2018 Cervelo R3 Diskの組み立て(eTap HRDの油圧ブレーキ回りを重点的に)

2018年のGW最終日ですが、自宅でずーっと自転車を組み立ててました。

フレームは自分としては3台目のCervelo R3でして、2010年モデル、2014年モデルと乗り継いで、こいつは2018年モデルなので4年毎に買い換えてますね。ちなみにCerveloとしては5台目です。

これで我が家にある自転車は実家に置いてあるマキノ号はリムブレーキですが、カーボンバイクはCervelo C5とR3 Diskとなり、どちらもコンポはeTap HRDなので油圧ディスクブレーキとなります。

これでメイン機材は全て油圧ディスクブレーキ

これに伴い、リムブレーキのホイールやコンポなどは全て売却して、我が家ではメインの機材は全てディスクブレーキ対応となりました。自分としてはリムブレーキの機材が、良い値段で処分出来るウチに買い換えようという計画です。

噂によると海外では既にホイールはディスクブレーキ用のモデルの方が売れており、海外通販などではリムブレーキのホイールを中心に値下がり傾向にあるようです。それを日本人が喜んで買うという流れになっているとかいないとか。

日本人は小柄なのでリムブレーキでも性能的に十分なんでしょうが、大柄な欧米人の場合にはディスクブレーキの恩恵をより享受できるので、ディスクブレーキ化が日本より進んでいるのでしょうね。歴代のCervelo R3ですが、初代の2010年モデルはEvans、2014年モデルはeBayで香港の業者から購入しましたが、今回の2018年モデルはスイスの業者であるbellati Sportsで購入しました。

今までは型落ちになりそうなタイミングで購入していたので、20万円を大きく切る値段でした。しかし、今回は2018年モデルとして発表されたばかりだったんで、購入時価格が約22万円で、送料が1万強、税金が同じくそのくらい掛かってフレームのみで24万円ぐらいでした。

ちなみにRシリーズは2016年まではリムブレーキだけで、2017年からディスクブレーキモデルが出ましたが、専用のカラーリングでした。2018年からリムブレーキ、ディスクブレーキモデルでカラーリングが統一されました。

フレームはサイクルキューブさんでクレストヨンド社のガラスの鎧というコーティングを実施して貰いました。新品状態のフレームなら持ち込みで6000円で施工してくれます。これは表面がツルツルになって気持ちいいですね。

SRAMの油圧ブレーキホースの入手について

フレームは2月に注文して3月末には届いていたんですが、組み付けるコンポであるeTap HRDは先にTwitter上で手放す人がおりまして、それでやや安価に入手できました。ただ一度取りつけたものを取り外したものであるため、油圧ブレーキのホースを1本新たに調達する必要がありました。

ワイヤーのブレーキアウターケーブルならばリア用の2mの物でも1000円ほどで買えますが、油圧ブレーキのホースは4000円前後とお高いです。めったに交換はしないものなのですが、コンポの組み替え時にブレーキホースをカットした場合には、リア用に長いホースを1本入手する必要があります。

ちなみに1本でよい理由は、取りはずしたリアブレーキに接続していたブレーキホースをカットして、フロントブレーキ用のホースとして再利用できるからです。

さて、この新規に調達する油圧ブレーキホースの部品をネットで調べてみても、どれを買ったら適合するかサッパリ分かりません。SRAMの油圧ブレーキとなると、情報は変速がワイヤー引きのRedの記事ばかり。

よくわからんので、SRAMの公式サイトでロード用の油圧ブレーキホースのアクセサリとして唯一掲載されているSRAM Road Hydraulic Brake Hose Kitsという、いかにもロード用の油圧ブレーキホースっぽい名称のパーツを買えばいいのかな?と見当を付けます。

SRAMの場合、日本の通販サイト等では殆ど部品が調達出来ず、海外通販を頼る事になります。ですが、海外のショップでもSRAMのパーツ類を日本に発送してくれない場合が多いのです。

