極厚切り食パンとマーガリンの世界

水曜、木曜と天気は良かったので、二日連続でロードバイク朝練でした。水曜にハードに追い込んで、木曜は疲労抜きでいつものコースをゆっくりと流してきました。ハードに追い込んだ水曜がグロス55分、疲労抜きでダラダラと走った木曜が65分かかりました。実際の運動強度はかなり異なっておりますが、同じコースでの走行時間のグロスは2割も違いません。ブルベなどの超ロングライドでは強度は上げずに走って、時間を稼ぐには休憩時間を減らすが一番有効といわれてますが、それを裏付けとなる結果ですね。

最近、食パンをマーガリンで頂いてます

今日はどれだけ需要があるか分かりませんが、最近のハマって研究しているテーマについて語ります。

今年になって自分でパンを焼くようになりましたが、バゲット等のハードパンに比べると、食パンを作るのは非常に手間がかかることが分かりました。そしてスーパーで売っているメーカー製の食パンを改めて食べてみると、値段を考えると非常に美味しいことを認識させられました。

街のベーカリーショップで焼いて売られている食パンとスーパーの店頭で買える食パンでは、値段が倍ぐらい違います。実際に自分で焼いてみて食パンにかかる手間を知っていると、ベーカリーで一斤4~500円で売られているのは高いとは思いません。むしろスーパーで売られている大手メーカー製の食パンが、その品質を考えると安すぎるのです。

加えて最近はマーガリンの美味しさと安全を再認識しました。トランス脂肪酸が体に悪いとか、自然由来のバターと違って、マーガリンは人工的に作るから体に悪い、とか言われていたのも既に過去の話でございます。色々とメディアで叩かれた影響もあり、現在のマーガリンではバターよりもトランス脂肪酸の含有量が低くなってます。人工的に作ってるから体に悪いってのも、化学調味料が体に悪いというような話に似ていて、いつの時代の常識ですか?という印象があります。

一般的に食用油を語る時に、動物性の油の方が植物性の油の方が体に良いみたいな風潮なのに、バターとマーガリンの話になると、植物性のマーガリンの方が動物性の油であるバターよりも体に悪いという反対の評価になるのも不思議です。もっともパンに油なんか塗らずに食べた方が健康的です、っていう話になると元も子もないですが、美味しさのために油脂を塗るならバターでもマーガリンでも健康的には大差ない、と自分は判断してます。

マーガリンというと、最近はバターの風味がある製品が人気です。「バター入り」と書いてあるマーガリンは実際にバターが混ざってますし、「バター風味」と書いてあるマーガリンはバターは含まないがバターっぽい風味の味付けになっているようです。ラーマ バターの風味、明治コーンソフト バター入りなどを食べていたのですが、最近、後者の方に浮気していたら「ラーマ奥様インタビュー」のCMで有名だったラーマというブランドのマーガリンは2024年3月末で出荷終了だったようです。

家庭用マーガリン類事業終了のお知らせ

おー、なんたることだ!と嘆いていたら、ふと激安スーパーの「ラ・ムー」にて、PBブランドであるD-PRICEのマーガリンのOEM元はラーマを作っていた(株)J-オイルミルズという表記を見て、ちょっと安心しました(いつまで続くか?は分かりませんが)。

今は原点回帰で純然たるマーガリン(とはいえ油脂が80%以下なのでマーガリンではなくファットスプレッドに分類される)である、ネオソフトを試しています。バターっぽい風味がないので、非常に癖がなくてサラっとしているんですよね。この軽さは癖になりそうですが、使用量も多くなるのが難点です。

他にも帝国ホテル、オークラ、金谷ホテルなどのホテル系マーガリンも美味しいですし、小岩井の発酵バター入りのマーガリンもご馳走感があって好きなマーガリンです。自分はマーガリンの方がバターよりもトーストに塗りやすいことを評価しております。何十年もバターの方がマーガリンより上位の存在である、と思っていまして、固まったバターを焼いたトーストの表面に押しつけるように溶かして、苦労して塗っていました。マーガリンなら冷蔵庫から取り出して、ストレスなくトーストの表面に塗りたくることが出来ます。

自分は最新のマーガリン事情が過去の常識を覆すように色々と進化していることを、めしばな刑事タチバナ 44巻の「ミスター・マーガリン」の話で知りました。この情報のお陰で、自分の中のバターとマーガリンの常識をアップデートして、マーガリンを楽しんでおります。もっともマーガリンはトーストに塗るだけで、バターの代わりに料理に使うというような事はありません。

厚切りの食パンは関西の方が人気

めしばな刑事タチバナでは、最近の食パンの一斤の枚数についての考察回もありまして、食べたときのインパクトを考えると6枚切りの存在感が薄い、という内容が語られていました。自分も食べ比べて同じ結論に達しています。6枚切りはどっちつかずな感じがあって、掘り下げるとあえて6枚切りを選ぶメリットが薄いのです。

まず関東では6枚切り、8枚切りの2種類しかない時代が長かったのですが、食パンの消費量が多い関西では4枚切り、5枚切りがスタンダードです。その影響もあって関東圏でも5枚切りや4枚切りのような厚切りの食パンがスーパーに並ぶようになったそうです。

