以前、フォーチューンバイクさんがSPEEDPLAYペダルの解説の記事を公開されたのを読んだ時、ユーザーとしてSPEEDPLAYの真実を実によく伝えている記事だと感激しました。
それ以来、自分はこの記事を書きたかったのですが、ついつい後回しにしていましたが、やっと書く事が出来ました。この記事よりもまずは、フォーチュンバイクさんの記事を読むことオススメします。
SPEEDPLAYのCリングはそんなに簡単に破損しません!
自分はSPEEDPLAYのペダルで非常に満足していまして、ステンレスシャフトとクロモリシャフトのモデルの二種類を使っています。写真はクロモリシャフトの物です。
クロモリシャフトだとケイデンスセンサー用のマグネットをシャフトに貼ることが出来ますので便利でした。ステンレスシャフトにはマグネットはくっつきません。
これが「SPEEDPLAYはCリングが折れるのが欠点」と言われるCリングです。スピードプレイを愛用して5年以上経過していますが、2年前に1度折れただけでそれ以来は全く折れてません。
折れたのは2014年の6月のもてぎ600kmのブルベ中でして、折れた写真はリンク先の記事を見て下さい。5年間メインのペダルとして使っていてCリングが折れたのはこの1回だけです。
ちなみにこのCリング、裏表があります。さっきの写真が地面側、この上の写真をシューズの裏側に面するように取り付けしないといけません。この取り付けを間違えてしまうと、クリートキャッチがスムーズに出来なくなります(全くハマらないわけではない)。
流石に5年でCリングが1回しか折れていないと、クリートの方が先にダメになりますから、クリート交換の時にCリングを取り出してツール缶に入れて携行してます。もし折れたとしても、プラスドライバーがあれば、出先で交換できますからね。
Cリングの働きを説明するために撮影した写真です。Cリングだけでクリートキャッチした状態にしてみました。素手では無理で、ペンチを使ってテコの原理で押し込まないと無理でした。
この状態では、Cリングとペダルはガッチリと噛み合って、まったく動きません。SPEEDPLAYペダルのフローティング機能は、このリングそのものがクリートの中でスライドする事で実現されています。右側にあるポッチがフローティングの可動領域を決めるイモネジに当たる事でフローティング量が決まるわけです。
横から見た写真です。SPEEDPLAYペダルはクリートの取り付け方がとても重要で、このCリングがはまったペダルの平坦な上面がソールの裏面に密着していないと、ペダルを踏み込んだ時の力がペダル本体で受け止めきれず、Cリングに伝わってしまいます。
ペダリングで繰り返し繰り返し踏み込んだ力がCリングに伝わり続けたら、この固い鋼のCリングでも金属疲労でやがて折れてしまうでしょう。という訳で、Cリングが折れて困る!という人は、おそらくクリートの取り付け方が良くないのです。
また左右のフローティング量の設定が甘いと、フローティングしたときにCリングのポッチを通じて、リング自体に応力が掛かってしまい、これもCリング破損の原因になります。ちゃんと足の稼働域に合わせたフローティング量の設定をしないといけません。
SPEEDPLAYのフローティング機構について
私の使用しているキタナイシューズの裏面の写真で申し訳ないのですが、クリートの中にCリングが見えると思います。うちのBlogで何度も取り上げているKeep on Koverを脱落防止のため、両面テープで貼り付けているので、カバーを外した写真でなくて申し訳ないです。
私はSPEEDPLAYの専用シューズを使ってまして、これだと微妙な調整をすることなく誰でも簡単に正しくSPEEDPLAYのクリートを取り付けられます。これを使っているから、Cリングが全然折れないのだと思っています。
ちなみにクリートキャッチした状態の写真です。ピッタリとはまると、Cリングではなく、ペダルの上面部とソールの裏がピッタリと接地して、シューズからの力をペダルに伝えるときに、Cリングには全く応力が掛からない状態になっていないといけません。
後述しますが、通常のロード用のシューズにスピードプレイのクリートを取り付けるには、ちょっと微妙な調整が必要になるのです。
ちなみにSPEEDPLAYが膝に優しいという左右へのフローティング機構ですが、写真では見えませんがクリートの外側のイモネジを調整することで稼働範囲が決められます。ディライラーの稼働範囲を決めるネジの調整みたいな感じですね。
上の写真が自分の使っている範囲で、シューズの踵側を外側に動かしたときの状態です。
シューズに踵側を内側に動かすと、微妙ですが1枚上の写真と比較して、左右方向にシューズが自由に動くのが分かると思います。この左右フローティングはクリート内でCリングがスライドすることで実現されています。
ここでCリングが摩耗しないように、定期的にクリートに注油するようにしています。構造的に注油したぐらいでクリートが外れやすくなるということはありません。
普通のロード用のシューズへの取り付け
SPEEDPLAY専用シューズではない普通の3つ穴のロード用シューズにSPEEDPLAYの4つ穴のクリートを取り付けるには、ペダルに付属する上記のようなアダプタを取り付ける必要があります。
普通、ロード用のシューズの底は平坦ではなく足の裏に合わせて、若干湾曲しているのが普通です。このままでは真っ平らなSPEEDPLAYペダルは取り付け出来ませんので、付属する何種類かのシムを挟んで平坦になるように調整します。
付属するシムを取り付けると、こんな感じでソールの裏ピッタリと沿うような湾曲に合わせてアダプタを取り付けて、このアダプタにクリートを取り付けるようになります。
この辺の写真は以前書いた記事にちょっと写真があるので、興味があれば見てみて下さい。で、この調整が甘いとペダル上面がこのアダプタのプラスティック面に接地して、踏み込んだ時にアダプタがたわんで、ペダルの力の一部が逃げてしまい、Cリングにも応力が掛かってしまいます。
という訳で、Cリングが折れる!という人、このアダプタとソールの裏の隙間を疑ってください。またCリングのフローティング量の設定も見直してCリングに応力が掛からないようにして、適度に注油するようにすれば、Cリングが折れる頻度は下がると思います。ちなみに自分はワコーズのメンテルーブを垂らしています。
ちなみに2012年から使い倒したSIDI WIREはもうボロボロです。ヒールは何度も交換しましたし、ワイヤー巻き取りユニットも一回交換しました。
なので、今年は全く同じモデルを新調しました。まだ使っていないので、ご覧の通りソールは綺麗な状態です。このガチガチのカーボンソールとペダルの上面がキッチリと接地するのが、専用シューズの良いところです。
直接カーボンにペダル上面が当たるとカーボンが削れてしまうので、ステンレスの板であるスチールウウェアプロテクタを挟みます。ちなみに単なる板なので、以前、自作しました(笑)
ご覧の通り、専用シューズのクリート取り付け面は完全にフラットです。自分はこのシューズを使っている限り、Cリングは殆ど折れないと思っています。
唯一折れたCリングも、最初の頃に普通のロード用のシューズにクリートを取り付けて使っていた時のものを移植したものだったので、既にある程度、金属疲労が進んでいたのでしょう。
そんな訳でSPEEDPLAYはちゃんと調整すればCリングは折れないぞ!という記事でした。