鬼頭先生の自転車漫画「のりりん」が先週発売分の単行本11巻で完結しました。割と強引に伏線を消化した印象もありますが、綺麗に終わりましたね。
この漫画、2010年に1巻が発売されたのですが、丁度自分がロードバイクを買った時期なんですよね。この5年間で自分も随分と自転車にハマったものです。
漫画の中身的には、主人公はもともと車好きで自転車乗り嫌いだし、出てくる人も熱血にはほど遠い人達ばかり。鬼頭先生が相当に自転車好きなんだなぁ、というのは他の作品を読んでも出てくる自転車を見てれば分かるんですが、その辺の愛がにじみ出ている作品でした。
カバーを外すと出てくる自転車についての蘊蓄が書いてあって、これが毎回楽しみでした。扉にも自転車についての情報が一杯で、分かってくると大変実用的な内容でした。ヘルメットについての啓蒙なんかも怖い実例が書いてあったり、トドロキ君の「自家用車なんて禁止したら世の中変わる」的なお話も面白かったなぁ。
機械としての自転車についてちゃんと語ってまして、シマノのSTIの変速方法について、ちゃんと説明してある漫画って他に見たことがないです。自分のように最近自転車を始めた人間からすると、過去に存在した変わったバイクが出てくるのも必殺技的なおもしろさがありました。
なんだかんだで自分もヒロインのリンちゃんが乗っているKestrelを買っちゃいましたし、自分にとっては非常にツボな漫画だったわけです。終わってしまうのは本当に残念でございます。
テイストは違いますが、自転車界の「湾岸ミッドナイト」的な面白さを自分は「のりりん」に見いだしていたのでありました。陽子おばさんの蘊蓄が聞けなくなるのは残念ですが、これからも何度も読み返したりするでしょうね。