MAVIC フリーホイール ボディオイルの注油

どうも最近、愛用しているMavic Ksyrium Eliteのフリーボディーの回転が渋いです。

メンテ台の上でクランクを回してタイヤを空転させた状態でクランクから手を離すと、フリーの回転が渋いのでチェーンが勝手に動いて、クランクがジワジワと回ってしまいます。

うーん、ここまで回転が渋いと、フリーボディーに注油してあげないとダメですね。ネットで検索してみると注油のついての記事は沢山見つかりました。

なおMAVICからはフリーボディ用の専用オイルが発売されてまして、そのオイルを入手しなければなりません。

Twitterで呟いたら、店頭にこのオイルを在庫しているお店を教えて貰えました。早速、仕事帰りに神宮外苑にあるなるしまフレンドに寄ってMAVIC フリーホイール ボディオイルを入手してきました。

なるしまフレンドは有名なお店ですが、自分は初めて利用しました。広くて品揃えも良いですし、知り合いでもここをメインのお店にしている人も多いです。

ついでにスプロケットも綺麗にしましょう

フリーボディーの注油にはスプロケットを外さないといけないので、折角なんで洗浄しちゃいましょう。

最近、水洗い時に愛用しているのがウタマロクリーナー。台所の油汚れとかに使っているものですが、安価で油がよく落ちます。これをスプロケットに吹きかけます。

スプレーした後、少し放置して油が浮いてきたらブラシでゴシゴシと磨きます。これはカセットをフリーボディー外す前の方が作業はしやすいです。ウタマロクリーナーは泡立ちが良いので、作業性も良好です。

このくらいの作業なら新聞紙を敷いた室内で可能です。ブラシで磨いた後はお風呂場に持っていってシャワーですすぎますが、泡を落とす程度に留めます。シーリングされたベアリングが使われているとはいえ、水であまりバシャバシャやるのは良くないですからね。

ちなみに使っているブラシはAmazonで73円で売っているものです。安価ですし、自転車で使うのに丁度良いサイズですのでオススメです。

水を掛けて泡を落とすだけで、あらかたの油汚れは落ちました。ただ、表面には黒い油が残っていますので綺麗に拭き取りをしないといけません。拭き取りはスプロケットをバラしたほうが作業しやすいので、ロックリングを工具で外してスプロケットを外していきます。

ちなみにスプロケットを外さない場合、ボロ布をカセットの隙間に差し込んで油汚れを拭き取っていきますが、ちょっと作業しにくいんですよね。ちなみにフィルタークリーナーなどを使うと、簡単かつとても綺麗になるのですが、強い薬品なので室内であまり使いたくないんですよね。

カセットをバラしてボロ布で拭き取ります。ディグリーザーなどを使わなくてもウタマロクリーナーの成分だけで、綺麗に拭き取れました。もっとも固着した油汚れだとフィルタークリーナーやディグリーザーが必要になるでしょう。

ちなみに拭き取りですが以前はボロ布を買ったり、着古したシャツなどを自分で使いやすくカットしたりして使っていましたが、その作業が面倒なので最近はワイプオールという不織布を使っています。

ちょっとお値段的にはボロ布を買うより高いですが、紙なのに布とほぼ同じ感覚で使えますし、あらかじめ便利なサイズにカットされているので非常に使いやすいです。

フリーボディーの分解

カセットを外したらフリーボディーを取りはずしましょう。

最初に反フリー側のストッパーを引っこ抜きます。ちょっと固くて「これホントに手だけで引っこ抜けるのかな?」と思いましたが、傷を付けないようにマイナスドライバーなどを差し入れて外しました。

このMavic Ksyrium Eliteは2015年のモデルですが、ネットで検索するとよく出てくる分解方法とこの先が少し違いました。年式やグレードにより微妙に構造が変わっているのでしょうね。

これまでのモデルは2本のアーレンキーをフリー側と反フリー側に差し込んで、それを両側から回すことでシャフトを分解するのですが、このモデルは反フリー側のシャフトにアーレンキーが差し込めるようなネジが切ってないです。

ここのバラしかたですが、フリー側を止めているナットをハブ用の薄いスパナ(17mm)で押さえて、フリー側のシャフトにアーレンキーを差し込んでナットを緩めていきます。ここは薄型のスパナでなくても、モンキーレンチ等でも作業出来ます。

シマノのホイールは薄いスパナがないとバラせない事がありますが、このホイールは特殊な工具がなくても作業が出来る所が素晴らしいです。

ナットが外れたら、反フリー側からシャフトをそっと引き抜きます。以前のモデルと違って、シャフトが反フリー側まで貫通した長いものになっています。構造的により簡単になってますね。

