BRM608青葉600天城越えは前週のアタック会津のDNFで自信喪失してたので、出走するかどうか悩みました。
週の初めには週末の用事や雨の可能性もあったので、DNSのつもりでした。しかし、天候は悪くなさそうだし、用事も調整が付きました。
これまでのDNFの結果を踏まえて、平日のうちに色々とやれることはやっておきます。Twitterでの励ましもありましたし、念のため出走できるように準備です。
先週のアタック会津ではサドルを後ろに下げ過ぎていたので、サドルバッグと内股が干渉してレーパンに穴が開きました。今回はステムを延長してハンドルを前に出して、サドルも前に移動させた。今までのポジションよりもゆったりした感じでとても楽に走れそうな予感。
前回のDNFの後、BRM608青葉天城越えの出走までに、やったことを列挙すると以下の通りです。
- 熱中症対策で毎朝30分三本ローラーを漕いで汗をかく
- 四十肩対策に毎朝テレビ体操をやる
- リアホイールの剛性Upのため、スポークの交点を結線するソルダリングの実施
- 長いステムに交換してゆとりあるポジションに
- 持っていく装備の見直し
整備やキューシートの準備はいつも通りですが、今回は装備も少し見直してみた。便利でいいと想いつつも、ハイドレーションザックを使い始めてからDNFしてしまっているので、今回は何も背負わないことに。
やや過剰になりつつあった装備も見直して軽量化、そして前日の天気予報を見て雨具を持っていかない決断をした。後は気温調整用に着替えやすいインナーとしてユニクロのヒートテックインナーの長袖を加える。
コースはこんな感じだ。前日にもTwitterで呟いているが、碓氷峠は安曇野600で経験済みだし、今回のブルベの最高標高地点(1350m)の野辺山まではダラダラとした緩い登りなので、何とかなるかと思う。
問題は伊豆に入ってからの天城峠越えだ。ここは勾配もあるし、一気に650mまで登って下る厳しいルートだ。ここを正直押し歩きしてでも越えてしまえば、河津から先は知っている道である。
特に藤沢からは自分のホームコースでもある境川CRの脇を通る訳で、飯田牧場もわざわざ通るようにコース設定されている。ブルベの終盤でこれは勇気づけられるだろう。
3月に桜を見に行ったとき、河津から伊東までの登り下りが結構辛かったな、という記憶と、東伊豆の想定ルートが少し違っていたという思い違いがあって苦しめられましたが、それはまた後ほど出てきます。
今回のスタート地点は多摩川の京王閣競輪場の脇の児童公園です。7時スタートなのですが、自宅からの自走ではなく、始発で輪行しました。前日は仕事が少し遅くなりましたが、準備はしていたので23時には寝て4時には起床。
前日キッチリ寝れたのが、とても良かったです。最寄りのJR南武線 矢野口駅で自転車を組み立ててスタート地点に6時半に到着。まこたさんを始めとする青葉のスタッフの方にご挨拶して、ブリーフィングを受けます。
本日は梅雨にも関わらず天候が安定している事が予想されるので、DNSも非常に少ないとのこと。やはり、このブリーフィングを聞いて心を落ち着けるのが重要です(先週のAJ埼玉のブルベ遅刻の反省から)。
先週、BRM601興津600kmを完走したなーちゃんさんは今回はDNSとの事ですが、まこたさん、ユメさん達と横須賀のローリエというお店に本日グルメランだそうです。
後でツアーの写真を見ましたが、自分もSRがかかってなければブルベを放りだして、横須賀に強引に飛び入りで駆けつけたい気持ちで一杯になりました。
ヽ(◎´З`)ノ彡☆
スタッフの誘導の元、7時にスタートです。しばらくは昨年走った渡良瀬300の時と同じルートを走ります。
今回は元プロ選手でブルベにも出走している三船雅彦さんが出走してました。Twitterによると初の関東でのブルベ出走とのこと。トレインの後ろから二人目の黄色い蛍光ベストの方です。
スタートから少しだけ付いていきましたが、凄くペダリングが綺麗。後で知りましたが28時間で完走で、火曜日からSR600を走るとのこと。SR600とは今年から新設された600kmで獲得標高10000mを越える超級山岳ブルベのこと。
各自が勝手に走って、ポイントで証明できる写真を撮影して認定を受けるという仕組みになっています。しかし、600kmの普通のブルベの2日後にSR600を走るとは、流石すぎる(笑)
