、そのまま我孫子に移動できた。ただ、当日の夜はあいにくの雨で先が思いやられる。我孫子駅前からのバスで道の駅しょうなんに移動し、スーパー銭湯で汗を流した。
移動中に気がついたのだが、休憩室で寝るために必須の耳栓を忘れていた。キヨスクとかコンビニを覗いても置いてない。20時半から22時ぐらいまで1時間半でも仮眠しようと思ったのだが、周りの話し声が気になって全然寝れない。ブルベの時の耳栓は必須装備だと反省した。
22時過ぎにYUKI氏がクルマでスーパー銭湯まで迎えに来た。YUKI氏の家に預けておいたバイクを組み立て、出走の準備をする。コンビニで仕事の鞄を自宅に送り返し、23時ぐらいに2人で自転車で、再び道の駅しょうなんに向かった。スタート地点には15分ほどで到着。まだブリーフィングは始まっていなかったので、受付を済ませる。
スタート地点には明日、宮城1000に出走するはずのまこたさんが応援に来ていた。他にも千葉スタッフの知り合いや、久しぶりのなつじろーさん、ミートハンターさんにもご挨拶。いつもしぶとく完走する ないとさん、400kmを軽々とクリアしたK井さんも連戦である。K井さんは昨年も喜多方600に出走していて、無事完走している。
そういえば昨年の自分は喜多方600に出走するR東京関係者の応援に、新潟から喜多方のPCまで応援に行っている。K井さんはそのときは貯金3時間ぐらいで現れた。ジーパンとMTBでPBPも完走したまーりんさんことジーパン刑事は貯金4時間ぐらい作っていた。事前にまーりんさんにアドバイスを貰ったが、喜多方までに、かなり貯金は出来るとのこと。
YUKI氏と相談して計画を立てたが、250km地点の喜多方のPCまでに最低でも3時間、出来れば4時間の貯金を作って、350km地点の郡山に取ったホテルに21~22時ぐらいにチェックインして仮眠したい。貯金ギリギリの0時までホテルに滞在して、後は気合いで頑張るという作戦を決めていた。
事前にYUKI氏は郡山駅前のルートイン、自分は郡山ICの近くのルートインを予約していた。シルバーウィークということもあって7000円以上の価格は痛かったが、ホテルなら着替えなどをドロップバッグとして送っておける。
金曜日の深夜のスタート地点である手賀沼は、霧雨と濃霧で酷いコンディション。本降りの雨ではないので雨具を着るほどではない。普通に仕事した後、殆ど寝れていない事もあってスタート時点で眠い。YUKI氏は休みを取っていたそうだが、寝るのに失敗してあまり寝れてないそうな。
走る前からモチベーションが非常に低いが、ブリーフィングを終えて0時をすぎたら出走である。正確には第二ウェーブだったので0:10にスタートだ。雨は霧雨程度だが、路面は完全にウェットである。とにかく視界が悪くてアイウェアを掛けていられない。コンタクトにしてきて正解だった。
しばらくは列車に付いていったが、このコンディションでは正直リスクが高い。利根川を越えて取手に入ったところで列車から離れて、シューズが水刎ねで濡れるのを防ぐ為にシューカバーを取り付ける。これでとりあえず単独走行になったが、フルウェットの路面と霧の影響でペースがイマイチあがらない。
つくばの市街までは、我孫子から車通勤していた頃の通勤ルートなので迷うことはゼロ。その先も車で新潟に帰るときに何度も通った道なので、喜多方までのルートで悩むことは全く無かった。しかし眠いのはいかんともしがたい(-_-)zzz
つくばの市街を越えたあたりでYUKI氏と合流。どうもYUKI氏は落車があったようで、モチベーションがだだ下がりのようだ。50km地点あたりのコンビニでちょっと休憩して、お互いにホテルを取った郡山にドロップバッグを送ってしまったので、せめてその辺までは走ろうじゃないか!ということで先に進む。
前述のコンビニにいた野良猫。お腹が減っているのか、雨の深夜にもかかわらずすり寄ってきた。
PC1は90km地点とかなり距離がある。時折パラリと来る雨と眠気をこらえて進んで行くが、予想よりも貯金できていない。これはやはりコンディションの悪さが影響している。この辺はYUKI氏および他の参加者を先導して走っていたが、PC1の手前で左膝の裏がズキーンと痛む。正直ペダルを回すのにも支障がある程の痛みで、PC1に到着したときは「ここで止めちゃおうか?」と思うぐらいだった。
実は非常識な事にこの600kmブルベが楕円チェーンリングのデビュー戦であった。ちょっと乗った限りでは「楕円って言ったってそんなに違和感ないじゃん!」と思っていたのですが、長時間乗ってくると色々と見えてくる。標準のセッティングだと、ペダルの下死点あたりでトルクがスカっと抜ける感覚がある。これがダンシングだと非常に違和感があるのだ。
