GPSまとめ その2 JNX地図を追加しよう

その1ではGarminのGPSは英語版を買うべきか日本語版を買うべきか?という話をしました。

結論としては、ブルベ等の決められたルートを自転車で走るならば英語版+無料のOSMローマ字地図で十分と自分は思います。ただしeTrex20Jは地図が付属しない関係で日本語版にしては比較的安いので、例外的にオススメと自分は思うわけです。

さて、その2ではGarminのGPSで表示出来る地図には2種類あることを理解しましょう。

  1. 道として認識可能なベクトル地図。その1で説明した5つの地図は全てこれである。
  2. 画像として表示可能なビットマップ地図。ベクトル地図の下敷きとして表示可能である。

そうなんです、GarminのEdge800やeTrexは改造することでビットマップ地図とベクトル地図を重ね合わせて表示可能なのです。一般的には地図といえばベクトル地図のことで、これがないとルート案内は出来ません。

ビットマップ地図は単なる画像なので、縮尺の種類だけ決められた範囲の画像を大量に準備してMicroSDカードに入れておく必要があります。このビットマップ地図をJNX地図と呼んでいます。

この準備が非常に大変ですが、無料で実現出来るので興味のある人はやってみると面白いと思います。結論を先に書きますが、ブルベでの使用を考えるとJNX地図はなくても十分実用になります。ただし、非常に表示は綺麗になるので自己満足度はUpします(笑)

具体的にはどういう風になるのか?を下に画像で表示しておきます。Edge800の日本語版OSM地図にJNX地図を重ねたものと、OSM地図だけの表示を並べて比較しました。

【Edge800+OSM日本地図で中目黒駅周辺を表示】

OSM+JNX地図 1/500 OSM地図のみ 1/500

OSM+JNX地図 1/300 OSM地図のみ 1/300

OSM+JNK地図 1/200 OSM地図のみ 1/200

OSM+JNK地図 1/120 OSM地図のみ 1/120

OSM+JNK地図 1/80 OSM地図のみ 1/80

OSM+JNK地図 1/50 OSM地図のみ 1/50

見た目の背景が単なる緑色じゃなくて、非常にカラフルな地図のイメージが一緒に表示されているのが分かるかと思います。この背景のデータはYahoo地図の画像データを自動で取り込んで流用しています。

Yahoo地図のイメージがそのまま下敷きになるので、地図に含まれる日本語がそのまま画像として表示されるのでローマ字版OSM地図と組み合わせるのに最適だと思います。

ちなみにこの画像データですが、上記の縮尺用のビットマップ地図(6種類)を大体関東地方の分だけ準備しています。なので上記以外の縮尺とか、データを準備していないエリアではJNX地図は表示されません。データだけで10GBぐらいになるので、16GBのMicroSDカードを使ってます。

え~、そんな膨大なデータってどうやって準備するの?という疑問が出るかもしれませんが、便利なツールを作って公開してくれている人が居るのです。

対応させるための流れですが、簡単に説明すると以下の通りです。

  1. GarminのGPSのファームウェアにパッチを当てる
  2. 地図を切り出すためのツールであるymapjnxを動く環境を整える(インターネットに接続されたWidonwsPCが必要)
  3. 自分が切り出したい地図のサイズに合わせたMicroSDカードを準備する
  4. インターネットに接続された状態でymapjnxを起動して地図を自動ダウンロードさせる
  5. 地図がダウンロードされるまでひたすら待つ。回線の太さや地図のサイズによっては数日かかる
  6. もし途中で接続が切れても、ymapjnxを再実行すれば自動的に続きからダウンロードされる
  7. 完成した地図を、所定の名前にしてMicroSDの所定の位置に配置。なお同じMicroSD内にOSM地図も入れておく。
  8. GarminのGPSにMicroSDをセットして、OSM地図に重ねてJNX地図を表示されるように設定する。

で、この流れですが、こちらのサイトが大変綺麗にまとめてくれていて分かりやすいです。

紹介サイトはEdge800での事例なので、もしeTrex英語版のファームにパッチを当たるなら、こちらのサイトが参考になります。なお地図の作り方自体はEdgeでもeTrexでも同じです。

他にもJNX地図の導入についての説明ページは沢山ありますので、分かりやすいページを色々と検索してさがしてみてください。

もしこのファームウェアにパッチを当てるという話が理解出来ない場合には、この対応には手を出さないでください。最悪、正常に動作しなくなって元に戻らなくなる可能性があります。それでもやりたい場合には有識者を頼ってください。

無事にパッチが当たったら、あとは自分の行動半径に合わせて地図を切り出すだけです。日本全国のJNX地図を作るというのはあまり現実的ではありません。

ちなみに自分が関東地方の地図を作るには、イーモバイルの回線を使ったので3日ほど掛かりました。これはもう試行錯誤してみてください、としか言いようがないです。

最近はメモリカードも安いので16GBぐらいのMicrSDを準備しておくことをオススメします。32GB以上のMicroSDとかになると、Garmin側が認識できない可能性があるので注意してください。地図の読み込みが頻繁に発生するので、出来るだけ速いカードを推奨します。

ここまで苦労してJNX地図を導入しても、デメリットはあります。まず、普通にOSM地図を表示するだけに比べるとCPUの負荷がとても高くなるようで、地図のスクロールなどの表示はどうしても遅くなります。

ということはJNX地図を導入すると電池の消費が早まる可能性はあります。設定でOFFにすることも出来ますので、電池が気になるときはJNX地図を表示しないということもできますが、だったらそもそもJNX地図って要らないのでは?という話になりかねません。

そんな訳でお金も掛からず地図の見た目が綺麗に出来るJNX地図ですが、ブルベでの使用を考えると正直微妙です。なので、導入方法については簡単にしか書いてません。興味があるGPSマニアの人はチャレンジすると面白いよ、というお話でした。

自分は苦労してこの地図を作ったので、自己満足ではありますがJNX地図は便利に使ってます(笑)