昨年はBRM1006関東一周600kmという非常に獲得標高の少ない600kmブルベがありました。今思えば峠らしい峠がなく、600kmで2400mという獲得標高はボーナスステージの様なブルベでした。
今年の600kmブルベにはそういうボーナスステージはありませんが、その中でも自分にとって今年の600kmのコースで一番完走出来そうなのがBRM608埼玉600アタック会津です。コースの大半を知っていて土地勘もあるし、獲得標高も他より少なめですし。
私は春~初夏の600kmブルベは3つエントリーしてますが、一番難易度が高そうだった安曇野600は既にDNFしてます。次に難易度が高そうなBRM608天城越え600も獲得標高が6000m近い厳しいブルベです。
つまり、私が600kmを初完走してSRを取得するチャンスの大本命が、このアタック会津というブルベだったのですが、結果は既にご報告の通りです。それでも一応振り返っておきましょう。
さて、スタートまでの状況ですが、このブルベを一緒に走ろうという話をしていたKankuso氏が直前の海外出張が決まってDNSとなってしまいました。更に自分が最寄り駅から輪行で会場に行こうとすると、7時スタートに間に合わないので遅刻スタートを覚悟です。
そんな訳で6:45に東浦和駅に到着して15分で自転車を組み立てて、スタート地点に到着すると既に殆どの参加者は出走した後です。遅刻です~という事でスタッフさんに車検をしてもらって、15分遅れで最後尾スタート。
とりあえずPC1までは平坦基調で100km先なので、さっさと行くよ~と走るのですが、全然前に追いつきません。脚もなんか回らないし、焦りは増すばかり。一人で走るのが好きなのですが、最後尾で全然前に追いつかないというプレッシャーは苦手です。
途中の道でちょっと分かりにくいところ(神社の脇から幹線道路に出るところ)があり、壁に張り紙があった。自分は直進してしまったのですが、この張り紙でコマ図を確認してミスコースに気がつきました。つまり、この張り紙はブルベのコース案内だったのです。
よく見ると、この張り紙の右側に家があって、そこの子供達がこっちに手を振っている。なるほど、ここをミスコースして戻っていく参加者があまりに多いので張り紙してくれたのでしょうね。
自分は遅い方のスタート(7時組)の最後尾の方なので、多分これまでに沢山の自転車がミスコースして、ここを直進して気がついて戻っていったのでしょう。張り紙をしてくれたであろう子供達に手を振って感謝します。
ちょっとした応援に調子が上がらずに折れ掛けていた心を勇気づけられ、なんとかPC1 ファミリーマート粟野町店に12時に到着しました。15分の遅刻を貯金2時間まで時計を戻した計算です。
とりあえずガッツリ飯を食べようということで、珍しくお弁当を食べる。後はハイドレーションパックに氷と水をガラガラと入れる。今日も暑くて、どんどんと水分が汗で失われていきます。
PC1まで100kmもあった事もあり、途中の自販機で水分を補給する他の参加者をよく見かけましたが、自分は2Lのハイドレーションパックのおかげで途中の水分補給停止は無くて済みました。
PC1で見かけた木製リムのバイク。ランドヌール誌でどなたかのバイクとして紹介されていたような記憶があります。乗り心地が良さそうですね。
今回は後ろの方から走行でしたが、知り合いのブルベライダーに全然会いません。あ~、そういえば我孫子在住時に不動峠でお会いしてご挨拶しただけなのですが、ななすたさんと思われるクロスバイクが居たなぁ。
私も後でななすたさんのBlogを見て気がついたぐらいなので、ななすたさんが私に気がつくはずもありません(不動峠で5分ほど雑談しただけですし)。何しろバイクは変わってますし、私はそのときよりも25kgも増量しており、すっかり別人ですからねぇ。
さてPCでは暑さ対策として塩分補給にカリ梅を買ってみました。殆どこういう物は食べないのですが、おおしょっぱいしスッパイし、何となく効きそう。