更に言うと、楕円の場合、50-34のコンパクトの歯数であってもトルクが掛かる所では2T程歯数が増えるのだ。この負荷の変化になれていない自分の足だと、膝にそのダメージがやってきた訳だ。
楕円リングは標準では、時計で言うと2時~4時ぐらいの力の掛けやすいペダリング位置で大きな歯数が来るようになっている。自分はお腹が出ていることもあって、この力の掛かる位置がもう少し下死点寄りっぽい。この辺の調整はある程度距離を乗って調整しておく必要があったのだ。
PC1のコンビニでは膝の痛みから、こりゃダメかな?とあまりガッツリと補給をしなかった。とりあえず先に進むことにしたが、膝の痛みと眠気とウェット路面でテンションは全然上がらなかった。2人でだらだらと走って130km地点の黒羽のあたりで夜明けを迎えて、明るくなって雨の心配がなくなってくると少しばかり回復である。
大田原のファミリーマートで朝ご飯を食べて、白河のPC2を目指す。ここはイートインがあって快適だった。イートインがあるとついつい長居してしまう。ないとさん達ともここでご一緒する。
白河の市街に入るおなじみのルートを通っていく。この辺では眠気はなくなっていた。
白河のPC2に到着した時で貯金は2時間ほど。やはり予定より1時間貯金が足りない。このままじゃ郡山でろくに眠る時間も取れないだろう。明るくなって眠気が飛んでくると、それなりに走ってて楽しくなってくるが膝はどんどん痛くなる。
正直、PCで少しでも停止すると、再び漕ぎ出すときに痛みを伴う。ペダルをある程度回していると痛みは和らぐが、膝が重くなる感じはどんどんと蓄積されていった。
今回の自転車。ドロップバッグで着替えはホテルに送っているのでサドルバッグだけである。サドルバッグの中身は雨具と輪行袋である。着替えも持つとなると、フレームバッグを追加する必要があるので軽装である。
それでもペダルを回している時はあまり異常もなく、PC2から先の天栄村に向けて走って行く。PC2ではYUKI氏のモチベーションが低く、自分は少し回復していたので先にPC2を出た。この区間は標高600mの峠越えがあるが、ここで黒スコットさんとご一緒して楽しく走る。
黒スコさんがコンビニ休憩に入ったあたりから先で、急に向かい風が強くなる。向かい風には強い自分であるが、ここでグッとペースを落とした参加者が多かったようだ。天気は最高なんだけど、とにかく風が強い。ここでノロノロと登っているとYUKI氏が追いついてきた。やはり向い風はかなりしんどい模様である。
勢至堂トンネルまでの峠道は景色も最高だったが、ダラダラと登るのに膝を痛めて辛かった。あまり勾配が急でないのが救いである。時間的には午前11時ぐらいなのに、自分の体内時計は夕方ぐらいの印象。やっぱり夜スタートは色々と感覚がおかしくなるな。
標高642mの勢至堂トンネルに到着。喜多方まででは一番標高が高いポイントである。しかし、喜多方600のコース的には喜多方から先でこの標高の倍の峠を越えないといけない。今のこの膝の状態でいけるのか? かなり不安になってくる。
下っていくと、登りが速くて先行していたYUKI氏と合流した。一緒に黒森トンネルを越えるが、なかなか下りにならない。時計的には12時を過ぎてお昼でお腹が減ってきている。まぁ、時間感覚は完全に壊れているので、土曜日のお昼ぐらい?という感覚は全くなかった。
この先、コンビニがなかなか出てこない。疲れて止まって休憩すると膝が痛くなるので、この先をどうするか?を検討したい。今のままだと喜多方で貯金は2時間ぐらいしか作れなそうである。
230kmぐらい走ったところの猪苗代湖の脇の道を走るあたりで、久しぶりにコンビニを発見。吸い込まれるように入っていく参加者達であった。
コンビニの中で買い物をしていると、いきなり強い雨がザーッと降ってきた。
あっという間に路面はフルウェットになった。かなり強い降りだったので、一時的なものだろうと自転車を軒先に移動して、とりあえず腹ごしらえ。
福島といえば酪王ハイカフェオレである。他にもパンとかを食べて一息ついた。丁度、土曜日のお昼だったのですよね。走り出してから12時間は経過していたけど、今のところ眠気はない。
通り雨と思って雨宿りしていたんだけど、なかなか雨が弱くならない。雨雲レーダーを見ると、ピンポイントでこの辺だけ雨が降っているようだ。正直、雨具がないと走るのが辛いレベルの降り方である。
