前回の日記で少し書きましたが、2017年ぐらいからレースシムを楽しむために色々と機材を揃えて遊んでいました。
なんだかんだで3年ほど遊びつつプレイ環境も改良してきて、メインにプレイするレースシムとしてはiRacingにたどり着きました。プレイを始めて3ヶ月ぐらいは凄く楽しかったのですが、同時に自分の限界が見えてきてしまってプレイしなくなってしまいました。
iRacingはオンラインでレースをするため、大変シビアなシステムが構築されており、これも突き詰めていくと格闘ゲームやシューティングゲームと同じで、目的意識を持ってたくさん練習しないと勝てないのです。正直、その辺が息苦しくなってしまってたのでしょう。
というわけで結論から言うとレースシムからは完全に引退して、6月末で機材も全て手放したのでした。
レースシムのために揃えた環境について
写真は最終的に揃えたレースシム環境の状態です。ゲーム用の水冷PCについては後日総括するとして、レースシム用の環境として揃えたパーツは以下の通りです。
- スラストマスター T300RS フォースフィードバックハンドル
- スラストマスタ TH-8A シフター
- Fanatec V3ペダル+チューニングキット+ダンパー
- 49インチウルトラワイドモニタ(27インチモニタ2枚分)
- 長谷川工業 DRAPOJI レーシングコックピット
- 中古で購入したレカロシートLX
メインのハンドルコントローラーは3万円ぐらいのものでしたが、ダイレクトドライブの10万円以上のものに買い替えていたらレースシム環境としては言い訳できないぐらいの豪華なものだと思います。その辺を買い換えるかどうか?を考えていたあたりで熱が冷めたんですよね。
ハンドルコントローラーのフォースフィードバックがレースシムにおいては非常に重要でして、シムではGによる車の挙動が感じることが出来ません。代わりにフォールフィードバックでタイヤのグリップや路面の状況の状況を、モーターの力で反力としてハンドルを通してプレイヤーは感じるのです。
あとペダルについてですが、ブレーキが非常に重要でして、ペダルを踏み込んだ角度でブレーキ力が変わるものが普及価格帯のペダルには多いです。ですが、微妙なアクセルの踏み込み角度でブレーキの効き方をコントロールするのは非常に難しく、安定して意のままにブレーキを操作するには、踏力で効き具合が変わるロードセルと言われるタイプのペダルが必要なります。自分が使っていたFanatecのV3ペダルはロードセル型でして、これに買い替えたら意のままにブレーキしやすくなったことをよく覚えています。
ワイドモニタや3画面モニタなどもコーナーの先や周囲の車を見通すために必須の装備でした。1画面ではどうしても視界が狭く周囲が見えないため、周囲で争っている車やコーナーの先が見通せないんですね。他のレースゲームでは車の後方から俯瞰した視点が選べますが、iRacingはプレイ中はコックピット視点しか選べません。なので横に広い視野が必要でした。
ただし、27インチx3画面の環境を作ったことがあるのですが、あまりにも場所を取るので49インチウルトラワイドモニタに買い替えたのでした。これはちょうど27インチの液晶の2画面分が横に並んでいるのと同等なのですが、継ぎ目もなく見通しもよいので最近は3画面を横に並べるよりも、こっちのモニタを選ぶ人が増えているようです。
あとシートとコックピットですね。それなりに費用がかかるのはもちろんですが、常設場所しておく場所が大変なのです。ちゃんとポジションを出そうとすると、しっかりしたフレームで位置調整が出来るコックピットが必要となります。自分は長谷川工業さんというアルミの製品を作っているメーカーが出しているDRAPOJIという専用品を購入して、それにシートとコントローラー類を据え付けていました。
2018年~2019年 シングルプレイでレースゲームを楽しむ
レースシム環境を構築し始めたのは2017年の年末ぐらいからでして、その第一段階としてはセットで4万ぐらいのハンドルコントローラーとペダルを購入しました。それを2万円ぐらいの簡易コックピットフレームに取り付けて、普通のPC用の椅子に座ってプレイしてました。
PS4のグランツーリスモSportsやXBOX/PCで遊べるForza motorsports7やForza Horizonシリーズ、CodemastersのF1、Asset Corsa、Project Carsなどのシングルプレイのレースゲームをプレイするのですが、これらのゲームは素人でもそれなりに運転出来るように味付けされています。
後からiRacingというオンライン対戦がメインとなるレースシムをプレイするわけですが、これと比較するとこれらのゲームはゲーム的な味付けがされていました。Asset Corsaは割とシミュレーター寄りの挙動でしたが、ゲームとして面白いか?と言われると微妙なところ。
ちなみにグランツーリスモSportsとForza motorsports7はサーキットで他のユーザーとのオンライン対戦も可能でした。他にもオンライン対戦が可能なゲームはありましたが、実際にそれをプレイ出来るほど人が集まっているのは、これらのゲームの中ではこの2本だけでした。
