先日、入手したROTOR POWERクランクですが、取りつける際にこれまで使っていたQ-Ringの取りつけ位置を少し変えました。ROTORではこのポジション調整の位置をOCPという名称で呼んでいます。
標準はOCP値=3でして、これは時計の針で言うとクランクの位置が4時ぐらいで最大の歯数になるようになっています。OCP=1だと3時ぐらい、OCP=5だと5時ぐらいの位置が最大の歯数になると言われています。
この辺はダイアテックのこのページに詳しく語られています。
アウターの設定をOCP=4から2に変更する
現在の設定ですが、これまでアウター、インナーともOCPは4にしていました。1年ちょっと前に乗り始めた時は3にしていたんですが、すぐに4に変えました。ちなみにマニュアルには以下の様に記載されています。
以下の様に感じる場合、最大ギアが来るのが遅すぎる (OCP が大きすぎる)
- 加速はいいが、速度維持が難しい
- 踏み込み時に遅れているような感触がある
- 通常の使用時よりケイデンス(ペダル回転)を遅くすると快適である
- 通常より前に座る方が快適である
- スタンディングでは快適であるがシッティングでのペ ダリングは快適でない
- 今までなかった膝の裏に痛みを感じる
以下の様に感じる場合、最大ギアが来るのが早すぎる (OCP が小さすぎる)
- 一定走行はしやすいが加速と最高速維持が難しい
- ペダリング時に早すぎる場所で足首の関節に抵抗を感じる
- 通常の使用時よりケイデンス(ペダル回転)をあげると快適である
- 通常より後ろに座る方が快適である
- シッティングは快適であるがスタンディングでのペダリングは快適でない
- 今までなかった膝の表側に痛みを感じる
最初に取り付けた時は、最大ギアが来るのが早すぎる、の方の症状に当てはまりました。主に5と6の原因ですね。なのでOCPを4に上げて、これで1年ぐらい使っていました。
しばらく楕円のCervelo R3の方ばかり乗っていたのですが、たま~に真円チェーンリングがついたマキノ号に乗ると「こっちの方が平坦での速度維持が楽だな」と感じるのです。ただ、登りでは楕円リングのついたCervelo R3の方が楽な気がします。
この辺の事を考慮して、アウターはもっと踏み込みポイントが手前になるようにOCPを2に変更し、インナーは4のままというセッティングにしてみました。
とりあえず大井埠頭での朝練で使ってみて、平坦では目論見通りアウターは速度維持がしやすくなりました。インナーについては弄ってないので未評価ですが、インナーとアウターでOCPが違ってもそんなに違和感はないですね。
TTポジションの様な前乗りでは踏み込みは奥になるのでOCPは4とか5がよいんだそうですが、とりあえずはこのOCP=2の設定でBRM319の平坦ブルベを走ってこようかと思います。
MASスパイダーだとOCPを0.5段で刻めるんですが
ROTORには普通の☆の形のクランクの他に、MASというエアロ形状かつ楕円リングの取り付け位置が2種類ついたクランクがあります。
この前、入手したROTOR POWERはこのMASというクランクになっているのですが、コンパクト用のPCD110とノーマル用のPCD130では穴の位置が違います。
上の写真は私が入手したのと同じ、PCD110のMASクランクです。穴が10カ所も開いてますが、パッと見た限りではどの穴にチェーンリングを取りつけると0.5段の差になるのか?が分かりません。
ちなみにPCD130の場合には、上の写真の様に穴が開いてます。これだと、取り付け位置でOCPを0.5段刻みで変えられるというのがパッと見た感じで分かり易いですよね。
という訳でこのPCD110のMASクランクは、どの位置にチェーンリングを取りつけると0.5段刻みにでOCPがいじれるか?が分かりにくいので要注意です。
楕円リングのフロント変速調整
楕円リングは回転する位置によって、チェーンリングの刃の高さが変わることもあってFDの取り付けの上下位置の調整が難しいです。
特にeTapのFDは羽根の外側のプレートの内側に張り出しがあって、チェーンリングの刃が一番高い位置になったときに、この張り出しとチェーンが接触しない高さにFDの取りつけ位置を調整しなければなりません。
楕円はこのチェーンリングの刃の高さが変化するという構造的な弱点があり、チェーンリングの位置によってはFDの高さが高すぎる場合があります。これが原因でフロント変速の調整が非常に難しくなっています。
インナーからアウターへの変速ですが、FDの羽根がチェーンをアウターチェーンリングに押しつけることで、チェーンを変速ポイントに引っかけて持ち上げてアウターにチェーンを掛け替えます。
楕円リングの場合、チェーンリングの刃が低い位置で変速しようとするとFDの位置が高すぎて、チェーンが変速ポイントに押しつけ不足という事が発生するようです。これによりチェーンが持ち上がらずに、変速できないという事が起きるわけです。
なので、FDの羽根は通常のリングよりも外側の位置に調整します。ただし、あまり外側にしすぎると、変速は出来るけどアウター側にチェーンが落ちるという症状が出ます。
楕円リングとeTapの組み合わせでは、このFDの羽根の位置の調整が難しくセッティングを出すのに苦労しています。もう少しFDの位置を下げられると調整しやすくなると思うんですよ。
このFDの羽根の中にある張り出しですが、シマノのFDにもありますがeTapほどは張り出しは大きくないんですよね。ちょっと削るとFDの位置を少し下げられるなぁ、とか考えてしまいます。しかし、改造するにはもうちょっと原因を追求してからのほうがいいですね。
時間を掛けて調整すればフロント変速もスパっと決まるんですが、微妙にズレるだけで楕円リングの変速は不調になるんですよね。なかなか手間が掛かりますが、個人的には楕円リングにはメリットを感じているので、もう少しノウハウを貯めていきたいと思います。
この文章を書いた後、もう一度調整してみました。どうもeTapのFDと楕円リングだとFDの羽根とチェーンリングの並行が分かりくいのが、FDの変速調整が難しい理由でした。
という訳で、並行が出るように取りつけ位置を見直したら、FDの位置を下げてもチェーンラインとFD内側の出っ張りが干渉しなくなり、ちゃんと変速できるようになりましたw