晩秋になると安納芋をお取り寄せして、その芋を焼きまくるというのが毎年のパターンになっています。今年も安納芋を取り寄せたので、ひたすら芋を焼いてパックして冷凍する日々です。
2021年は3年ぶりに安納芋をお取り寄せ
2015年から2018年まで、種子島の農家さんから毎年20kgの安納芋を品川のアパートに取り寄せていました。そのことの様子が、ちゃんと日記にも残ってますね。
それなりに安納芋の記事がありましたので、新たに安納芋のタグを作りました。過去の焼き方の遍歴などが残っていて、自分としても興味深いです。
しかし、新潟の家の建て替えのバタバタ、コロナ禍による騒動なんかもありまして、2019年、2020年と安納芋はお取り寄せしなかったんですよ。安納芋は生のままだとカビやすく、美味しく焼き上がるのに1時間強かかるので、大量に取り寄せると消費するのも大変なんですよね。
それから新潟の家はIHコンロなので、かつて使っていたアルミの焼き芋鍋が使えません。ストウブなどのホーローの分厚い鍋に入れて焼こうとしても、過熱検知のセンサーが働いて一定時間でIHヒーターの電源が切れちゃうんのです。
今年は完全引っ越しして1年が経過し、炭を熾してBBQコンロで焼芋をうまく焼けるだろうということもありまして、3年ぶりに種子島の安納芋をお取り寄せしました。
かごんま商店さんの安納芋20kgを取り寄せ
2015年から安納芋を取り寄せるときにいつもお世話になっているのが、かごんま商店さんです。
毎年、予約が始まるとメールが送られてきます。予約だと少しお安い価格で買えるんですよね。種子島からの送付となるので少々送料がかかります。なので、まとめて20kg(5kg箱x4)を買うのが送料的にはお得です。ちなみに今年の送料は新潟まで20kgで1500円ほどでした。多分、関東でも同じ送料だと思います。
かごんま商店さんのWebサイトはSSL対応ではないのがちょっと気になりますが、フォームから住所などを送るとあとはメールで案内が来るので、指定のゆうちょ銀行の口座にメールで案内される金額を振り込みます。受領確認メールがきたら、あとは11月ぐらいに安納芋を送ってくれるのを待ちます。
ちなみに現時点でも今年の安納芋は在庫がありますので、お取り寄せ出来るかと思います。
安納芋は生だと傷みやすい芋なので、規格外の訳あり品よりも正規品の方がハズレが少ない気がします。あまり大きい芋だと焼くのも食べるのも大変なので、Mサイズを10kgとSサイズを10kgの合計20kgを頼みました。
今回の小計は送料を合わせて約1万円ぐらいでした。安納芋はスーパーで買うと結構高いお芋さんなのですが、スーパー等で買うたびに大きさや品質がバラバラなので、焼き方の調整が難しいんです。一気に同じところから取り寄せた同じサイズの芋を焼き続けた方が、芋もだんだんと上手に焼けるようになります。
今回届いた安納芋。MサイズとSサイズですが、Mは拳ぐらいのサイズで芋として標準的な大きさでして、焼き上がるまで1時間半ぐらいまでかかります。Sサイズはペロリと食べれちゃうやや小ぶりな芋でして、1時間ほどで焼ける上に気楽に食べられる大きさです。
かごんま商店さんからの出荷案内のメールに、以下のような案内がありました。
届きましたらすぐに開封をして中に詰めている新聞紙を取り除いて
蓋を開けたまま保管して下さい。密封状態のままにしておきますとすぐにカビがきてしまったりして 痛んできます。 今年の安納芋は傷みがくるのがいつもよりも早いようです。できれば一度焼いて火を通してから冷蔵庫等に保存されますと甘みも増していき、半年以上は保存できます。
確かに安納芋は湿気のあるところに置くと、すぐにカビてしまいます。また放置しすぎると蜜がぬけてスカスカのスポンジみたいになったりします。なるほど、一度焼いてから冷蔵庫に入れると長期保存しやすいのですね。
となれば、一気に焼いてしまおうではないか!
