2014年の前半最後の出走となるBRM719 小諸200に出走してきました。
今年はDNFしまくりで、今のところ認定された完走距離とDNFや北海道の中止による非認定のBRM走行距離が今のところイーブンという大変情けない状態です。
やはり大メタボからくる登坂力の弱さ、暑さにとても弱いという所が克服出来てません。自転車の装備は非常に充実しているのに、とても以前のように走れません。
まずは小諸200を無事に完走したいです。獲得標高は2800mもありますが、なんだかんだで200kmだし…いやぁ、甘かったです
(;´Д⊂)
スタート地点は池袋駅の西口の東京芸術劇場の前あたりです。自宅から14kmぐらいので、輪行でいくのも自走もあまり変わりません。山手通りは走りやすいですし、自走で行きましょう。
とはいえ、5時に現地に到着しようとすると4時過ぎには家を出なければならないので、まだ空は明るくなり始めたとこと。写真は中野坂上のあたりかな?
無事にスタート地点に到着。R東京の実走スタッフとして走りますので、少々早めに行きました。雨の予報もありDNSもそこそこ居たみたいですね。
場所的にはかなり都心ということもあって、往来の通行を妨げないようにしないといけません。向いの居酒屋はまだ営業していて飲んでいる人も居る場所ですから。
5時半からブリーフィング開始。主催の田村編集長が説明しますが、賑やかな場所なので少し声が通りにくいです。都心のスタートはこの辺がなかなか難しいところです。
雨の予報&峠を3つ越えるという事にもメゲずにやってきた参加者は40名ほど。主催スタッフ、出走者合わせて北海道1200に出走した人が6人も居る。
今年からBRMを始めたという人も、すっかり慣れてもうベテランである。YUKI氏も今年3回目のブルベかな。
車検をすませて、そそくさと早朝の池袋から秩父~小諸を目指します。スタートからすぐ新青梅街道に入りますが、信号は多いけど都心の道としては走りやすい。
そりゃ千葉や埼玉のコースと比べたら走りにくいですが、都市型ブルベのコース選定は本当に難しいと思います。
ちなみに左に見えるライトアップされた看板が、朝5時でもまだ営業している居酒屋です。今のところ天候は曇りで、快晴よりむしろ走りやすい陽気です。
殆どの参加者が出走した後に我々はスタートです。PC1までの40kmは平坦基調ですから、特に問題はありません。クラブの仲間とまったりと進みます。
PC1のの手前にある交差点。うーん、なんて読むんでしょう?。佐天さん神社?
珍しいので写真に納めたら…撮影可能枚数が0ではないか。ここでデジカメのメモリーカードを入れ忘れてきた事に気がついた。
そんな訳で少し画像を整理して、本体の内蔵メモリに空きを作る。デジカメで撮影出来るのはあと10枚ぐらいとなった。
うーん、ツール缶にSDカードを予備として入れておくことにしましょう。
あっという間に40km地点のPC1に到着し、ウィダーインゼリーと飲み物を摂取。実はあまり胃腸の調子が良くなくて、最初からウィダーインとは少々不安。
PC1から先は同じクラブのIさんと一緒に走ってたら、AJたまがわの隊長さんが追いついてきた。どうも長瀞までご一緒する朝練中とのこと。
秩父に向かうのに山伏峠を越える。ここはマイペースで進んでいたんですが、調子イマイチで途中で休んで飴を口に放り込んで復活した。
ピークで記念撮影をする。よく考えたら、山伏峠を通ったのは初めてだった。今日は暑くないからそんなに辛くはなかった。
ちなみに装備ですが、雨予報があったので雨具もあるし、懇親会用に着替えも入れてある。200kmブルベとは思えない重装備だ。
秩父の市街に入ってくると、ちょうど夏祭りの準備をしていて賑やかだった。ここまでで90kmほど走っているが、涼しいので割とあっさりとここまで来た。
市街のポスターにはもちろん「あの花」のキャラが一杯である。ここで走るのをやめて夏祭りを味わいたかった。
秩父大橋を渡って、PC2の折り返しまで向かう。昨年は炎天下で大変だったそうだが、今年は曇天である。
昨年の走行会の写真は晴天でいい写真が多かったようだが、今年はイマイチ写真的には映えないな。
約100kmを走ったところにあるPC2に到着。ここは秩父を抜けて長瀞に入ったところであり、折り返しとなる。