しばらく停車していたら、膝の痛みが酷くなってきた。歩くのも結構しんどい。これじゃちょっとこの先は無理そうだ、ということでDNFを決意した。
コンビニで同じく雨宿りしていた黒スコットさんも、ここで涙のDNF。この後、郡山まで自走して健康ランドで寝たら自走して手賀沼まで戻るそうな。
ないとさんともこのコンビニでご一緒したが、雨が降っているのは本当にこの辺だけみたいである。なかなか止まない雨にDNFするにしても駅まで進まなければならないので、雨具を着て走りだした。
ぶっちゃけ郡山のホテルを予約してなくて、ドロップバッグを送ってなかったらもっと手前でDNFしていたかもしれない。何とか230km走ったのは、とりあえず会津若松までいけば郡山まで電車で移動出来るからだ。
ややモチベーションが下がっていたYUKI氏と二人で、駅を目指してコースを進んで行くと5kmもしないうちに晴れてきた。結局、正解はコンビニに寄らずにそのまま走っていれば、今頃はまだブルベを走っていたかもしれない。
後で少し前を走っていたK井さんに聞いたのだが、ギリギリ雨には遭遇しなかったそうな。貯金2時間半以上をキープして走っていた人は、この強い通り雨には遭遇しなかったと思われる。自分の前後にはまだまだ参加者が沢山居たが、ペース的にはこの辺を境に完走率は大きく下がっただろう。
この辺も巡り合わせだろう。この喜多方600は序盤の雨と霧、向かい風、そして膝痛と条件が悪かったなぁ。まぁ、自分の走力のなさが一番の原因ですけどね。
結局、磐越西線の磐梯町駅まで自走して、そこから輪行した。
電車がくるまで余裕があるので、ノンビリと輪行準備。時間的には14時ぐらいだったかな。
非常に綺麗な駅舎で中の待合室も広い。近くにレンズで有名なシグマの工場がある脇を通ってきたが、こんな機会もなければこの辺を通る事もなかっただろう。
列車に乗って郡山駅に着いたのが16時ぐらい。郡山駅は強い風が吹いていた。方角的にはブルベをもし走っていれば追い風である。喜多方の先まで走ったら、この追い風の恩恵が受けられたのかも?
予定なら郡山は21時~22時ぐらいに入る予定だったので、ホテルに連絡してチェックイン時間の変更をお願いする。幸いもうチェックインはOKなようだ。YUKI氏とはホテルが違うので、ここで別れて明日の朝については調べて後で連絡することにした。
郡山の宿は駅から4kmほどだったが、あまりの膝の痛みにドラッグストアで湿布を買おうと探しながら移動。輪行で1時間ほど自転車に乗ってなかったら、もう膝が固まってしまったのか、ペダルを回すだけで激痛がする。
痛みをこらえてノロノロと自転車を漕いでいたら、わずか4kmの道のりを自転車で行くのに40分ぐらい掛かってしまった。それで17時過ぎにホテルにチェックイン出来た。ルートイン郡山ICは快適そのもので、部屋に自転車も入れられたし、ドロップバッグも既に部屋に届けられていた。
風呂とコンビニ飯で何とか復活し、タップリと湿布を貼って膝をいたわる。もう歩くのも辛いし、風呂の出入りで立つのも辛い。それでもベッドで横になると、よほど眠かったのかグッスリと朝方まで寝た。
翌朝はホテルのバイキングでしっかりすぎる程のご飯を食べて回復。DNFとはいえ、トータルでは250kmほど走ったのだ。そりゃ腹も減る。
7時半ぐらいに宿を出て郡山駅に自走で向かう。SNSでチェックすると喜多方はやっぱりDNFが多い。昨年に比べて喜多方までのコンディションが悪かった事と、どうも喜多方から先の檜原湖の上を通る峠道が非常に寒くて厳しかったようだ。
膝に違和感はあったが、昨日の夕方に比べれば快調だ。郡山駅でYUKI氏と合流し、鈍行を乗り継いで14時ぐらいに埼京線を恵比寿駅で降りて自走で帰宅。新幹線だと7000円以上かかるが、鈍行だとジャスト4000円で都内まで帰れる。郡山は遠いなぁ、を実感した。
ちょっとだけバイクをメンテして、火曜日からのツールドブルベに備えてバイクをサイクルヤマト便で城崎温泉に送る。正直、水曜日までに膝が回復するかは分からないが、宿と移動手段は予約済みだからね。
そんなわけで金曜日の仕事の後から、色々と無理して出走したけど、今回は完全に白旗。準備は足りてないし、自分の走力じゃ無理だった。機材も慣れていないものを多数持ち込んでしまって反省しきりである。
これで2015年のSR再奪取計画は頓挫してしまいました。たらればになっちゃいますが、やはり先週の富士400を走れていれば…と悔やまれてなりません。