そんな中で米国Amazonのマーケットプレイスで日本に発送してくれる業者がいるので、そちらから調達しますが、上記のブレーキホースのパーツ代+送料で5000円近くかかります。正直、お高いですよね。
届いたのが上のブレーキホースです。米国のAmazonのマーケットプレイスで購入したので、業者にもよりますが届くまで3週間ぐらいは覚悟しておいた方がよいです。

ちなみにマーケットプレイスではなく、Amazon本体が売ってくれる品物なら2週間ぐらいで届きます。送料をアップチャージすれば1週間ぐらいで日本に届けてもらうことも可能ですが、Amazon本体はSRAMのパーツは日本に発送してくれません。

ホースの片側につくバンジョーは分解&交換不可

油圧ブレーキホースがワイヤー引きのブレーキアウターケーブルに比較して高いのは、ブレーキホースの片側がバンジョーという金具(上の写真)がついていて、この金具は分解および取り外しが出来ないようです。

このバンジョーという金具ですが、オイルラインを90度曲げてホースを部品に取りつけるところで使います。

ブレーキレバーもしくはブレーキのホースの取り付け部にバンジョーを使っているコンポの場合、ホース交換時にはバンジョー付きの油圧ホースを買う必要があります。

ちなみにシマノにも片側がバンジョーになっている油圧ブレーキホースが存在するようですが、お値段は2500~3500円ほどです。SRAMより安くて入手性がよいのが羨ましいです。

という訳で油圧ブレーキのホースの交換の場合、自分が所有しているコンポのブレーキレバー&ブレーキの両端の接続方式をちゃんと把握しておきましょう。ロード用は片側がバンジョーになっているケースが多いです。

ワイヤーブレーキの場合、中のワイヤーを直角に曲げてレバーやブレーキ本体に取りつけることが物理的に出来ないため、ストレートにアウターケーブルを繋ぎます。なので、アウターケーブルの両端の加工は簡単で、ユーザーでも作業は可能ですし互換性を意識することはありません。

油圧の場合には直角に曲げたホース内を通る液体を確実に伝えるために、バンジョーはユーザーに分解させない構造になっているのでしょう。今のところはホースの取り付け時に90度曲げられるというのは油圧のみの利点なんですけどね。

なおホースの両端をバンジョーにすることは出来ません。そうしちゃうとホースの長さをユーザーで調整出来なくなってしまいますからね。なのでバンジョーがついているホースの反対側は、必ずブレーキレバーやブレーキ本体にホースをストレートに接続するようになっています。

ホースをストレートに部品を取りつける場合、オリーブやコネクトインサートを挿入して、取り付け部にねじ込んで固定することでユーザーが作業可能です。

上の写真は、ユーザーがホースをブレーキに接続するための小物類です。

下の方に写っている銀色のネジ切りしてある小さな部品が、ホースにねじ込むコネクトインサートで、赤い丸い部品をオリーブと言います。この2つの部品はシマノでも同じ名称の部品があります。

これをホースの先端に取りつけて、レバー側もしくはブレーキ側にねじ込んでオイルラインを密着させる事で漏れを防ぎます。この辺はSRAMもシマノも同じなんですが、シマノのオリーブはねじ込むと明らかに柔らかい金属が変形して密着度を上げているのですが、SRAMのオリーブは変形している感じがありません。

シマノの場合オリーブが変形してしまうために再利用出来ませんが、SRAMの場合は再利用出来るのかもしれませんが、接続用ホースのキットにこれらの金具が入っているので再利用はしないほうがいいんでしょうね。

結論から先に書いてしまうと、このSRAM Road Hydraulic Brake Hose KitsというパーツはeTap HRDとは互換性がなくて取りつけ出来ませんでした。