ちょっと脱線しましたが、適度な晴れで気温も暑すぎずに走りやすかったです。まだまだ先は長いのでペースはあげずにゆっくりゆっくり走ります。
スタートした土曜日は本当に天候に恵まれてました。あまり暑くもないけど、気分が落ち込むほど曇ってもいません。土曜日は熱中症の心配なく走れました。
6月は雨の心配さえなければ、昼間の時間が長くて暑すぎず、長時間のブルベに持ってこいの時期ですね。5~6月に600kmブルベが集中しているのも分かるような気がします。
渡良瀬300の時とおなじようなコースで飯能の市街に入ります。この辺で後ろから来たkurajiさんと遭遇して、信号待ちで雑談。先週の事もあり体調はまだまだ心配でしたが、今日は今のところよさそうです。
やはり知り合いやらblogの読者さんに声がけして頂けると、自分もテンションがあがります。横浜に引っ越してきて2年、引っ越して来た理由となった人とは別れたけど、もう自分にとってホームは千葉じゃなくて神奈川なんだな~と実感します。
さて、安曇野600とおなじく碓氷峠に向かうのですが、細かい所でルートが結構違います。安曇野600に比べると今回の天城越え600は、碓氷峠まで殆どフラットでした。安曇野の時はもっと登り下りのあるルートでスタミナを使った記憶があります。
なんだ安曇野に比べれば全然行けるじゃん!と少し心に余裕が出ました。
児玉のガリガリ君工場も今日は素通りします。この後、PC1 セブンイレブン寄居赤浜店(76.9km地点)には10:53に到着。貯金は1時間20分でまずまずです。
この週末はセブンイレブンのおにぎりが100円でしたので、ずいぶんと沢山のおにぎりを食べたような気がします。ガリガリ君を食べる程の暑さではなかったですね。ミネラルウォーターをボトルに入れて再出発。
安曇野600では碓氷峠までの富岡あたりの登り下りでヘバったのですが、今回はずーっと緩い勾配のまま横川の手前まで来ました。ふむ、今のところは調子も悪くない。
回りを見るとたまに他の参加者もチラホラと居ますし、早いほうではないですが、最後尾ではないようです。
釜めしのおぎのやの脇はまたもや素通りします。何人かはここで食事をしていったのでしょうね。
そういえばステム変更により、ハンドルをやや遠く、高い位置にセッティングしました。この効果はテキメンで、とてもペダリングが楽です。特にハンドルの高さがジャストでした。
今回のコースは登りが多いですが、同じように下りも多いわけです。自分の様に重たいとブレーキを思いっきり掛けないと危ない事もあるわけで、すっかり腕が疲れてしまいました。
そんな時、ハンドルの上に両腕を投げ出すようにしてペダリングをすることで腕の握力を回復させたりとしてました。以前のハンドル位置だと、この技は微妙にハンドルが低くて出来なかったんですよね。
鉄道文化村のSLが煙を立てて走っていました。この辺は心も穏やかに、淡々と足を回せました。
碓氷峠の手前の134km地点がPC2 ファミリーマート松井田妙義インター店に13:58に到し、貯金は2時間となりました。アイスと飲み物だけ補給して、この後の碓氷峠の登りに備えます。
ここでやっとFacebookにブルベを出ている旨を呟く。とりあえず恥ずかしくない所までは走れそう、という手応えを感じたからです。
碓氷峠旧道は知っていればたいした峠ではありません。ひたすら勾配は緩いし、車の交通量が少ないので安心して登れます。ここは自転車乗りなら一度は走るべき峠だと思う。
前回は余裕が無くて記念撮影できなかった場所でパチリと一枚。安曇野600の時に比べると足が軽いです。
めがね橋も今日はバイクを漕いだまま撮影して終了。今日は休まずに登り切れるような気がする。
碓氷峠は道も悪くないですし、たまにちょっとした水平移動や下りもあるので足を休めやすいです。
道路をゆうゆうと横切る二匹の姿が見えたので、カメラを取り出してサッと撮影。何とかサルの補足に成功しました。おなじブルベ参加者が「いやぁ、サルが居ましたねぇ~」とご挨拶していきました。
こういったちょっとしたネタがブルベではとても重要です。そういえばアタック会津は自転車の看板以外、ネタがなかったな。
何とか休まずに淡々と碓氷峠をクリア。ここにきて少し実感しました。今日は調子がイイ!、きっと完走出来る!。
思えば安曇野600の時も、もう少し走れば下り基調で回復した可能性もありましたが貯金が殆どなくなってました。今回はあまり貯金を減らさずに登れたのは大きいゾ。
