シマノ PD-MX30にPD-MX80のペダル軸を取りつける

タイトルだけで結論が分かってしまう内容ですが、最後までお付き合いください。自分はロードバイクはスピードプレイかクランクブラザーズのキャンディでペダルは統一しているのですが、日常的に乗る自転車についてはフラットペダルを使っています。

何せ体重がありますし、雨でも乗りますから、しっかりと靴に食い込む良いペダルじゃないとペダルを踏み込んだときに滑って怖い思いをすることがあります。なので、ロード用の小さなペダルは避けてMTB用の踏み面のしっかりしたペダルを使っています。

シマノのフラットペダルの丈夫さについて

写真のペダルはシマノのPD-MX30という現在は廃盤になったフラットペダルでして、Escape R3に取りつけて8年ほど使っています。この自転車は雨ざらし保管なのですが、ペダルの回転が鈍くなることもなく、シマノのシーリングはしっかりしているな、と感心します。

8年間で一度も分解してグリスアップしたりしてませんでしたが、最近ついに左ペダルの回転が少しゴリゴリとした感触が出るようになってきました。MX30は既に廃盤ですが、気に入っているペダルなので、シマノのスモールパーツを取り寄せて補修して使い続けたいです。

この時点では、シマノなのでベアリングはカップアンドコーンでしょうから、そのベアリングの球でも錆びてきたかな?と予想してました。この自転車は通勤に使っていますから、少々ゴリゴリ言うだけで普通に乗れちゃうので、いつバラそうか悩んでました。

リリーフでPD-GR500を購入

シマノのフラットペダルの現行品はPD-MX80というMX30の後継と思われるモデルと、その廉価版としてPD-GR500の2つがあります。ちょうど実家に置いてあるロードバイクを街乗りで使おうと思ってフラットペダルを物色していた事情もあり、とりあえずMX30のメンテが終わるまでどちらかのペダルを購入してEscape R3に取り付ける事にしましょう。

GR500の方が少し重いみたいですが、値段を考えるとコストパフォーマンスはGR500の方がよさそうなので、こちらを入手しました。MX30より薄くてスタイリッシュです。

 

とりあえずこの新品ペダルをEscape R3に取りつけて、外したPD-MX30を落ち着いて分解して、回転がゴリゴリしている理由を突き止めて再生しましょう。直ったら、MX30に取り付け戻して、実家にロードバイクにはGR500を取りつけちゃいます。

金属部品に異常なし、ゴムブッシュが摩滅

まずはペダル軸をペダルの踏み面から抜き取ります。専用工具は必要なく、自分は大きめのモンキーレンチを軸の根元に当てて、回して抜き取っていきます。

ペダル系のネジ切りのルール通り、左側が逆ネジになっていますのでモンキーレンチを回すときに注意です。特にペダル本体はアルミのように軽い金属なので、無理に回してしまうとネジ山を潰しかねません。

8年も使っていたので固着しているかな、と思いましたが、なんの問題もなく軸が取り外せました。ベアリング周りにはグリスがちゃんと残っており、左右ともベアリングの球も異常はなさそうです。ゴリゴリしていたのは左側の軸なのですが、ベアリングの球の状態はほぼ右側と一緒です。

で、よく見てみると、手前の右の軸はペダル軸をロックブッシュに差し込んでいる場所のゴムブッシュがありますが、写真奥の左の軸はゴムブッシュが完全に摩滅してしまってます。どうもこれが異音の原因かな?

別の写真で分かりやすく説明します。写真の上側の軸が問題の左軸なのですが、ゴムブッシュが摩滅してしまってベアリングの玉当たりが狂って隙間が出来ているのが分かります。下側の右軸は黒いゴムブッシュがまだ残っていて、玉当たりの隙間が出来ていないことが分かります。

ベアリングの鉄球などに異常は見られないので、このゴムブッシュだけスモールパーツで取り寄せればいいんだな…とシマノのパーツリストを見てみます。分解図からY品番というシマノのスモールパーツ発注用の型番が分かれば、MonotaROやサイクルベースあさひなどで取り寄せることが出来ます。

ゴムブッシュだけの販売はない?

