1/72 F-104 スターファイターの製作 メタリック塗装は楽しいな

  • 2016 年 10 月 10 日
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ドラケンIIIが完成間近で部品が破損してしまったので、別なプラモデルを組み立てるとしましょう。参考にさせて頂いているオカメインコ氏のWebページをペラペラとめくってみてハセガワの1/72 F-104 スターファイターを作ることに決定です。

自分が物心ついたときの自衛隊機といえばF-104とF-4ファントムだったわけですが、この頃の機体って今の最新鋭機にはない独特なデザインが格好いいなぁ~と。あと、エアブラシを使ったメタリック塗装をやりたかったのです。ギンギラギンなメタリック塗装といえばスターファイターだろうということで、1000円前後でキットを購入しました。

なお、この製作記はオカメインコ氏のF-104の製作記事を全面的に参考しておりますので、塗装も工作も私オリジナルのアイディアは少ないです。久々の実在機のプラモ製作なので、まずは模倣からですね。

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ちょっと金型が古くなっているのかな?ということでバリがそれなりにあります。最新のバンダイのキットとかに慣れていると部品の合いがイマイチだったり、組み立てる仕様によって穴を空けたりパーツを切り落としたりしなければなりません。

それらの工作自体は難しくないのですが、マニュアルでは簡潔に書いてあってちょっと分かりにくいです。後から気がついてリカバリーしました。マニュアルはちゃんとチェックして自分が作りたい仕様を決めてから工作しましょう。

ちなみにこのキット、自衛隊機とカナダ軍の仕様のどちらかが選べるようになってましてマニュアルとデカールが2種類付属します。それぞれの仕様で、微妙に工作内容が変わります。

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まずはお約束のコクピットの製作です。317番のグレーでコクピット内を塗装して、計器盤は塗装で仕上げます。この辺はオカメインコ氏のF-104の製作記を参考にしてますので、そちらを見て貰った方が分かり安いと思います。

コクピットの塗装は黒を塗った後、ホワイトをドライブラシで出っ張りのモールドが目立つようにしてあげると、それっぽく仕上がります。後は赤とか黄色とかをワンポイントで置くと、よりリアルになります。

F-104はコクピットが小さく、接着位置を間違えるとシートを置いたときにキャノピーに干渉します。自分は後からシートを乗せようとして接着位置の修正に苦労したので、できればこの時点でシートまで接着してから胴体とコクピットの位置合わせを行ったほうがよいです。

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これもオカメインコ氏の工夫である、インテーク部のコーンを後ハメできる様にする加工です。インテーク内は銀塗装なんですが、コーン部はつや消し黒で塗装するので、この塗装を楽にするためにエッチングソーで切り離します。

エッチングソーは極薄のノコギリで、デザインナイフに取りつけて使います。これは昔は存在しなかった工具でして、安価ながら非常に使いやすいのでスジ彫り等にも活用しています。デリケートな薄さなので、丁寧に挽いて切断しましょう。

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切断完了です。左側の部品はインテーク内に取りつけておいて、後から塗装済みのコーン部を接着する事で塗り分けが楽になるというオカメインコ氏の工夫をそのままマネさせて頂きました。

見えない部分を上手く活用して、楽に作るテクニックというのは経験値を積まないと思いつきません。プラモ道への復帰後、実機のスケールキットはこのF-104が初めてですので、こういう作り方がイドみたいなのがあると、とても参考になります。

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このエアインテークと機首の部分の部品の合いがあまりよくないので、ここを埋めていきましょう。段差を埋めるために瞬着パテを練ります。ちなみに自分のキットでは機首部分の部品の合いはそんなに悪くなかったので、パテで修正出来ました。

他の人のWebページで参考にしたのですが、紙ガムテープの表面がツルツルしているので瞬着パテの溶剤とパウダーを混ぜるのにもってこいです。

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あっと言う間に硬化してしまうので手早く盛らないとダメです。モールドを消さないように隙間に埋めていきます。すぐに固まるので、デザインナイフで削り込んで、ヤスリで均していきます。

自分はスポンジヤスリを使っているので力が平均的に掛かるため、モールドは消えにくいのですが、適宜ニードルで彫り直してモールドが消えないようにします。

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しっかり削ったつもりでも、サーフェイサー(サフ)を吹いてみると、全然段差が消えていません。ここはもっと念入りに削り込んで行かないとダメですね。という訳で、ヤスリでもっと削り込んで行きます。

スポンジヤスリは研磨力はあるのですが、平均的に削れていくのでこういう段差が消えにくいようです。

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機首の下面もサフを吹いてみると、やっぱりパテの後が段差になってます。ここも再び削っていかなければダメですね。自分が昔、プラモを作っていたときはサフは使ってなかったのですが、加工後のキズ埋めや加工状況を見やすくするために必須ですね。

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再び削り込んで表面がツルツルになるまで磨きます。機首とエンジン部の胴体の接合部も綺麗に仕上がりました。このキットは機首部分と胴体部で中央のリブの太さが違うので、薄いプラペーパーを挟んでツライチになるように仕上げます。

上の写真で白く筋みたいに見えるのが挟んだプラペーパーです。そしてスジ彫りをし直して、再び表面を均したら下地処理は終了。もう一回サフを吹いて仕上げを確認します。

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こっちはエンジン部です。合わせ目の所のリベット打ちの打ち直しが面倒なので、あまりちゃんとパテを盛らなかったら、中央部が少しヒケちゃってますね。サフ吹く前に、合わせ目を消した後のリベットの打ち直しまで済ませていたので、もうこれで妥協することにします。

ちなみにリベットの打ち直しですが、ニードルを強めに押し当てて穴を開けることで消えてしまったリベット表現を復活させます。これで大体の下処理は終了で、あとは楽しい塗装です。