軽井沢を素通りして、いよいよダウンヒルの連続です。ここはちょっとだけ枝分かれする道が分かりにくいですが、とても気持ちのいいダウンヒルで足を休めつつ距離を稼げます。
この区間で他の参加者を何人か追い越します。ちょっとだけゆとりが出てきた現金な俺です(笑)
土地勘の無い長野の市街(佐久市あたり?)を通っている時に、観光バスの乗っている少年達に「そこの自転車の人、なんで走ってるの?」と数回声を掛けられます。
位置的に自分より上の方から声がするので、最初はよく分からずに声の主を捜してしまいました。こちらの声が聞こえる訳ではないですが、親指をサムアップして挨拶終了。
この辺のダウンヒル&市街地の平坦区間で時間の貯金を稼ぎましょう。
こういう土砂崩れを防止するための地形をよく見かけました。やっぱり長野は山が多いんでしょうね。
長野県にあまり馴染みは無いのですが、この1ヶ月で安曇野600、あづみのセンチュリーライド出走につづいて今回のブルベで3回目の来訪です。
こういう川があるとついつい撮影しちゃいます。そんな訳でここからちょっと行ったところに、一つの区切りである200km地点にあるPC3 セブンイレブン小海豊里店に18:13に到着。
貯金2時間は変わらずですが、位置エネルギーが標高950m分貯まっています。碓氷峠を越えた事を考えると上出来です。
地域オリジナルっぽいアイスがありましたので食べてみましたが、味はまぁ普通…っていう感想がピッタリ。
塩分補給としてカップラーメンBIGとセブンイレブンのドリップアイスコーヒー。このドリップコーヒー、値段を考えると良くできていると思いませんか?。実際、回りでも評判がよくて、このブルベ中に3回飲みました。余った氷はもちろんボトルに詰めますよ(爆)
ラーメンを食べながら他の参加者と談笑しつつ、来る人に挨拶したり、出かける人を見送ったりという夕暮れの時間帯でございました。
ここを出ると、今度は清里トンネルまでだらだらと標高1350mまで登ります。これを登って「位置エネルギー充填120%!!」とオヤジギャグを呟くのを忘れたのが悔やまれる。
後はしばらくは軽快なダウンヒルの連続のはずで、後はラスボスの天城越えだけです。
じわりじわりと登っていきます。この辺の登りがまだ明るいウチにこなせたのは本当に良かったです。景色を楽しむ余裕がありましたから。
なかなか綺麗な景色を楽しみつつ、足は比較的軽やかに回ります。勾配がゆるくて一定なので、ダラダラと走りやすかったのです。登り方としては、自分は30Tカセットを使っているので、最後の30Tは残して、28Tでグイグイとシッティングで登ります。
たまにちょっとギアを上げてダンシングを交えたり、今回はあまりケイデンスを上げずにジワジワと踏み込んで登ると心拍数もあまり上がらずに楽に登れました。まぁ、この走り方は足先にはとても負担がかかるのを後で知ることになりますが。
とはいえ、この辺で暗くなってきたので、使い捨てコンタクトを外して、アイウェアのレンズを調光から度入りの色の薄いものに替えます。
頂点に付く頃にはすっかり日も暮れていたので、JRのもっとも標高の高い駅である野辺山駅の記念撮影はフラッシュを炊きました。
この後、少し下った所で肌寒くなってきました。キューシートの56番の清里トンネル東の交差点あたりだと思いますが、信号があって右折するところの脇に着替えするのに丁度よさそうなスペースがありました。
回りは車しか通らないし、バイクも立てかけて置ける余裕もあります。時間は20時ぐらいだったと思いますが、そこでレッグウォーマーを履いたり、ヒートテックの長袖インナーに着替えたりしていたら、後続の人が2人ほど来ました。
自分が「丁度良い着替えスペースだったので下りに備えて着替えます」、と告げると、後続の2名の方も「確かに良い場所ですね」とウインドブレーカーを上に羽織ったりと、すっかり和やかな着替えスペースに。
まわりは車以外全然通らないようなところなのに、信号の脇にポッカリと広い場所&街灯があるのですよ。多分、我々3人以外にもここで着替えた人は多いと思います。
ここからは3人セットになってダウンヒル。自分は重くてスピード出過ぎるので、前ではなく後ろに付かせて貰ってブレーキを掛けつつ下っていきます。K17七里岩ラインの入り口が分かりにくかったのですが、そのあたりで凄い勢いで消防車がやってきます。
少し先に進んだら240km地点あたりのコース脇で火事がありました。10分ほど前に消防車が我々を抜いて行ったのですが、既に鎮火されていました。