しかし家庭用ゲーム機向けのゲームであるため、カジュアルにプレイしているユーザーも多く、ぶつけてくるのが当たり前でレースにならないことが多かったです。特にForza motorsports7はチューニング可能な車での対戦となるので、うまく車をいじった人が結局速いのでイコールコンディションにならないんですよね(ワンメイクレースもあったが人気が無かった)。
結局、これらのレースゲームでは真面目にオンライン対戦を楽しむというところまで至りませんでした。正直、プレイするだけストレスがたまるシロモノだったわけです。ちなみにグランツーリスモSportsはある程度のレベルに達すると、周囲のプレイヤーの腕も上がって楽しめるそうなんでが、そこに到達するまでに腕を磨こうにも自分も含めてヘタクソばっかりが集まっているので、なかなか抜け出せなかったのです。
2020年 コロナで在宅の日々にiRacingに光明を見いだす
2020年の3月にコロナで緊急事態宣言が発令されたため、新潟の家に戻れなくなりなりました。なので東京の賃貸アパートに6月ぐらいまでずーっと籠もる事になりましたし、ゴールデンウィークにどこにも出かけられないのは退屈で困りそうです。
そこでSNSでやり取りしていた自転車繋がりの友達の2人と「このゴールデンウィークにiRacingにデビューするか!」という話が盛り上がり、3人で一緒にプレイし始めました。iRacingはオンライン対戦が基本のレースシムでして、PCとハンコンやペダルなどがほぼ必須で、課金もあり、英語のUIのみということもあって敷居は高いので、その分ユーザーのマナーが良いとのこと。
一緒に始めたのは実車でサーキットも走り、既にグランツーリスモSportsで既に異次元の腕前を発揮していたGuile親分、2輪でサーキットも走っているadias氏の2名です。ちょうどその頃にYoutubeでプロドライバーの脇坂寿一選手がiRacingで走るという生配信をやっていまして、これが実に面白かったこともあり、すっかりiRacingの虜になりました。
月の会費に加えて、車、コースを購入しないと出走できないレースがあるので、少し課金してコースと車を購入します。ただ、実際にプレイしてみると無料で乗れる入門カテゴリーの車でレースするのが精一杯というのが分かります。車は買わなくても、入門としてMX-5(海外版の2.0Lのマツダロードスター)でのビギナー向けのレースをやりこむだけでも相当に奥が深いです。ただ、コースは追加で少し買わないといけないですね(1コースで10~15ドルぐらい)。
車の挙動ですが、本当にシビアです。タイヤが暖まってくるまで上がってこないタイヤグリップに驚きました。ぶつかったりコースアウトしたりすると、自分のレーティングが下がって「危険なドライバー」ということになります。そうなると、そういうドライバーとしかプレイできないのがiRacingの画期的なところです。
相手が悪かろうがなんだろうが、とにかくクラッシュを避けて上位でゴールしないとレーティングが上げていかなければなりません。これまでやっていたレースシムと全くの別物でして、これまでリアルだと思って遊んでいたレースシムを全然プレイしなくなりました。これは他のゲームの車の挙動に慣れちゃうとiRacingの車の運転に影響が出るからです。
ちなみに入門用のレースカーであるMX-5は、日本で販売されている1500ccのロードスターとは異なり、2000ccでトルクはありますが、レースカーとしてはかなり遅い部類です。それでも他のプレイヤーとレース出来るレベル到達するには、相当に練習しないとレースで相手に迷惑をかけるだけです。レースゲームによくあるブレーキングのタイミングを教えてくれるマーカーやライン取りが画面に表示されるような事も全くなく、自分でコース脇の目標物でブレーキングポイントを学んでいく必要があります。
語り出すとキリが無いんですが、世界中のレースシム野郎(プロドライバーも居る)と家にいながらにしてレース出来るとか凄い事ですよ。ただ、一番短いレースでもサーキットを20周とかしないといけないですし、予選もちゃんとあります。なので1レースをこなすには1時間は最低必要になります。これが上位のカテゴリーになると、F3の車でも速すぎて目がついていけません。やっぱりプロドライバーって凄いんだな。
結局、自分は一番下位のMX-5のレースで2勝するのが精一杯でした。優勝したコースは岡山と筑波だったかな。2ヶ月ぐらいやりこんで、そのくらいがやっとであるという自分の腕に限界を感じてきたのです。
新潟で在宅勤務ならプレイ時間取れるはずでした
2020年の8月に東京の家を引き払って新潟に引っ越しましたが、レースシム環境も一緒に新潟に持ってきました。しかし、引っ越し後の3ヶ月は平日は東京でホテル暮らしをしていたので、iRacingは週末に新潟に戻ってきた時にしかプレイ出来なくなりました。
週末に新潟に戻ってくるとやることが山積みで、iRacingをプレイしている時間が捻出できなくなりした。で、練習しないと顕著に腕が落ちます。たまにオンラインレースに出ても最後尾の方を走るのが精一杯でして、もらい事故をレーティングが下がってレースも勝てないという悪循環にハマります。