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コクピット塗装とキャノピーのマスキングがなければ飛行機プラモはもっと楽しいのに…と思いますが、1/72の小さなキャノピーでもジェット機のやつなら細切りのマスキングテープで何とかなります。これだ第二次世界大戦時代のレシプロ機、特に日本のヤツは枠が多くて大変すぎる。

とはいえ、ピンセットを駆使して上の3ピースのキャノピーのマスキングには1時間以上掛かったなぁ。この作業のために良いピンセットが欲しくなります。100円ショップのピンセットなんかじゃ、この作業は無理ですね。

この後、機体全体に黒を下地として塗装します。キャノピーの枠も一番下の色は黒が適当ですので、マスキングをしたキャノピーを細切りにした両面テープで機体に取りつけて、まとめて黒をエアブラシで塗ります。

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下地塗装が終わったら、全面的に塗装した銀を塗るということでクレオスの8番のシルバーを吹きます。乾燥したら、エンジン部と垂直尾翼部分の塗り分けに掛かりましょう。ここも前述のページを参考にメタリックカラーで塗り分けしていきます。

エアブラシがあるとこういうメタリック塗装がとても綺麗に出来るので楽しいですね。マスキングも大変なんですが、これはなんか楽しみながら作業出来ました。ここからはひたすらマスキングと塗装を繰り返していきます。

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ちなみに最初のマスキングはこんな感じ。ここのパネルの色を4色のシルバーで塗り分けしていきます。このスーパーメタリックカラー、とても良い感じですね。塗料の進化は素晴らしいですな。

塗っては乾かし、またマスキングして塗って…をひたすら繰り返します。いやぁ、地味な作業だけどなんかハマって楽しかったです。

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胴体のエンジン周りが綺麗に塗れましたので、垂直尾翼もパネルに応じて違う色を入れていきます。ここも丁寧で細かいマスキング技術が要求されます。

カッティングマットに貼り付けたマスキングテープを定規で細切り&細切れにしたものをピンセットでペタペタと貼り付けていきます。このタミヤのマスキングテープは粘着力が絶妙でして、かなり細かい状態にしてもちゃんとマスキングしてくれます。

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最後に垂直尾翼の全面部をマスキングして、エアクラフトグレーを吹いて作業完了。この部分は曲線を含むのでタミヤの曲線用のマスキングテープを使います。こいつは粘着力がイマイチなので、引っ張りながら貼り付けていかないとマスキングが失敗しますね。

曲線用マスキングテープはやや高価なので、ちゃんとビニール袋に入れて保管しておきましょう。テープの縁が汚れたり、痛んだりしたらマスキングテープとしては使いにくくなりますからね。

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塗り分けが完了しました。うーん、なかなか良い出来である。ただ、尾翼の方は表面が荒れてしましまっているところがありますね。銀は塗膜が薄くないと光沢がイマイチなので、ちょっと引っかけてキズが付いただけで塗膜が落ちます。

下地の銀を塗ったら、薄くても良いからクリアはちゃんと吹いてから作業しないダメですね。という訳で、手間は惜しんではだめです。

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最後に機首のレドームにエアクラフトグレー、コクピット後部をタンで塗り分けるべくマスキングをします。いやぁ、このF-104の塗り分けはマスキングしまくりましたよ。

ちなみに上の水平尾翼も真ん中にエアクラフトグレーを吹くので、ここもマスキングして塗りました。ただ、面積を考えると筆塗りでも良かったかな?と思いましたが、やはり塗装の綺麗さはエアブラシには敵いません。

1000円ぐらいのキットですが、ここまでタップリと楽しませて頂きました。

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ボディ表面に貼り付けるライト類とか、1/72だともの凄く小さい。米粒の1/3ぐらいの大きさのパーツとか床に落ちたら絶対に見つからない。案の定、機体に取りつけるライトの部品が一個行方不明になり、クリアパーツのランナーを切り出して、何とかでっち上げた。

失敗は必ずあるんで、それがリカバリー出来るかどうか?については経験値なのでしょう。そういえばブルベもそうでして、最初のうちはちょっとしたトラブルで絶望的な気分になったもんですが、慣れてくると色々と現地で対処出来る様になるんですよね。

最後にデカールを貼りますが、このキットのデカール、自衛隊機にありがちな細かい警告が1枚のデカールに複数印刷されているんです。つまり透明なニス部が大量にくっついているデカールが沢山あるのです。

これらの位置関係を把握して全部切り出して貼れば綺麗に仕上がるのでしょうが、流石にそれは面倒くさすぎます。という訳でデカールは普通に貼りました。マークソフターでデカールを軟化させつつ、水で濡らした綿棒を半田コテに押しつけて熱して、綿棒の先を蒸しタオル状態にしてデカールに押し当ててモールドにフィットさせるように貼っていきます。

説明書のデカール貼りの指示に、貼ったデカールについてはマークしていくと、あとどのくらい貼らないといけないか?が客観的に分かるので、マジックで番号を消しながら貼っていきました。

という訳で手間だけはタップリとかかったF-104が無事完成しました。個人的にもなかなかよく出来たと思います。これもオカメインコ氏の製作記のおかげですね。

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うーん、F-104は格好いいぞ!という訳でSNSに載せた写真も好評でした。自分でもこのバックからのショットは大変気に入っています。

1/72は作るのは大変だけど、コレクションするには良いサイズですね。F-104はアメリカ本国ではあまり使われなかった機体ですが、日本とドイツ(当時は西ドイツ)では永らく使われた機体でして、色々と派生型もあります。

是非、他のキットでもF-104を作ってみたいと思うぐらい、この機体のかっこよさは気に入っています。このキットで残念なのは、やっぱりデカールかなぁ。