HHK StudioとKeychronのQ1 HEとQ2
直近でメインに使うキーボードを入れ替えましたので、そのお話です。
長年に渡って、Happy Hacking KeyboardやREALFORCEなどの静電容量式のキースイッチを愛好していた私ですが、2024年に分割キーボードを導入したとき、最近のメカニカルスイッチのキーボードも悪くないと思うようになりました。
分割キーボードは半年ほど利用したのですが
下のエントリーにある通り、2024年に巻き肩の矯正で分割キーボードを使うようになりました。これを半年ぐらい続けたのですが、現在は普通のキーボードに戻しています。
分割キーボードそのものは良かったのですが、いかんせん日本語配列だと自分が好みのキー配列の製品が現行品で存在しないのがネックでした。ここで使っていたMistel BAROCCO MD600というキーボードは動作が不安定で、キーカスタマイズが必須なのに暴走して定期的に再設定が必要でした。
あと分割キーボードを使ったおかげで、メチャクチャだった指使いが矯正されました。手のひらを固定したまま打鍵できるようになったので、普通のキーボードを使っても肩こりが起きなくなったのです。これは思わぬ効果でしたが、分割キーボードを使い続けるモチベーションが続かなくなってしまったのも事実です。
自分が英語配列ユーザーでしたら、他の分割キーボードを試して沼に浸かっていたと思います。しかし、日本語配列ユーザーだと分割キーボードの選択肢がないため、沼にハマることなく利用を諦めましたが、静かでスコスコした押し心地の静電容量式のキースイッチよりも、少しカチカチと音がするメカニカルスイッチの打鍵感の良さを再認識しました。
静電容量式のキースイッチのキーボードを処分する
自分は25年ぐらいHappy Hacking Keyboardを愛用してまして、もう配列はこれがベストだと思っています。一時期、REALFORCEに浮気したこともありましたが、自分には独立したファンクションキーは不要でした。また少しでも横幅が狭いキーボードの方が場所を取らないので、REALFORCEもさっさと手放しました。
2020年以前はオフィスでみんなと一緒に仕事をしていたので、カチャカチャ音のするキーボードは利用しづらく、静電容量式で静かな打鍵音のキーボードを使ってました。しかし、現在はリモートで仕事をしているため、少しぐらい音がするキーボードを選べるようになりました。
自分がHappy Hacking Keyboardを使い始めたのは2000年ぐらいでして、静電容量式のキースイッチのHHK Professionalが出た時から20年ぐらいは静電容量式の虜でした。2000年ぐらいのメカスイッチのキーボードって、現代のキースイッチよりも音がやかましいモデルばかりで、音が静かなメカスイッチは安物のメンブレンスイッチのようなフニャフニャな打鍵感だったのです。
流石にあれから20年以上が経過し、メカニカルスイッチもかなり良くなったことが実感出来ました。静電容量式はメカニカルスイッチより優れているという偏見も消えたので、ここからしばらくCherry MXのキースイッチを使ったキーボードを色々と試しました。
その中でデザインと配列に一目惚れしたので、クラウドファンディングに出資してKeychronのQ1 HEという磁気センサーのメカスイッチを搭載した最高級モデルを入手してみました。現在は普通に売られていますが、実売でも4万円を超える高価なキーボードです。
メタルボディのすごくしっかりしたキーボード、これまでに買ってきたどのキーボードよりも重いです。メタルボディの剛性感のおかげで打鍵は軽いのに、カチャカチャと心地良い響きの打鍵感がすごく気に入りました。Keychronのキーボードは他にも何種類か試して見たのですが、同じKeychronのキーボードでもプラ筐体の安価なモデルでは、この心地良い響きが得られませんでした。
Keychronのキーボードをメインに据える
Q1は独立したファンクションキーあって縦方向の幅が広いのがネックです。メタル筐体なので、少しのサイズの違いが重量に大きく影響します。Q1は重さが1.7kgもありまして、簡単には持ち上がりません。本体サイズが重すぎるからか、本体を斜めに傾ける折りたたみ式の爪がついてません。傾斜角度を変更できないことに最初は違和感がありましたが、少し使うと慣れました。