上の写真がPD-MX30の分解図ですが、欲しいのは軸の②の部品の左にあるゴムブッシュだけなのですが、このパーツ単独での番号が採番されていません。つまり、この部品は①の軸全体でしかスモールパーツが提供されていないのです。

ゴムブッシュ以外は何の問題も無く、ゴム部品だけ入手出来れば「ジオンはあと10年は戦える!」というお決まりの台詞どころか、現実には20年は持ちそうです。ただ、このペダル軸を分解してベアリングの玉当たりを調整するにはシマノの専用工具が必要になるようです(工具が無くても出来そうな気もするけど)。

ゴムブッシュだけの入手は諦めて、MX30用の①の軸部品の左側だけを入手するつもりでY品番で検索してみると、どのサイトも「在庫無し」の表示ばかり。流石にもう現行品じゃないもんね…これは困りました。

現行ペダルの軸がそのまま使えるんじゃね?

軸パーツ自体は在庫があれば1600円ぐらいで入手出来そうです。玉当たり調整済みの軸パーツとしては、まぁ、妥当…いやかなりお安い値段あと思います。問題はMX30用の軸パーツはほぼ在庫が市中から消えていることです。でもシマノのことだから「現行品と互換性あるんじゃね?」というパターンが多いんです。

Webなどで現行のペダルであるPD-MX80の軸部品を見比べてみると、どう見てもMX30の軸と同じように見えます。もっともPD-MX80は軽量化のために素材が少し違うみたいですが。

たまたまAmazonでPD-MX80の左側の軸(Y46R98020)だけが1000円で販売されていました。通常、軸パーツ一式は1800円ぐらいするので、1000円なら人柱になってみてもいいかも?と注文してみました。

後で気がついたのですが、MX80の廉価ペダルであるGR500が手元にあるんですから、それを外して軸があうかチェックすれば何のリスクもなかったのです。この文章を書いている現在、タイトル通り結果オーライだったから良かったようなものの、もし互換性が無かったとしたら発注前に気がつかなかった自分の馬鹿さ加減にウンザリしていたでしょう。

MX80の左軸はAmazonでサクっと翌日に届きました。Amazonでは7/29現在、1799円弱にお値段が戻ってます。自分が1000円で買ったときがラスト在庫で投げ売りだったみたいです。参考までにMonotaROのサイトだと1590円ぐらいですね。

ちなみになぜか上位モデルで軽量化されている軸であるMX80の軸の方が、GR500の軸よりちょっと安いんですよね。

互換性問題なし

並べてみましたが、どうみても同じです。これは予想通りです。グリスを塗りたくって、ペダル本体に取りつけてみましょう。

モンキーレンチでねじ込みます。左ペダル軸は逆ネジですから、気をつけてねじ込みましょうね。スルスルって入っていきます。

そんな訳で交換完了。PD-MX80のペダル軸がそのまま使えました。右側のゴムブッシュが摩滅するのも時間の問題なので、安いときに右側の軸も買っておこうかな。

流石シマノと言いましょうか、互換性を維持しつつ後継モデルを開発しているんですね。変速コンポなんかだと互換性の情報をシマノが後悔してくれてますが、スモールパーツのレベルだと互換性についてはなかなか情報が得られません。型番をバッチリ書いてWebの記事にしておくと同じような悩みを持った方の役に立つかも?とこれを書いた次第です。

しかし、このゴムブッシュだけ交換出来ればもっと安価にメンテが出来るわけです。この部品だけ売ってくれ、と思わなくもないですが、雨ざらし保管で8年使っててやっと交換ということであれば、パーツの寿命としては十分すぎるのかもしれないですね。