胃腸の調子は少し復活してきていたので、トルティーヤドッグとホットドッグを食べる。
この3連休はセブンイレブンの総菜パン30円引きフェアをやっていたので、ずいぶん総菜パンを沢山食べた。
同じクラブのIさんと進むが、登りでは先に行って貰う。標高約700mのところにある土坂トンネルに向かう途中で雨が落ちてきた。
かなり本格的な降りだったので、屋根のあるところで雨具の上下とレインシューズカバーを取り付ける。
素肌に雨具を着ると肌に張り付いて不快なので、そんなに寒くはなかったがレッグウォーマーを履いたりするのに時間を取られる。
土坂トンネルを下るとPC3の道の駅に着くが、この周辺の景色はとても良かった。
道の駅では何が買えるか分からなかったので、手前の商店街っぽいところで食料品店に入って、1.5Lの赤コーラを買う。
これをぶら下げて道の駅で2本の保冷水筒に移し替える。最近、このエネルギー補給も兼ねられる赤コーラ+保冷ボトルの組み合わせが非常に気に入っている。
PC3は約130kmぐらいのところだったので、残りは70kmほどだ。時折、雨が落ちてくるので道の駅 上野に立ち寄ってちょっと休憩。
チャーリーさんが車で回って参加者の写真を撮影していた。
この群馬県上野村であるが、コース脇に日航機墜落現場である「御巣鷹の屋根」への登山道の入り口があった。なるほど、こんな険しい山中だったのですね。
ブリーフィングでも説明があったが、PC2の秩父から先は小諸に抜けるまで鉄道が走っていない。つまりDNFすると非常に面倒なことになる場所である。
まぁ、PC3でも貯金は80分ほどあったから多分間にあうだろうし、たとえトラブルでタイムアウトしても小諸までたどり着ければよいのだ。
今晩は懇親会でうまいビールが飲みたいし、小諸で一泊してゆっくり帰りたいよね。
さて、いよいよ今回の山場である十石峠の入り口である。国道299号は工事により通れないので、この先の矢弓沢林道を抜けて、十石峠を越えたら長野県である。
ここで雨がまた落ちてきたので、雨具をしっかりと羽織って先に進む。
いよいよ林道の登りである。ここからが10%越えの斜度が3km続くという非常に厳しいところである。
自分は最初からここは押し歩きするつもりだったので、シューズとペダルも歩きやすいSPDに交換してきたのである。
自分の場合、斜度が10%を越えてくると時速5,6kmぐらいになるので押すのと大差ないのだ。
矢弓沢林道の入り口から十石峠の頂点までは10kmぐらい。前半の7.2kmが林道で、林道を抜けたら峠までは国道299号となる。
うーん、険しい上に雨が降り続いてる。たま~に車が通るけど、前後に参加者もあまり居ない。結構後ろの方を走っているんだろうな~という自覚はあった。
押し歩いたり、たまに漕いだりして1~2kmほどいったところで雷が酷くなってきた。
時間はまだ15時ぐらいで明るい時間なのに、鬱蒼とした木々の陰で暗くなっているところに雷光が来るとビビる。
だんだん落雷が近くなってきたので、流石にちょっと怖くなってガードレールに自転車を立てかけて、少し離れて様子見をしたりした。
5分ほど様子を見て進むが、怖くなってまた5分ぐらい雷の様子を見ていたら、雷は遠くなっていった。
携帯で雨雲レーダーを調べたいが、この林道区間でドコモは圏外で全くデータ通信は出来なかった。
今のうちに一気にいこうとペダルを回し始めたら、雨が強くなってきた。今までの普通の本降りとは違う、バケツをひっくり返したような雨だ。
いやぁ、北海道1200だってこんなに酷い雨じゃなかったぞ、と思いつつも、雷は一段落したので先に進む。
雨は一行に弱くなる気配がない。山肌を伝う雨が泥水となって、道の両側に貯まっていく。この状態で林道があと5km続くのか…と割と絶望的な気分。
しかし、引き返したって秩父までもどらなきゃ帰るすべはないのだ。気合いで小諸まで進みたい。
段々、山肌を伝って流れてくる濁流が舗装林道の全体を覆い始めた。山肌を石がガラガラと落ちてくるのが見える。
何しろ林道の幅は狭く、両脇からガラガラと石が落ちてくるのが近くに見えると流石に恐怖を感じてきた。
このまま行っても大丈夫なのか? 北海道1200の時より状況的にはヤバいんじゃないか?