この先、日光を越えて鬼怒川に入れば会津若松まではGWに走ったばかりのルートなので、そこまで頑張りましょう~PCを出発して、標高300mぐらいのいくつかの峠を越えて日光に向かいます。
しかし、この日光までの登り下りが想定外にキツくて、インナーローに落としてクランクを無理に踏み込んでノタノタと上がる感じで明らかに調子悪い。
この脚がクルクルと回らず、ギリギリと踏み込むような登りの走りはBRM518安曇野600の時に似ています。これだと太腿は全然使わないのですが、シューズの中の足の甲やら側面やら足の裏がとても痛くなるのです。
ああ、なんか今日も調子悪いぞ!と。やっぱり節制して体重減らさないとダメだわ。
(;´Д⊂)
何とか登り切って日光に到着。足は既に使い切った感が漂うのですが、ここからしばらくは緩い登りだから大丈夫かと。
高速道路のICを眼下に見下ろして少しテンションアップ。下から登ってきた少年に「友達を見失ったのですが、この先で見かけませんでしたか?」と聞かれましたが、こんな峠を越えてくる変態はブルベライダー以外見かけるはずもありません。
日光駅前は初めてです。わざわざここを通るようにブルベコースが設計されていますね。ここを越えてPC2のローソン日光所野店に夕方ぐらいに到着。まだ150kmしか走っていないのに足が売り切れ気味です。
PCではテンションの高い少年野球のグループが賑やか過ぎて、なかなか会計出来ない。
(ノД`)シクシク
ゆっくり休みたいので、コンビニの脇でへたり込むように座って休むものの、藪が近いこともあって虫がウザくてマッタリ出来ない。曇り空で湿気高いのに、気温はちょっと肌寒いという着る物を悩むような天候です。
隣にいた参加者の方がレッグウォーマーとかを履いているのを見て、俺も履こうかな?と思ったのですが、虫が酷くてさっさとPCを出たい。もっとマッタリ出来る所で着替えることにしましょう。
鬼怒川まで行けば知ってる道だ、何とか成るさ!、川治温泉の坂分精肉店でメンチカツでも食えば復活する!と自分を励まして、PC2をスタート。
しかし、ここから鬼怒川までの道程はたまに勾配10%の登り返しがあったりとか、何となく折れ欠けていた心がバッキリ折れる音が少し聞こえました(笑)
調子が悪くなかったり、事前に知っていたりしたらなんてことないルートなんですけどね。気分が乗らないときはこんなもんですな。
今回は他のブルベ参加者ともあんまりお話出来てないのが気分が乗らない原因の一つかな?。我孫子から横浜に引っ越してももうすぐ二年ですが、神奈川方面のブルベなら何となく見知った方が必ず出走しているので、お互いに励まし合って走行できるのですが。
曇りでどんよりとした暑さです。いつもならテンションが大幅アップする鬼怒川川治温泉郷に入っても心は晴れません。この先にある新高徳駅の近くのコンビニで大休止します。
あれれ、ここから先が本領発揮のハズなのに、160kmぐらいで力尽きる感じ。ここんところ続いているDNFは全て150~200kmの間に発生しています。今年3月~4月ぐらいに感じていた「いくらでも走れるぜ~」という感じはどこに?
コンビニのベンチに腰を下ろして、たまに通る参加者を見つつ、ここで色々と考え込んでしまいます。このアタック会津が600kmブルベで完走出来そうな大本命だったハズなのですが、この有様に少々自己嫌悪。こういう時、一人で走っているとどんどんと悪い方向に…
イカンイカン、弱気になっちゃダメだ。雨も降りそうもないし、ここから先は会津田島でソースカツ丼を食べるとかお楽しみも沢山あるじゃないですか!。貯金もまだまだあるし、まだ走っている人もそれなりに居るんだから大丈夫!と自分を励まします。
何とか走り出して、ちょっとだけテンションが上がってきたところで、トラブルが起きちゃうのが悲しいけどこれが現実だったりします。
鬼怒川温泉を走っているあたりで、ふと自分のレーパンの内股に触ってみました…あれ?地肌に触れられるぞ(謎)
レーパン(自分はビブタイツ愛用)ってのはサドルの形にパッドが入ってまして、それを下着を着けずに履きます。なので穴が空くと素肌が露出します。しかし、パッドはそれなりの厚さがあるはずなのですが…あれれ?