シャフトの下に写っている左のパーツが手で引っこ抜ける反フリー側の押さえのパーツです。右が先ほどの作業で外したフリー側のナットです。これ以外に1mmほどの厚さのスペーサーがあります。

これらは綺麗にして、シャフトにはオイルを注油しておきましょう。

シャフトを引っこ抜いたフリー。これでフリーボディーを持ち上げて外す事が出来ますが、ラチェットの爪を止めている部品のスプリングが小さいので紛失しないように!とネットの記事でよく見かけたので慎重に作業します。

具体的にはボロ布で全体を押さえるようにして、フリーボディーを慎重に持ち上げてラチェットの爪を押さえつつフリーボディーをハブ本体から抜き取ります。

フリーボディーを外してオイルを注油

フリーボディを外したところ。オイルが真っ黒になってますね。ラチェット用の爪は2つありますので、慎重にハブから爪を外します。

真っ黒になったオイルを拭き取っていきますが、ディグリーザーをぶっかけてしまうとシーリングベアリングのオイルが分解されてしまいますから、ウェスにディグリーザーを含ませて拭き取っていきます。

ラチェットの爪もディグリーザーで綺麗にします。確かにスプリングが小さいので、これがピョン!と飛んでしまったら、見つけるのは困難ですね。

ちなみに慎重に爪やスプリングを扱うのであれば、ピンセットを使うと余裕です。ちなみに、このラチェットの爪やスプリングも部品として入手できるようです。

さて、ここでフリーボディオイルの出番です。オイル自体はサラダオイルみたいな粘度ですね。ネットでは「ここは専用オイルで!」と強調している人が多いので、素直に専用品を使いましょう。

どうもフリーボディの樹脂部品やゴムのパッキンに悪影響を与えないようになっているオイルなんだそうです。

注油した所の写真を撮り忘れましたが、ラチェットの爪、ハブ側のパッキン、フリーボディー内のラチェットの爪に当たる部分などに注油して湿った状態になるようにします。

あとはハブに爪を取りつけて、そっとフリーボディーを差し込みます。この際にハブとフリーボディーの間に入れるスペーサーを絶対に忘れないよう作業します。

ハブの反フリー側からシャフトを刺して、スペーサーを入れてからフリーボディーを差し込むと、スペーサーを忘れる事無く作業出来るのでオススメです。

フリー側を止めていたナットを取りつけて、作業終了。軽くフリーを回してみましたが、今までカチカチと音をしていたラチェットの爪が弾く音がとても小さくなりました。

もちろん空転させたときの動きも明らかに滑らかになりました。作業自体は簡単なので、フリーの回転が渋くなったらすぐに注油した方がよさそうです。

シマノのハブなどのカップ&コーン式のハブに比べると、メンテは楽ですね。スポークの交換もしやすそうですし、シールドベアリングの交換もそんなに難しくはなさそうです。

完組ホイールでありながら、この辺のメンテのしやすさは素晴らしいです。慣れれば30分ぐらいでフリーへの注油が出来ると思います。おかげで最近は手組ホイールの出番がないです。

組み上げと微調整

最後に専用工具で玉当たりの調整をします。正確にはカップ&コーン式のハブではないので、玉当たり調整ではないんですが作業がとても似てます。専用工具でシャフトが横にガタが出ない程度に締め付けます。締め付け過ぎると回転が渋くなりますので注意です。

クイックで締め付けた状態でも、この専用工具は使えます。自転車に取りつけた状態で、もう一度工具を使って調整します。ちなみにこの専用工具はホイールを買うと付属してきます。この1本でニップル回し、きしめん状のスポークを押さえて回す工具も兼ねています。

綺麗になったスプロケットを取りつけて、自転車に取りつけて勢いよくクランクを空転させて、クランクから手を離してみます。今まで、勝手にクランクが回ってしまうほど回転の渋かったフリーが軽快に回り、クランクが勝手に動くことはなくなりました。

うちにはもう1セットのキシエリをマキノ号に取りつけているのですが、こちらもラチェット音が目立つようになってきたので注油しないといけません。

Ksyrium Eliteですが、購入から1年以上が経過しましたが購入時の目論見通り非常に丈夫でして、前輪にブレが出たのでブレ取りを一度しましたが、それ以外はトラブルも皆無です。

メンテもしやすいこともあり、このホイールとは長い付き合いになるといいなぁ、と思っています。

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