炭を熾してBBQコンロで安納芋を焼く
かごんま商店さんからのメールには焼き方のアドバイスもあります。
お芋の大きさにもよりますが、ある一定の時間(1時間~1時間3
0分ほど)焼きますと
いい匂いがしてきます(必ずフタをして超弱火で焼いて下さい)。
それからも暫く火を消さずに、さらに焼いていきますといきなりお芋が柔らかくなります。それから5分~10分程度してから火を止めて下さい。 お芋の大きさにもよりますし、熟成の度合いも個体差があります。時間ではなく、いい匂いがするときを目安にしていただけたらと思
います。
焼いているといきなり芋が柔らかくなる瞬間があるというのは、これまでの焼き芋での経験から知っていました。あと焦げやすい芋なので、超弱火で長時間というのも理解してます。
あとフタの重要性です。芋とか米とかって熱を加えることでデンプンが変性するのですが、この熱の維持にはフタが欠かせません。炊飯中でも蓋を開けないようにというのは、この熱が逃げないようにするためです。安納芋でもフタをして熱が全体に回るようにしたほうがいいようです。
炭で安納芋を焼く準備
愛用のWeberのBBQグリルと炭、炭熾しを準備してセットアップします。
このWeberのGo Anywhereという角形のBBQグリルですが、炭の消火が単体で出来ます。Weberのグリルの特徴はフタをして火を通せることでして、これは肉を柔らかく燻製っぽく仕上げるためなのです。このフタは焼き芋に綺麗に火を入れるのにも重宝します。
次に安納芋を水で綺麗に洗います。タワシ等でゴシゴシとこする必要は無く、水で優しく洗うだけで泥は落ちます。黒いのは蜜が出てきたものなので、取り去ったりする必要はありません。
水で洗ったら、水気はそのままでホイルにピッチリと包みます。このとき、できるだけピッチリを隙間なく覆うようにホイルをした方が、水蒸気が逃げずに芋が柔らかくなるようです。
余裕があったら濃いめの塩水を作って洗った安納芋を長時間漬けておいて、それをアルミホイルで包んで焼くと、塩水の効果でより芋が甘くシットリと感じられるようになります。
昔、ホイルを使うと表面がパリっと仕上がらないので、あえてホイルには包まずに焼いていました。そういう焼き方だと中までしっかりと熱が入って芋全体が柔らかくなる頃には、表面が乾燥して焦げちゃいます。表面がバリっとした所を好む人が多いですが、安納芋は1時間以上熱を入れるので、水気を切らずにホイルでピッチリと包んで水分を閉じ込めた方が炭火焼きでは丁度良いのです。
焼きはひたすら我慢だ
炭を熾したら、その上にWeberのグリル用に作られた社外製の鉄板を敷いて、その上に安納芋を並べていきます。炭の火付きが良すぎるようだったら、Weberのグリルの空気穴の調整プレート(写真手前のアルミの板)を下にスライドして空気穴を狭くして火力を落とします。
そしてフタをして10分ぐらい放置します。フタをすると炭の火の勢いが落ちますので、焦がさずにじっくりと芋に熱を加えるというのにピッタリなんですよ。炭も長持ちしますし、このグリルは本当によく出来ています。肉用のBBQコンロとしても勿論優秀ですが、芋を焼くのに最適すぎます。
たまに蓋を開けて、軍手をして芋を直接触って柔らかさを確かめながらひっくり返したり、火の強いところと弱いところの置いた芋をローテーションして均一に熱が入るように調整します。とはいえ、最初の30分ぐらいは芋は固い状態が続くので、とにかく焦げないようにだけしておけば大丈夫な気がします。
1時間ぐらい経過してくると、ホイルの上から芋を触っても柔らかくなっているのが分かります。ここでもう少しだけ熱を加えて、押したらクニャクニャと芋が明らかに柔らかくなったら焼き上がりです。
黄金色でねっとりとした仕上がり
早速、今年最初の安納芋の焼き上がりを堪能しましょう。ホイルの上から押しても、十分に表面がヘコむぐらいに柔らかくなったSサイズの芋のホイルを剥がしてみましょう。
パーフェクトな仕上がりです。皮は半分ぐらいシットリとしたままなので、焦げることもなく、中は完全に糖化していています。やはり濡れたままの芋をホイルで包んで焼くのは、失敗が少ないようです。
あとしっかり熱が入ってくると、アルミホイルの隙間から水蒸気が吹き出すことがあります。これは大変熱いのでやけどをしないように注意してください。ピッチリと包んでいると水蒸気は出ませんし、その方が水分が逃げずにシットリ仕上がると思います。
断面です。完全に糖化していて、クリームのような柔らかさです。今年の安納芋も上出来です。
安納芋は長く熱を通すと、急に柔らかくなるポイントにさしかかります。この固かった安納芋が急に柔らかくなった時の見極めが重要なのです。というのも、押したときに固い状態だったとき、それは熱の通りが不十分なのか?、それとも皮や表面が焦げて炭化して固くなっているのか?を正しく見極めないといけません。
