前回の続きです。
ドイツから完成車で届いたCervelo C5。内容をチェックしてみましょう。
完成車から部品を外します
HEDのCシリーズ専用ホイール、68アルテ11速のコンポ(RDはロングゲージ)、11-25のカセット、ROTOR 3D30 50-34のクランクと真円リング、サドルはフィジークのアンタレスvsです。
ハンドルはFSAの420mmのアルミモデル。ステムとシートポストは最近のCerveloはFSAのものがついています。2014年より前だと3Tのステムとシートポストだったんですが、フォークなんかも最近はCerveloオリジナルですね。
油圧のSTIはアルテグラグレードのものがついてます。105の油圧ブレーキのSTIよりもスッキリしてます。
バーテープにはサーベロのロゴ入り。これは再利用したいので、丁寧に取りはずさないといけません。
ハンドルは自分は420mmだと小さいので手持ちの440mmのカーボンハンドルに付け替える予定です。ステムはそのまま流用かな。付いてくるRDはロングゲージのものが付いてきます。綺麗に組まれていますが、eTapに換装するので未使用のうちに取りはずします。
カセット、サドル、クランク、FDとRD、STIとブレーキは売却する予定です。未使用だとそれなりのお値段になりますし。ブレーキローターは放熱板がついたXTRグレードの5000円ぐらいするモデルのものがついてます。140mm径ですが、これも手放すとそれなりのお値段になります。
一番の難点は油圧ブレーキの取り外し
ネットを調べても情報が無かったのが、油圧ブレーキの取り外しです。ワイヤー引きのブレーキに比べると分からない事だらけ。
とりあえずオイルが漏れても大丈夫なようにビニールシートをしっかり敷きます。フラットマウントのブレーキ自体の取り外しは簡単なんですが、オイルが通るホースってどうやって外すんだろう?
STIから延びるホースをブレーキから外します。金色に光って見えるのがオリーブと言われる部品。この柔らかめの金属の部品が変形することでホースがブレーキにしっかり取りつけられるようだ。
なので、この部品は取りはずしたら再利用出来ません。このオリーブがついたままだと、フレームのフォークの中を通っているホースが取りはずせないと、スパっとカットしなければなりません。
カットするには専用の工具があると簡単です。JAGWIREのホースカッター(1600円ぐらい)を調達しておきます。これでホースの断面が水平になるようにスパっとカット出来ます。
実際にカットしてオイルが噴き出すかと思いきや、カットするだけでは平和でした。カットした断面に爪楊枝を差し込んでフタしておきます。これでフォーク内を通っていたホースを抜いて、STIをハンドルから取りはずすことで、とりあえず取り外し完了。
シマノの油圧のオイルは鉱物油なので、飛び散っても危険はないのですが、SRAMの油圧ディスクは車やオートバイでも使われるDOTという液体を使います。これが結構劇物でして、フレームに付着したら塗装を侵すし、とにかく飛び散ったらアルコールとかディグリーザーですぐに洗浄しないといけないのです。
eTap HRDの取り付けでまずホースをカット
無事、パーツを取りはずしたら、今度はフレームを綺麗に拭き取って、いつも通り保護フィルムを貼ります。
ちなみにこのフレーム、BBの前にネジ穴がありますが、これはBBの下ほ保護するプロテクタを取り付ける為の穴です。ボトルゲージと同じネジ位置なら…と思いましたが、残念ながらちょっと間隔が狭いので、ここにボトルゲージを増設することは出来ません。
保護テープを貼るのに1~2時間ほど掛かりましたが、フレームだけの状態の時に貼った方が楽ですね。eTap HRDのキット。STIとブレーキは既にホースが接続されています。このままだとフォークの中をホースで通す事が出来ません。なので一度ホースを取りはずして、適切な長さにカットしたら再度ブレーキとSTIを接続します。
SRAMのこの手の作業はYouTubeにSRAM公式としてアップされているので、その動画をよく見てから作業するのが鉄則です。取りつけ、ホースのカット、エア抜き(ブリーディング)まで全て動画で公開されています。
箱から取り出すとこんな感じ。既に接続がバッチリ終わってます。
動画を見れば分かりますが、ホースをカットするのはブレーキ側ではなく、STI側に取りつける方です。動画でも注意されてますが、DOTフールドが飛び散らないように気をつけましょう。飛び散ったらすぐにディグリーザーで拭き取ります。ブレーキに取り付いている方のこちらは分解しません。
スパナでSTI側にねじ込まれているホースを取り出し、ホースカッターでカット。その後、コネクトインサートを再度ねじ込んで、オリーブを差し込んでSTIに再度ねじ込む。ここでオリーブが変形して密閉度が確保されます。
ちなみにオリーブとコネクトインサートは後述するブリーティングキットに4セットぐらい付属してました。そういえばシマノのコネクトインサートは圧入ですが、SRAMはねじ込みなんですよね。
ブリーディング(エア抜き)
ディスクブレーキといえばブリーディング(エア抜き)ですね。エアがホース内に残っていると、ブレーキレバーを引いたときにエアが圧縮されて力が逃げてしまい、ブレーキの利きがスカスカになります。
SRAMの場合、ブリーディングキットを入手するのが手っ取り早いでしょう。国内で買うよりもUSのAmazonで買った方が安いです(5000円ぐらい)。一緒にDOT対応のグリース(右の黄色い瓶)も調達します。このキットは2本のシリンジ(注射器)とDOTフールドがセットになってます。これを使って次の動画を見ればブリーディングは誰にでも出来ます。中を開けるとこんな感じ。ブリーディング時にキャリパーにセットするスペーサー、2本のシリンジとチューブ、そしてDOTフールドとオリーブとコネクトインサートが付属する。
USのAmazonで購入したのですが、2~3週間ぐらい届くまでかかります。次の動画をよく見て手順を頭に入れて作業します。
DOT対応のグリースってこんな感じ。使う場所が少ないので、これで一生分持ちそうな気がする。
数時間かかりましたが、無事ブレーキを取りつけてブリーディングが完了しました。変速系はeTapなんで、取りつけは超簡単です。
完成!
慣れない作業だったので、結局1日仕事になってしまいましたが、無事、取り付けが完了しました。うーん、油圧のホースだけしか存在しないので、見た目は超スッキリしました。
とりあえず最初は140mmのローターで乗り出してみましたが、ブレーキがもっとよく効いて欲しかったので160mmに後から付け替えました。
eTap HRDの注意があるとしたら、フレームへの取り付けねじがトルクスになっていることです。トルクスは精度の高いドライバーがないとすぐにねじ穴を舐めてしまいます。そんな訳で自分はシマノのブレーキの固定用のネジが普通のアーレンキーが使えるので、それを使ってます。
これで組み替え作業は完了ですが、やはり油圧ブレーキは分からない事だらけで、色々と試行錯誤をしてまうね。