ちなみに関西では8枚切りはあまり売れないようで、海外ではそもそも日本のような厚切りの食パンは珍しいようです。イギリスなどでは10枚切りみたいな薄いのをクリスピーに焼いて食べるそうですし、フランスでは食パンみたいなパンは甘すぎるので、そもそもあまり一般的ではないそうです。そういえば厚めの食パンって何か料理と一緒に食べるようなパンではないですね。

更に関西のパン事情について語ると、四角い形の食パンを「角食」と表現するのも関西由来です。最近は自分も厚切りの食パンが気に入っているので、厚切り食パンが優勢な関西に習って四角い食パンを「角食」と呼称してます。5枚切り以上の厚切りの角食をトーストすると、外はカリっと中はふんわりとした厚切り角食トーストの食感の虜になっているのです。

各社の極厚切りの角食製品について

大手メーカーの厚切りの角食について、いろいろと食べ比べた結果を比較してみました。ちなみに一斤という表現は食パンにしか使われない規格でして、パンの重さやサイズが決まっています。なので、パンそのものの見た目の違いはほぼなく、大きさや厚みに違いはありませんので、それらに関しては言及しません。

各メーカーの角食の中で自分が一番気に入っている角食は、Pascoの超熟の4枚切りです。Pasco=敷島パンは名古屋の会社ですが、愛知県は厚切りのモーニングトーストの聖地でもあるので、4枚切り、5枚切りなどのような厚切りの需要が高いのでしょう。

超熟は国産小麦だけを使った更に上位の製品もありますが、一般品の角食としての販売価格は新潟だと一番高い値段で売られています。スーパーの棚に並んでいる価格が、税込で200円を超える定番角食は超熟だけです。超熟は添加物の少なさをウリにしてまして、味もクセがなく軽い感じで耳の部分も柔らかいです。この軽さと柔らかさが、厚切りトーストにすると美味しさとして際立ちます。

トーストすると外はややサックリ、中はしっとりと非常にバランスが良いです。トーストした時の焼き色は非常に薄いので、サクッとした食感はありますがクリスピーな感じではありません。4枚切り、5枚切りをトーストした時、その軽やかさと口溶けの良さが超熟は優れています。そして超熟は4,5枚切りのような厚切りの入手性が良いところもメリットですね。

フジパンの本仕込も自分が好きな角食です。こちらも名古屋が本社でございますが、近所のスーパーでは4枚切り、5枚切りを見掛ける機会が超熟よりもちょっと少ないです。本仕込の店頭での販売価格は後述するヤマザキのロイヤルブレッドと同じぐらいで、よく特売になっていて税抜で150円以下の値段で売られていることも多いです。超熟はうちの近所のスーパーでは滅多に特売に入りませんし、概して少し高い角食と言えるでしょう。

超熟よりも生地がしっかりしていて、中がモッチリしてきめが細かい感じです。本仕込をトーストすると超熟同様に焼き色は薄めで、中はモチモチと食べ応えがあるのが特徴です。5枚切り以上の極厚切りになってくると、食べたときの食感で超熟の方が少し軽く感じます。特に4枚切りではその差が大きくなります。

逆に同じ6枚切りで超熟と本仕込を比較すると、6枚切りでは超熟は軽すぎて本仕込の方が好ましい食べ応えになるように感じます。本仕込の6枚切りは価格も安定していて必ず入手出来るので、6枚切りならベストは超熟ではなく本仕込の方かもしれません。

ヤマザキのロイヤルブレッドも入手性が非常によく、価格も安定して150円前後で購入出来ます。4、5,6,8枚切りの全てが並んでいて、近所のスーパーで一番沢山陳列されている食パンがロイヤルブレッドです。山崎パンはとにかく食パンのバリエーションが多いのですが、その中でも一番のスタンダードな角食のブランドがロイヤルブレッドです。

超熟や本仕込のトーストしても耳が柔らかいのですが、ロイヤルブレッドの耳はトーストするとバリっと焼き上がります。糖分が多いようで、トーストしたときの香ばしさとしっかりした焼き色が特徴です。前述の2製品よりも明らかにクリスピーに焼き上がります。4、5枚切りのロイヤルブレッドをトーストすると、外側が耳も含めてカリカリでして、中の生地は歯切れのよいサクっとした印象です。

超熟や本仕込によりも、明らかに香ばしさと口溶けのよいサックリとした生地です。これはヤマザキの食パンの全体で受ける印象です。超熟や本仕込のような食パンとは傾向が異なるトラディショナルな食パンでして、この特性は厚切りよりも、8枚切りなどをしっかりトーストした時のクリスピーな食感として発揮されるように思います。

ちなみにヤマザキには「超芳醇」という本仕込のような、生地がモチモチな食パンもあります。値段的にはロイヤルブレッドと同程度で入手性も良いのですが、個人的にはこの方向性の角食として本仕込の方が好みです。「超芳醇」は本仕込に比べると、ヤマザキの食パンの特徴であるサックリした感じが残っていて、やや中途半端に感じてしまうからです。