もし十分な時間、加熱していて他の芋は柔らかくなっているのに固い芋があったら、その芋を少し熱源から離して放置してみます。熱源から離しておくと、ホイルの中で水分が芋の表面に回ってきます。もし表面が焦げて固くなっているのであれば、それがふやけて少し柔らかくなります。少し冷ましてから全体的に芋を揉んで柔らかくなるようでしたら、それは皮や表面が焦げているだけで焼き上がっているのです。
もし放置してもまだ芋が固いままでしたら、それは熱が十分に回っていないので追加で加熱します。やわからしい状態になっても、皮が焦げ無ければ少々過熱しすぎても問題ありません。それよりは過熱不足で普通のサツマイモのようにポクポクした状態になるのは避けましょう。
焼きたての安納芋は確かに美味しいですのですが、焼くのに時間と手間がかかるのが難点です。以前、焼くのが面倒で生芋のまま放置してしまって、芋を駄目にすることがありました。
焼き芋を冷凍するのが逆に美味しい
焼きたての安納芋の美味しさを損ねずに長期保存するのであれば、先ほどの農場からのメールにも合ったとおり、焼き上がった芋を保管した方が芋が長持ちするとのこと。それに従い、焼き上がった芋を脱気シーラーでパックにして冷凍保存することにしましょう。
先日、コストコのセールで1万円を切っていた脱気シーラーで焼き上がった安納芋をパックにしていきます。ちなみにこの手の製品は「真空パック機」と言われたりしますが、真空パックほど完全に空気を抜くことは出来ないので「脱気シーラー」というのが正しいでしょう。
この脱気シーラーで空気を抜いていくときに、安納芋からの水分(蜜)が少し出てきますが、シーラー本体にそれが上がってくる所には至らず、綺麗にパッキング出来ます。後は粗熱を取って、冷凍庫にこのままいれて冷凍してしまいます。
焼き上がった安納芋は水分が多いので、ラップとかでキッチリと包まないと冷凍焼けを起こしやすく、長期の保管に支障があります。なので、今回は脱気シーラーを使ってみたのです。これだとフィルムと食材が密着するので、食材から水分が抜けて霜になるという冷凍焼けを防げます。
解凍して温めて試食してみる
11/3の文化の日の祝日は、午後から夜まで6時間ほど連続で芋を焼いてパックにしました。これで、もし冷凍保存した焼いた安納芋が美味しくなかったらどうしよう?と不安になったので、翌日にカチカチに凍った芋を取り出して、試食してみることにしました。
カチカチに凍っている焼いた安納芋。脱気した時にパック側に少し蜜が抜けていますが、甘さに変わりはありません。
ハサミでパックを切り開いて、中からカチカチの安納芋を取り出します。
見事なまでにカチカチに凍っています。このまま電子レンジで加熱して解凍します。中に水分が多いので、カチカチに凍っていても、電子レンジですぐに暖まるようです。
2つの安納芋をレンジで加熱した物です。焼き上がりとの時の美味しさとあまり変わりが無くて驚きました。手前の安納芋は焼きが少し足りなかったようで、普通のサツマイモを焼いたときに近いポクポクした感じになってます。それでも十分に美味しいのですが、折角ならもっと熱を入れるべきだったかな。
奥の安納芋は完全に糖化していたようで、冷凍して解凍したことできめ細かい繊維質のところが、よりしっとりと柔らかく仕上がったようです。これはスプーンとかがスーっと入っていく柔らかさ。冷凍するとより美味しくなるという話も耳にしましたが、これは確かに焼きたてより美味しいかも。まるで上出来なスイーツのようです。
以前は冷凍が難しい食材が多かったと記憶してますが、最近は冷凍保存できる食品の知識が非常に増えました。これでレンジでチンするだけで、美味しい安納芋の焼き芋が3~5分でできあがるのです。
どんどん焼いてパックしていくよ
11/5(金)は在宅勤務が終わってから、炭を熾したら再び焼き芋を作る作業に掛かります。
芋を焼き続けることで分かってくるコツってのは確実にありますね。昨日、冷凍保存した焼き芋が十分に美味しくてお手軽ということが分かったので、暇なときに芋を焼いていくことにします。
この日は2時間半で焼いた芋を全部パックにしました。少し炭の火力が強すぎて、皮が焦げたヤツが多いですが解凍してレンジ加熱すると、皮が綺麗に剥がれてくるので問題なし。
粗熱を取ったら、冷凍ストッカーにいれて冷凍しておきました。
実は今日も庭でBBQをしまして、また炭で芋を焼いてました。焼きたては格別ですね。
20kgあった安納芋ですが、こうやって焼いて保存に回したり配ったしていたら、届いてから1週間もしないうちに、残りはもう6kgになりました。うーん、農場に追加でお取り寄せしようかしら?