週に半分ぐらい在宅勤務なったら朝と夜にiRacingをプレイする時間が取れるのに!、と想像していました。で、このあと実際に2021年の1月に東京で緊急事態宣言が再び出たことで、基本は新潟の家で在宅勤務になったのです。これでRacingもプレイ時間が取れるぞ!と思いきや、おりしも新潟では記録的な大雪が続いて、余暇の時間は除雪に明け暮れます。そして雪道の運転が新鮮だったこともあり、リアルにスタッドレスタイヤを履いた自動車を乗り回していました。
そんなわけで在宅勤務で時間が取れるようになっても、結局iRacingは放置されたままでした。そのまま今年のゴールデンウィークを迎えます。
ゴールデンウィークにiRacingに復帰するかどうか?を判断するために、半日ほどプレイしてみました。しばらく放置していたこともあって、設定してたプラグインは動作しなくなり、車の挙動も少し変化していました。それに何よりも自分の腕も大幅に落ちていて、以前のようにオンラインレースを楽しむどころではなかったです。
iRadcingは日本人プレイヤーも増えてきて、YouTube等でも情報がどんどんと増えていきます。一度、そこからドロップアウトしてしまうと追従するのは非常に大変でして、疎外感を感じてしまいました。こりゃもう一度ハマる所まで到達するのは大変そうです。
ということから、ここで自分はレースシムを趣味として続けることは断念したのでした。
折しもコロナの影響でパーツは高く売れました
振り返ってみると、iRacingに熱中できたのは2020年のゴールデンウィークから夏に新潟に引っ越すまでの数ヶ月でした。この後、生活スタイルの大きな変化でiRacingを放置してしまったことで、完全に熱が冷めてしまったのです。
このまま機材を残しておいてもいいんですが、自分の性格からすると多分もうプレイすることはないでしょう。であれば良い値段で売れるうちに処分してしまった方が後悔は少なくて済むでしょう。
49インチウルトラワイドモニタとかちゃんと元箱を残しておいて良かったです。何しろ箱に入れても普通の宅配便の160サイズを超えてしまう大きさです。壊さないように丁寧に元箱に戻して梱包してヤフオクで売却しました。幸いにも買値の7割ほどの値段で売れました。
コントローラー類もみんな高く売れました。こちらも購入した価格の7割ほどは戻ってきて正直びっくりです。スラストマスターのハンドルはPS4とかで使えるので需要は高いです。
あと、Fanatecのペダルは本体もチューニングキットも驚くほど高く売れまして、元値と変わらないぐらいで処分出来ました。新品が品薄なのかもしれませんが、最近、オークションはビックリするぐらい高値で物が売れることがあります。
レカロシートとアルミフレームのコックピットであるDRAPOJIの売却は、送付のための梱包がとても面倒くさそうです。最初はオークションに出すときに手渡し限定にしようかな?と思ったのですが、それでは購入できる人が限られるので高値にならないでしょう。
引っ越し家財便みたいな送付方法ならば梱包は最低限で済みますが、送料が1万円を超えてしまうので、何とか梱包してヤマト便とか佐川のラージサイズ飛脚便で送れるサイズに抑えようと努力します。ホームセンターに梱包材を買いにいって、シートやフレームはラップでグルグルに巻いて保護と固定をし、その全体をエアキャップで養生し、巻段ボールや大きな箱を切り貼りして周囲を包んで、普通に配送出来るようにしました
おかげでレカロシートは中古で買ったときの倍の値段になりましたし、DRAPOJIも買ったときの8割値ぐらいで処分出来ました。かなりお金をかけて揃えた環境でしたが、高値でほとんどが売却できたのは素直にありがたかったです。
水冷PCの方の部品も半導体不足もあり高値安定です。特にグラフィックカードはとても良い値段で売れました。こちらについては水冷PCについて別の記事で書こうと思います。
手を出したからこそ、語れることもある
自分にとってレースゲームというのは、子供の頃からもっとも好きなゲームのジャンルです。ゲームセンターの筐体のレースゲームに始まり、プレイステーションの初代グランツーリスモ、セガの一連のレースゲームなどにのめり込み、だんだんとレースゲームはゲームからシミュレーションに進化していきました。
コントローラーの選択肢が増え、PCの性能も大幅にアップしたことにより、個人で揃えられる環境でも相当にリアルなレースシム環境が作れるようになりました。プロが練習用として使えるレベルのものが個人で揃えられるようになったわけです。正直、これについては少し感慨深いものがありました。
どのレースゲームが一番リアルか?なんて議論がネットでは盛んに行われていますが、オンラインで人間と対戦できて挙動がシビアなiRacingが一番だと思います。やはりAIの車では味わえない人間との駆け引きの世界がそこにはありました。やはりこれはプレイしたからこそ語れる、という事に尽きます。
iRacingの対戦相手は人間ですから、ゲームと違って「俺様が最強!!」的なカタルシスを味わうことは難しいです。レースで安定して勝つには、たゆまない練習が求められますし、冷静にミスがないように集中していないといけません。それ故に勝ったときの喜びは言葉に尽くせないほどなのですが、自分は安定して争うレベルまで到達できずに挫折してしまった、ということなんですね。
しかし、こうやって総括できるのはわずかな時間とはいえiRacingを真剣にプレイ出来たからであって、手を出したことに後悔はありません。