上記のKeychronのQ1 HEは磁気スイッチを採用した最上位モデルなのですが、ヨドバシアキバの店頭でいろいろと触ってみると普通のCherry MXの赤軸を使ったモデルでも、メタル筐体なら同じようなキータッチが得られることが分かりました。その中でもQ2というモデルはキー配置がHappy Hacking Keyboardに近く、独立したファンクションキーが存在しません。

とはいえ、Q2もメタル筐体のKeychronのキーボードですから高価です。しかし、このQ2がヨドバシアキバのワゴンセールで2万円で投げ売りされていました。実売は3万を超えていますし、ヨドバシのポイント還元を考慮に入れると、かなりお買い得です。思わず久しぶりに衝動買いをしました。
ワゴンセールだったので、好みの色とキースイッチの組み合わせの全て在庫はありませんでした。黒ボディ+赤軸のモデルが欲しかったのですが、残念ながら赤軸のスイッチのJIS配列は上の青ボディしか在庫がありませんでした。ちなみに青軸のモデルが一番売れ残ってました。
Keychron Q2をメインのキーボードに据える
サイズはQ1よりコンパクトなQ2ですが、重量は1.6kgと変わらないぐらい重いです。キーの色が自分の好みではないのですが、Keychron純正の交換用の日本語配列のキーキャップはどこも在庫がないみたいなので、入荷したら交換しようと思います。
ちなみにQ2が投げ売りされていた理由ですが、Q1は有線、無線(ドングル&Bluetooth)の3つの接続方法に対応しているのですが、Q2は有線でしか使えないからだと思われます。こんなに重いキーボードを移動させて、無線で他のPC等に使い回そうとは思わないから有線だけでOKってのは導入してみて思いました。しかし、購入前に今どき有線だけしか接続できない高価なキーボードを選ぶ人は少ないでしょうね。
ちなみにKeychronのキーボードは、Keycron launcherというWebサイトでキー配列のカスタマイズが可能で、それをキーボードに記録できます。これはQ1もQ2も同様です。流石に最近の高価なキーボードは、配列のカスタマイズやマクロの設定などは当たり前のように可能です。
このQ2のスイッチは赤軸ですが、磁気スイッチのQ1 HEとほぼ同じ打鍵感です。この打鍵感の心地良さはスイッチの違いというよりも、メタルボディの剛性の高さの現れでしょう。Q1もQ2もカチカチという音はしますが、テレワークでマイクが拾うほどの音ではありません。ただし、これをリアル職場で打っていたら、五月蠅いと感じる人もいるでしょう。
リモートワーク以前には静粛性を重視して静電容量式のキースイッチのキーボードを愛用しておりましたが、リモートワークなら少々大きな音のメカニカルスイッチでも問題なかったということですね。それでもガッチャガチャとうるさい青軸、打鍵感が少し重い茶軸は自分には合わないので、もっぱら赤軸、静音赤軸を選びますけど。

という訳でQ2は現在、お仕事用のノートPCの手前に置いて、Kensingtonのトラックボールと並べて使ってます。ファンクションキーがないことで縦幅が狭いのがスペース的なメリットです。HHKよりも最下段のキーが2個少なく、スペースバーやモディファイヤーキーの横幅が広くて押しやすいのがKeychronの配列の好きなところです。
入替のためのキーボード処分祭り
今回のキーボードの入替で、Happy Hacking Keyboard Professionalや分割キーボード、分割パームレストなどを全部売却しました。HHKはかなりカスタマイズしていたので、交換用のキートップなども含めて、全ても関係するアイテムを売りました。けっこうな金額で売れてホクホクです。
しかし、分割キーボードのMD600は現行品ではないし、MicroUSB、MiniUSB端子などの時代遅れの品物ということもあって、あまり高値では処分できませんでした。やはりマニアックなものは買うときに高く、売るときに安いというのを思い知らされました。
こう考えるとHappy Hacking Keyboardはやっぱりブランドとして強いです。それに対して同じ静電容量式のキースイッチの元祖であるREALFORCEはあまり相場が高くなく、熱狂的なファンは少ない模様です。
HHK Studioも導入した
Happy Hacking Keyboardの最新型のHHK Studioというモデルがありまして、これが静電容量式のキースイッチからメカニカルスイッチに変わったそうな。しかもThinkpadなどで採用されているポインティングスティックも装備されています。
問題は44000円という非常に高価すぎる価格でして、Happy Hacking Keyboardのあまりの方向性の変化に、多くの人が二の足を踏んでいるようです。自分もその一人でした。特にHHKの静電容量式スイッチを愛好していたファンは、メカスイッチに変更されたことに失望しているようです。自分のように静電容量式からメカニカルスイッチに主旨替えした人は珍しいのでしょう。
そんな高価なHHK Studioですが、9月末まで本体+キーボードカバーとキャリングケースがセットで45000円という価格で販売されてました。本体価格にプラス1000円でカバーとケースが付属するなら安いな、ということでポチってみました。