原因はサドルバッグをシートポストに巻き付けるベルクロの取り付けをミスって、少し出っ張ったまま走り続けていたら、それが内股とずーっと干渉して穴があいたという事です。
直前にサドル位置を後ろに下げたり、今回はスタート遅刻で慌てて自転車にサドルバッグを取り付けたりしていたので、ずーっと擦っているのは分かっていたんですが、まさかこんなに大穴になるとは。
自分がダンシングしているのを後ろから見ると、きっと穴が空いているのが丸見えなのでは?。内股ぎみに注意して歩く分には穴はバレないような気がするが、レーパンの表面の生地の穴がこれ以上広がると、人間としての尊厳が失われてしまう可能性があります(泣)
こういう時に限って着替えのレーパンを持ってきていないです。どうも必要なさそうな雨具を入れるために、着替えは上着のジャージだけにしちゃいました。よく考えると上着のジャージの替えより、レーパンの替えの方が重要だろ?>俺
困りました。ちょっとだけモチベーションが戻ってきたところで、このありさまです。急に恥ずかしくなってきて、鬼怒川公園駅のベンチで途方に暮れます。頑張って会津田島まで行ければ、ユニクロとかで代わりのものも調達できるでしょう(閉店時間に間に合えばですが)。
しかし、この辺は自分もよく知っていますが、鬼怒川温泉駅から一つ先の新藤原駅が東武鉄道の最後の駅で、ここから先は会津鉄道となり料金もガツンと上がります。
つまりDNFするなら鬼怒川温泉駅まで戻れば特急スペーシアが俺を待っている!というDNF最適ポイントだという事を知っていたし、ここからの輪行も3回経験済みなのです。
安曇野600のDNFは熱中症で体調がヤバい、このコースは俺には無理だ!とアッサリ諦めがついたのです。しかし、今回はまだまだ体力的には走れそうなのに、心がもう折れてます。そこにこのレーパンの穴でモチベーション急降下です。
まんじりともせぬ思いの中、鬼怒川温泉駅まで戻ってきました。うむ、見慣れた駅だな。鬼怒川温泉駅でいつも自転車をバラす時に使っているベンチに自転車を立てかけます。
「この会津600kmがダメだったら、来週の天城越え600なんて無理すぎる。」
「千葉の茂木600はエントリーしてないし、9月の裏磐梯600でSR取得か?」
「しばらくブルベは離れて、楽しく走るサイクリングに専念したらどうだ?」
「ユニクロがあればレーパンの穴なんか解決する。とにかく走れよ。」
いまぁ、いろいろな思いがありましたが、体の方は心の想いは全く無視して、いつもの手順通りテキパキと自転車をバラして袋に詰めちゃってます笑)
AJ埼玉のブルベでDNFするのは初めてだな、と本部に電話します。あまりに恥ずかしいので理由は「機材トラブル」と報告しました(爆)
もう直通で都内まで戻る普通列車は終わっている時間ですし、乗り換えが面倒なので、生まれて初めて特急スペーシア(浅草まで2500円)に乗りました。土曜日の夜なんでガラガラです。
正直、少々やさぐれた気持ちだったのは言うまでもありませんが、レーパンの穴がバレないように歩くのは内股です。これで22時半ぐらいには自宅に到着出来るでしょう。
いつもならDNFでも「まぁ、やるだけやったし、こうやって電車で帰るのも、また楽し!」と割り切れるのです。しかし、今回だけは気持ちが晴れません。ブルベとの付き合い方を少し考え直そうかと、色々と考え込んでしまいました。
自転車の置き場所はどこかが良いですかね?と東武の車掌さんに相談したら、乗る人が凄く少ないのか一列全部を無料で押さえてくれました。そんな訳で空いたシートの前に自転車を置かせて貰いました。
いつもならビールでも飲んで、居眠りしつつご陽気に車窓を眺めるのですが、今回は色々と考え込んで一睡も出来ませんでした。記憶と言えば、東武浅草駅から都営浅草線の乗り換えが遠くて、自転車シューズで内股で歩くのが辛かった、という事ぐらいです。
先に報告した通り、翌週の天城越え600kmが完走できたから、ネタとしてアタック会津のレポートを今、こうやってアップしております。もし天城越えをDNSもしくはDNFしていたら、この実走記録は書かなかった可能性が大です。
この手痛い失敗から色々と見直したおかげで、何とかBRM608が完走に繋がったのが非常に大きかったのでした。