ロイヤルブレットは香ばしさとサクサクした感じを楽しむには非常に向いた角食です。クリスピー感が恋しい時は、8枚切りのロイヤルブレッドをトーストして頂くのがベストです。ロイヤルブレッドがサクサクしすぎな人は「超芳醇」を選ぶとよいでしょう。

角食と山型食パンの違い

角食と山型食パンの違いについても語っておく必要があるでしょう。角食は四角い型に入れて上に蓋をして焼くので、切った時の断面が正方形になります。山型は蓋をしないで焼くので、上が釜伸びして膨らみます。

パン一斤の重さは決まっているので、蓋をして焼く角食の方が食べ応えのあるずっしりとした密度になります。上に釜伸びする山型は空気を沢山含んで、サイズが大きくなることから密度は低くなって、柔らかさが強調されます。あと山型の方が耳の部分が薄くパリパリになります(特に上側は)。

ヤマザキは角食よりも山型食パンの方が得意なイメージのあるメーカーでして、ダブルソフトのような山型の大ヒット商品もあります。ヤマザキはルヴァン(発酵種)による生地を大量生産のパンで使うという技術的に難しいことに成功しており、それを売りにしてます。

ルヴァンは発酵種全般を指す言葉ですが、子会社のヤマザキビスケットのクラッカーのブランド名にもなっています。このブランド名である「ルヴァン」を、Jリーグのカップ戦の冠名にも入れるぐらいのヤマザキは発酵種押しなのです。この発酵種は山型食パンとの組合せの相性がよいのか、ヤマザキの食パンの名作は、角食よりも山型食パンの方が多い気がします。

上記のヤマザキのスイートブレッドですが、山型のルヴァン種の食パンです。トーストしても非常に柔らかいのが特徴です。焼いたときにバターの風味がする変わり種で、焼くとバター風味のするフワフワしたトーストになります。これだったらマーガリンは塗らなくてもいいかもしれません。ヤマザキはソフトで歯切れのよい食パンが多く、それが山型パンだと更に引き立つ感じになるのでしょう。

山型食パンと角食のどっちを選ぶかを悩んだとき、軽くて柔らかい食感で耳まで柔らかく食べたいなら山型、ある程度の食べ応えや耳のサクサク感を味わいたいとか、中の生地のしっかりした食べ応えを得たいのであれば厚い角食を選ぶのがよいかと思います。

ちなみに超熟にも山型と角食がありますが、山型になると更に生地が耳まで柔らかくなります。なにしろトースト直後にマーガリンを塗っている間に、全体がフワフワになってしまうぐらいの柔らかさなのです。これは山型にすると耳の部分の薄くなること、よく釜伸びした生地の密度の低さにより、角食よりも柔らかくなるのは前述の通りです。同じ生地でも形や焼き方によって食感が違う、というのがパンの奥深いところです。

4枚切り、5枚切りはどっちがベストか

結論を先に書いてしまうと個人的には角食では5枚切りがベストです。

山型パンに比べると密度の高い角食において、自分が5枚切りがベストと考えるのはカロリーが丁度良いからです。6枚切りは1枚で180kcal前後で200kcalを越えることはありません。4枚切りは食べ応えも抜群でリッチな感じが非日常的ですが、1枚で240ckalぐらいとカロリーが高いのです。

5枚切りも4枚切りとまではいかないですが厚さによる満足感もありますが、カロリーが200kcalをぎりぎり切るぐらいという絶妙なラインなのです。長年、6枚切りに慣れた身からすると、5枚切りでも十分な厚みでなのです。これを味わってしまうと6枚切りが中途半端に感じてしまうんですよね。

ちなみに山型食パンは密度が軽いので、5枚切りでも厚切り角食で感じる非日常感がありません。山型食パンでメジャーな製品といえばヤマザキのダブルソフトでして、これは4枚切りに相当する厚さだそうです。しかし、パン自体は小ぶりなサイズなので、一枚は172kcalと6枚切り角食と同じぐらいのカロリーだそうです。ダブルソフトは夜にスーパーに行くと売り切れている事が多いので、固定ファンは多いと思います。超熟や本仕込より前に耳まで柔らかい極厚切りの食パンの定番品を、既にヤマザキは誕生させていたのですね。

さて、自分は主に夜にスーパーに買い物に行くので、潤沢な在庫から選ぶわけではなく売れ残っていて値引きされている角食を買うが多いです。そんな売れ残りの中でも、自分の観察した限り、8枚切りが一番売れ残っているように感じます。これは厚切りの角食の好む人が増えたということの現れではないか?と自分は思っています。

企業努力により厚切りの角食がしっとりと美味しくなったことのが大きな原因なのでしょうが、逆にクリスピーな食感が魅力な8枚切りの角食って何故に人気が落ちたのでしょうか。これに関しては持論があるのですが、長くなってきたので書くのは後日に回します。っていうか、こんなよく分かんない話、最後まで読む人がいるのか不安です。

なのでまとめて一言で言うと、以下の通りです!

 「超熟か本仕込の4枚切り角食をトーストして、マーガリンを塗って食べてみて!」



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