もちろん日本語配列で色は「雪」を選びました。HHK Studioは当初、自分が嫌いな文字の視認性が悪い「墨」色しかなかったのですが、あとから「雪」モデルが発売されました。ポインティングスティックの部分のキーの切り欠きがあるので、他社のCherry MX互換のキーキャップに交換は出来ませんから、色を後から変えるのは困難です。
箱から取り出して驚いたのは、これまでのHappy Hacking Keyboardに比べて大幅に重くなったことです。単三電池4本が入るのですが、それを装着してない状態で830gもあります。Happy Hacking KeyboardのHybridモデルが550gだったので、かなり重くなりました。筐体のサイズ感は一緒ですが、外形はちょっと変更されてます。
ポインティングスティックを使うのは久しぶりだったのですが、10年ぐらい前に導入したThinkpadの外部キーボードのスティックはドリフトが酷く、使っていてストレスがありました。流石にこれは最新型ということもあって、ポインティングスティックは触ってない時はマウスカーソルもピタッと停止してますし、感度も申し分ありません。
スクロールは中央ボタン+スティックなのですが、最初は少し反応が悪いと思ったのですが、少し使っていたら慣れました。これは反応の悪さに慣れただけでして、外付けマウスのホイールやタッチパッドの二本指スクロールのレスポンスより反応は悪いです。
自分は30代前半のころはThinkpad信者でして、ポインティングスティックで設計書の図が描けるぐらい使い込んでました。なので自分はすぐに慣れましたが、人によってはこれを使いこなせずに脱落しちゃう人がいるでしょう。今は採用数の少なさからポインティングスティック信者も減っていると思いますし、タッチパッドが進化して十分に実用に耐えますからね。
肝心のキータッチですが、本体が重くなった影響なのか、キースイッチの底付き感が静電容量式のHappy Hacking Keyboardよりも感じられて剛性感がアップしてます。スコスコという軽さは維持しつつ、メカニカルスイッチらしい挙動も加わり、かなりチューニングしたんだろうな、という印象です。
キースイッチはCherry MXの赤軸と同じリニアタイプの挙動なのですが、Cherry MXの静音赤軸よりも静かです。しかし、静音赤軸よりもしっかりした打鍵感があり、自分はこの感触は非常に好みです。感覚的には、普通の赤軸からカチャカチャという音を除去したような印象です。
HHK Studioの筐体に仕込まれたジェスチャーパッドは、他の人が言うとおり使い物になるレベルではないので自分は使ってません。カスタマイズして他の用途に使おうにも、使い道が思いつかないので設定でOFFにしています。

高価ではありますが、HHK Studioも我が家の常用キーボードの仲間入りをしました。これでQ1 HEは使わなくなりそうなので、上記2台をもう少し評価して不満がなければ手放します。ちなみにどちらもPCとは有線接続で使っています。HHK Studioも重量があり、気軽に持ち出せる感じではないです。
分割キーボード導入で指使いが矯正されたこと、メカニカルスイッチに対する偏見がなくなったのは良かったのですが、肝心の分割キーボードはよい製品がなくて使用を諦めてしまいました。なんだかんだけでキーボードは一番のお仕事道具なので、気持ちよく体の負担なく使えることが望ましいです。
現在の仕事環境や仕事内容に合わせて、定期的に使う道具を見直しておくことの重要性を再認識したのでした。
2025年9月の振り返り
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