GPSワークショップからもうすぐ一ヶ月になりますが、あのワークショップの影響で新しくGPSを買い足した方が沢山居られたようです。
GarminのGPSの場合、やはり購入するに当たって一番悩ましいのは英語版にするか日本語版にするかでしょう。昔に比べればマシになったとはいえ、日本国内の正規品はそれなりのお値段がしますから。
何度も述べていますが、自分は現在は約35000円で台湾のサイト(PCHome)から購入したEdge800台湾版と、同じく35000円で購入した日本語版のeTrex20Jを使っています。ちなみにeTrex20Jは地味にAmazonがお安いです。
ちなみに自分のGarminのGPS遍歴はGarmin 60CSx日本語版(定価12万を秋葉原のZOAで9万円で購入)、Edge800英語版→台湾版に買い換え、そしてeTrex20Jなので、実は英語版は最初に買ったEdge800だけでした。
eTrexやEdge800の英語版を、日本語化するというのは以下の意味があります。
A. メニューなどを日本語が出るようにする
B. 地図上の地名が日本語で出るようにする。
A.については問題ないでしょう。調べればやり方も検索ですぐ見つかると思います。eTrexもEdgeも簡単に日本語のメニュー表示は出来るようになります。
問題はB.です。地図の地名に日本語が出るようにするには、日本語版や台湾語版のように2byte文字圏のモデルを手に入れれば問題なく表示出来ますが、英語版のモデルでは普通、2byte文字を地図上に出すことは出来ません。
で、ごく一部の機種は改造することで英語版に2byte文字の地図を表示することが出来ました。Oregonなどの一部機種で可能であるという情報がありますが、自分は試したことがないので不明です。
Garmin Edge800はv2.0という最初のファームウェアだと、改造することで後述するシティナビゲーターやOSM日本語地図などで日本語を表示することが出来ました。ただし、次のファームで対策されたのでアップデートすると改造は出来なくなります。
V2.0のファームは普通のUSBケーブルで充電出来ないとか、ルートの再計算をOFFにすることが出来ないなど、使い勝手に大きな問題のあるファームでした。自分はシティーナビゲーターの地図データを購入してEdge800で表示していたので、ファームをアップグレードすると地名が出なくなってしまうので、やむなく台湾版に買い換えたのです。
さて、現在販売しているEdge800では上記の技は使えませんし、eTrexはそもそもそういう改造が出来ません。よって、日本語地図を表示するには地図側で工夫することで、日本語を表示(疑似表示を含む)することになります。
まずここで、これらの機種で一般的に使われる地図について一度整理しましょう。
1. Garmin純正シティナビゲーター
Edge800JやeTrex30Jに付属してきたり、Garminの日本の代理店であるいいよねっとが別売りで販売しているものです。この地図は日本語のデータのみですので、2byte表示可能なモデルでないと地図に文字が出ません。後でスクリーンショットを貼りますが、非常に沢山のお店などのデータを取り込んでいるので、日本語版モデルとジャンル毎に名称検索が出来ます。
問題は2万円弱とお値段が高いことですが、Yahooオークションなどを見ていると一つ前のVersionがよく出品されており、1万円ほどで落札出来る場合があります。ちなみにeTrex20Jはシティーナビゲーターが付属しないので、地図を既に持っているとか安く入手出来た場合には、20Jは割安なので狙い目です。
MicroSD版とDVD版がありますが、自分はMicroSD版を使っています。こいつはメモリを差し替えると、他の機種でも自由に使えるので色々と試すには都合がいいですね。ただし、BaseCampで地図を見るためにはGPS本体をPCと接続しないといけないという制限があります。
2. UUD製作所の地図
長らく英語版のGarminと組み合わせるならUUD製作所の地図が定番でした。これは地図の地名などのデータを全てローマ字で表記しているので、英語版でも表示可能というものです。お値段もダウンロード版ならば12000円弱とシティーナビゲーターより安価です。
データ自体の更新頻度も高く、シティーナビゲーター並にPOIデータが入っているので地図が賑やかで情報が多いです。また自転車用にはあまり使い道はないでしょうが、等高線入りのデータも販売しているので登山用とも意識した地図となっています。
以前なら英語版ならUUDの地図という感じだったのですが、現在は無料のOSM地図というライバルが現れました。
3. OSM地図(地名ローマ字と日本語の二種類あり)