凄い人だかりになってましたが、素通りは出来ましたのでロスは殆どなし。いやぁ、コース沿道で火事とは少しビックリですが、見に来ていた人も何でこんな所を自転車の人が走っていくのか不思議だったでしょうネ。
このエリアを抜けて244km地点のPC4 ローソン山梨白州町店に到着したのが21:25です。ここでも貯金は約2時間は変わらず。今回のブルベの最高標高地点を越えてきた割にはイーブンペースで走れたのは大きい。
ここでコーヒーとからあげクン レッドを購入。からあげクンのタンパク質がとても美味しく感じました。ここまで一緒に走っていたお二人とは、ここで別れます。自分としては、やはり天城越えまでは何とか時間を稼ぎたいですし。
いつの間にか山梨県に入ってましたが、南アルプス市などをはひたすら位置エネルギーを開放して、超高速ダウンヒルで走ります。こういう時は一人の方が気楽ですね。
鼻歌も出てきて、色々と調子が戻ってきたのが分かります。そろそろ土曜日も終わりそうな時間帯になってきて、眠気が心配されましたが何とか大丈夫です。PC以外のコンビニに寄る事もなく50kmほど先に進めました。
コンビニに寄らなかったのは調子が良いというよりも、単にコンビニが無かったからです。駅とかに立ち寄ってトイレだけでも借りれば良かった。川沿いの山道を走っているときに、どうにも我慢出来なくなり車が途絶えた隙に、止まって自転車を壁に立てかける。
んでもって、至福のひとときを過ごしている時に、対向車がやってきた。こちらは急には止められない(笑)。なんと対向車がスピードを落として、私の脇で停車するではないですか!
ああ、きっと怒られる!でも、もう深夜で山の中だから許して~、と済ませてからドライバーの方に向き直ります。ドライバーの方が運転席から「今日、自転車を沢山見かけましたけど大会か何かですか?」と訪ねてきた。
はぁ、よかったぁ~~~と安堵しつつ、相変わらず説明に困る600kmブルベについて、ちょっと説明したところ「おお、それは頑張ってください」と奥にいた奥方様と思われる女性からも励まされました。
確かにこんなに山道で対向車線を走っている自転車に対して質問したくとも、私みたいに停車でもしてない限りは無理ですもんね。納得はしましたが、こっちとしては何とも気まずいエピソードでした…。
とりあえず田舎でも駅のトイレはあるから、限界まで我慢するのはダメだ、と心に命じました(泣)
山梨県は終わって、あっという間に静岡県に入りました。相変わらず見延あたりから、コンビニが全然ありません。ハッキリ言って単なる田舎の山道です。
前を走っていた参加者がフラフラしているので声を掛けてみると、眠い上に変速の調子が悪いそうな。ディレイラーを見てみてもおかしいところは見あたらないので、騙し騙し進むとのこと。
その先の静かな山道の脇で、この方が「少し寝ます」とダイナミックに寝ていたのが印象的だった。殆ど車も通らず、安眠を妨げるオートバイも来ないから、さぞかしよく寝れたことでしょう。
この後はしばらく単独で山道を進みますが、だんだん心細くなってきたところに…
うはぁ、欄干にこういうの置くと夜中に通るランドヌールがびっくりするので止めて欲しい。マジで怖くて声が出てしまいました。ダイナ橋で検索すると昼間の写真も出てくるのですが、昼でも怖いわ!
この後、真っ暗な富士見峠というちょっとした峠道がございまして、ここで先行している人が眠気覚ましに何か呟いているのが聞こえてきます。自分もアニソンとか口ずさんで紛らわしていたので、そんなもんだろうと思ってました。
その方はとにかく眠いとのことで、その先の自販機でコーヒータイムをしていました。ご挨拶して先に進みます。富士見峠からのダウンヒルを済ませると、空気の感じが変わります。
そうです、ついに海沿いである静岡の興津にある駿河健康ランド手前に設置された、PC5 ローソン清水興津中町店に2:57に到着したのであります。距離は約350kmということで、気分的にはここで600kmの折り返しかな。
位置エネルギーは全部放出してますが、おかげで貯金は3時間半近くあります。ここまでは何とか無事こなせました。上出来すぎるでしょうし、気分的にも「これなら十分完走出来る!」と考えてました。
貯金もタップリですが、一睡もしておらず、ラスボスである天城峠も残ってます。俺たちの戦いはこれからだ!という事で後編に続きます。