上から明らかに石を含む濁流が流れてきた。林道の斜度が結構あることもあって、流れてくる速度もとても速い。
ここでもう怖くなって怖くなって「ダメだ、帰ろう!」と自分でもつい声が出て、急いで引き返す事にした。
上の写真は撮影したヨシダさんに許可を頂いて掲載したもので、自分が居た地点よりもかなり林道の先の写真である。
自分はもっと下の方にいたんですが、上からこういう感じの濁流が流れてきたので、引き返す事にしたのである。
引き返すにしても、矢弓沢林道の入り口は10%越えの斜度である。限界までブレーキを引いてやっと減速する感じだ。
下っていっても道の脇からの土砂で至るところが川になっている。土砂混じりの濁流でパンクしたら目も当てられない。
この辺はとにかく怖かった。今までブルベで走っていて、こんなにも命の危険を感じたのは初めてである。
あとでGarminのログデータを見てみたが、この区間の心拍数はずーっと180ぐらいだった。
途中、下から登ってきた参加者に「上は無理です。引き返した方がいいです」と声を掛けて、一緒に下ってくる。
さっきの橋の入り口まで戻れば、なんか大きな道の駅みたいなのがあったので、そこまで戻る事にする。
林道を抜けて道幅が広くなって、濁流が流れてこなくなったところでやっと一息つけたが、雨はやむ気配がない。
こりゃ、小諸側に向けるのはもう無理なんじゃないか?という予感がした。
上野村ふれあい館という道の駅みたいな施設まで戻ってきた。引き返してきたのは、自分の他には2名。
そしてこの前を通った参加者である、はやんさんとNさんの2名に声を掛けて、その先は無理と伝えた。多分自分より後ろはこの4名のみのようだ。
ここで主催者に色々と状況を説明し、車で来ていたチャーリーさんが林道をチェックし、土砂崩れが発生していて、自動車が通れないことなどが分かった。
幸い、自分より先にいた上の写真を撮影したヨシダさん達は、水が引くのを待って十石峠を越えていくという。
あの林道を引き返すより、そちらの方が安全ってことだろう。あの林道を下るのは本当に危険だと思った。
今回は片道ブルベだったため、全員が着替えやら輪行袋を持っていたのは不幸中の幸いだった。
また上野村ふれあい館の中でタオルやTシャツが買えたし、大変快適な施設で助かった。
さて、DNFはもう確定的として、ここからどうやって帰ろうか? 鉄道と接続するのは、雨の中と峠越えして50km戻って秩父にいくか、距離は30kmと短いけど険しい峠越えがある下仁田に抜けるかである。
現状の雨に乾いた服を着て一息ついてしまった我々にとっては、もう雨の中を走る気にはなれない。
上野村ふれあい館の方に相談してみたら、この辺を走る広域バス「かんながわ号」ってのが、このふれあい館を通っているらしい。
とりあえず18時のバスにのってしまえば、高崎線の新町という高崎から少し上野よりの駅までたどる付けるそうだ。
主催者に正式にDNFの連絡をして、上野村組はバス輪行で帰れそうだ、ということを伝えて、早速輪行準備である。
既に輪行準備が済んでいた参加者の人は17時のバスに乗り、私、はやんさん、Nさんの3名は18時の最終バスに乗ることにした。
バスの乗車時間はなんと2時間強。週末ということもあって1500円で高崎線の新町駅まで出れるそうな。新町駅からであれば、1時間半で都内に到着である。
本来、バスは輪行は認めていないが、大雨ということもあって他にお客さんはおらず、快く3人と3台の輪行袋を乗せてもらえた。
ここからのバスの風景は素晴らしく、ただ、川がものすごく増水して濁流になっているのを見て「やっぱりヤバイ状態だったんだ」と実感出来た。
ふれあい館に避難してから、バスに乗るまで2時間強。色々と張り詰めていた緊張の糸が切れて、はやんさんが「いやぁ、バスに乗ったらホッとしました」と呟く。全く同感である。
バスではゆっくりと寝たり、Twitterのタイムラインで他の参加者の状況を追ったり景色を見たり、ノンビリと過ごした。結局、最後まで客は我々3人だけだった。
バスを降りて、運転手さんにお礼をいう。今回は本当に助かりました。このバスがなかったらどうなっていただろう?
今回だけは、無事に帰ってこれて良かったという一言である。やっぱり600並の装備で出走しててよかったわ。
3人の輪行袋を鍵で縛り付けて、コンビニに買い出し。安心したらお腹が減ってきた。
セブンイレブンのチーズバーガーがこんなにも美味しいとは思わなかった。やっぱり相当に緊張してたんだと思う。
新町から快速アーバンで無事赤羽まで戻ってきて、そこからは埼京線に乗って池袋ではやんさんとお別れ、Nさんとは新宿で分かれて、自分は恵比寿で降りた。
22時半ぐらいに恵比寿の町を出ると、お祭りをやっていたようで、とても賑やかでネオンが目にしみる。
6時間ほど前には命からがら矢弓沢林道を下ってきたのに、今はこの都会の喧噪である。このギャップがたまらない。
またもやドロドロになった自転車を組み立て、恵比寿の坂を下って家についた。
懇親会では「ばっきーさんはお祓いした方が良いのでは?」というジョークも出ていたようだ(笑)
もう少し速く林道を登れていたら、他の参加者と同じように小諸にたどり着けた可能性はあるので悔しいといえば悔しい。
とはいえ、引き返して「これ以上、進むべきではない」という警告もすべきだろうと思ったし、事故が起きてからでは遅いので、自分の判断にはある意味納得している。
本当にヤバい時にはやめることも重要。北海道1200の主催者の決断を身近に見ていたからこそ、今回はこのように決断して無事に帰ってこれたんだ、と思う。
懇親会には出れなかったですが、またご一緒した時には一緒にDNFした皆様、よろしくお願いしますね。