正式名称はOpenStreetMap Japanで、無料で作成されている日本の道路地図です。無料でダウンロード出来ます。基本的には2byteの地図なので、英語版のGarminで使う場合にはUUDと同様に地名をローマ字に置き換えたVersionを公開している人がいます。なので、英語版の場合はローマ字に置き換えた地図を使う事が出来ます。
自分は台湾版のEdge800はOSM地図を使ってますが、無料ということを考えると良くできている地図だな、と思います。更に日本以外でもOSMの地図は作られているので、海外の地図が無料で手に入るのは非常に嬉しい。
4. TKA Planetで販売している日本道路地図全国版
英語版のGarminでも地名に日本語が出ます、を謳っている地図その1。地名データをビットマップデータとして地図上に描画しているので、2byteフォントがない英語版でも地名が日本語で出ますよ、というカラクリでした。
12800円とUUDと同じような価格なので、以前、買ってみました。正直言ってビットマップ描画の地名は見にくく、拡大縮小したときの文字のサイズも最適化されていない印象でガッカリしました。なので自分はすぐに手放しまして、個人的にはちょっとオススメしにくいです。
5. いどんなっぷ氏の地図
英語版でもGarminでも日本語の地名が出ます、を謳っている地図その2。こちらのサイトからサンプルの地図データを落とせるので、落として試して見ましたが、よく考えたらウチには英語版の機種はないので日本語がちゃんと出るかは確認出来ず。
ただ、地図のデータを見る限りはTKAの地図みたいにビットマップで地名データを持っているわけではないようで表示は綺麗です。どうやって日本語を表示させているのか?については謎で、非常に不思議な存在ですね。
等高線付きで7800円は安いですが、サンプルのデータを見たりネットでの評判を聞く限り「登山用の地図」に特化しているようで、地名もランドマークになるような学校や病院ではなく、川や山といったものしか地名に出てないのでは?という不安があります。
自転車用の地図として使うには若干道路データが古いと言う話も見かけます。こればっかりは実際に使ってみないと判断出来ないので、悩ましいですね。
地図の評価は私の主観ですが、いどんなっぷ氏の地図は試したことがないので除外すると、英語版にOSMローマ字地図が一番安くて十分実用になると思います。
自分はOSM地図のEdge800でブルベを何度も走りましたが、特に問題はなかったです。ただし、どの地図でもナビゲーション機能は使わず、事前に作っておいたコースをなぞるだけという使い方しかしません。
あとはeTrex20Jのように地図が付属しないことから、日本語版が他の機種より比較的安く手に入る機種を個人的には強くオススメしたい。これだと当初は無料のOSM日本語地図を使っていて、シティーナビゲーターが安くて手には入ったら入れ替えるというような事も出来ます。
それから台湾版の本体を買うのは、以前はオススメだったのですが、今は為替の影響や安く売ってくれるショップが見あたらないのであまり現実的ではなくなりました。またネットでも台湾版の改造情報が少ないので、今はある程度、GarminのGPSについて知識のある人以外にはオススメしにくいです。
なお、自分の台湾版のEdge800はシティーナビゲータを使うと高確率でフリーズするので、OSM日本語地図しか事実上使いものになりませんでした。
個人的にはいどんなっぷ氏の地図を試して見たい気はあるのだが、肝心の英語版のGPSが手元にないので購入を躊躇っています。
さて、地名が日本語で出るのが走行時にどれだけ影響があるか?ですが、よく考えると自転車での走行示に地図の地名とかをじっくりみるような事はありません。以下のeTrex20Jにシティーナビゲーターを組み合わせた時のスクリーンショットを貼っておきます。
【eTrex20J+シティーナビゲーターで中目黒駅周辺を表示】
1/800 | 1/500 |
1/300 | 1/200 |
1/120 | 1/80 |
1/50 | 1/30 |
実際に自転車で走るときに常時表示させておくのは、自分の場合1/300です。ちょっと難しそうな交差点の場合に1/200にアップしたり、しばらく曲がるところがない場合には1/500とか1/800にしてます。
1/80以下になるとあらかじめ入っているPOIデータがアイコンで見えるようになります。しかし、これを頼ってお店を探したりということはないです(スマホの地図を見た方がよっぽど速い)。これらのPOIデータは周辺検索などをするときの候補となるので、地図の上で探すような用途ではまず使いません。
その2では、OSM地図にビットマップの地図を重ねて表示する地図について説明しようかと思います。