いかにもロード用油圧ブレーキの交換用ホースっぽい名前ながら、紛らわしいったらありゃしない。これはケーブルで変速するRedの油圧レバーとブレーキで使うパーツのようです。

ワイヤー引きのSRAM Redのブレーキレバーとブレーキの組み合わせでは、レバー側にバンジョー、ブレーキ側をストレートにねじ込むのですが、eTap HRDではブレーキ側にバンジョー、レバー側をストレートにねじ込むという逆の構造になっています。

逆なだけならホースを逆に取りつければいいんじゃね?と思うでしょうが、取りつけるためのバンジョーの形がeTap HRDのブレーキ側とワイヤー引きのRedのレバー側では異なります。

eTapもRedというグレードなのにブレーキホースの互換性が全くなく、しかもメーカーのWebページにその辺の情報が全く載っていないです。SRAMの動画でホースの交換のものはケーブル変速のRedのレバーなので、よく見れば「これはeTapのブレーキレバーと全然構造が違う」のは分かるのですが、油圧ブレーキのホースについての一般知識がないと見抜けません。

ちなみにケーブル引きのRedの油圧ブレーキホース交換の公式動画は以下のものです。

というか自分も最初はバンジョーって分解出来て、新しいホースに取り付け可能な金具と勘違いしていたのでした。

仕方ないのでeTap HRDのブレーキに取りつけられそうなバンジョーが付いたブレーキホースを色々と探してみます。写真から判断するにMTB用の軽量ブレーキで使われているホースのバンジョーの形がeTap HRD用のブレーキのバンジョーと同じようです。しかし、確証はないですし、試しに買ってみるにはまた5000円近い散財と海外通販による3週間の待ちが発生します。

また間違えたら金銭および時間的なロスがあまりにも大きいなぁ、とネットで嘆いていたところ、ドイツのbike-componentsというサイトでSRAMの部品が豊富に入手出来るよ、と教えて貰いました。上記の業者のサイトをチェックして該当しそうな部品を探します。

なんと!メーカーのWebサイトに載ってないeTap HRD用のブレーキホースがあるじゃないの!

今後の予備も考えてeTap HRD用のブレーキホースのセットを2つと純正のブレーキパッド2つを注文します。日本への送付は送料がかかるサイトなので、トータルで14000円ほどと結構なお値段です。業者自体はドイツ人らしく、送付も早くて好印象でした。

SRAM eTap HRDのブレーキホースの組み替えをする場合は専用品があるのでそれを調達すること!。上記のロード用油圧ブレーキホースを間違って買わないように!ということで、クドクドと長文を書きました。

完全に素人の推測による記事なので間違いもあるかもしれませんが、十分に裏付け出来るほどネットに情報がないのがSRAMのロード用の油圧ブレーキについての現状です。正直、DIYをするのであればやっぱりシマノの方が情報は沢山あって、部品の入手で悩む事はありません。

ちなみにシマノのロード用ブレーキのとりつけは、サイメンDVDのロードバイク完全組み立て2.0で詳しく解説があるので、そちらを購入して動画を見るのが一番でしょう。

3週間後、ブレーキホースが届きました

フレームが届いてから部品の互換性をチェックしたのはミスでした。eTap HRDとホースは手元にあったわけですから、先に検証しておけば…と反省です。ドイツからeTap HRD用の油圧ブレーキホースが届くまで3週間かかり、受け取れたのはGW直前になってしまいました。

ということで、フレームが届いてから1ヶ月後のGW最終日に組み立てとなったわけです。

これがSRAMの公式サイトには掲載されていないですが、アクセサリパーツとして存在するeTap HRD用のブレーキホースです。送料とかを考えると4500円ぐらいのお値段だったので、高いですがめったに交換するものではないので…。

この事を考えると、もしあまり使い込んでないホースを取りつけたコンポを取りはずす場合、ホースを途中でカットするのではなく、ねじ込んだオリーブ側を取りはずして出来るだけホースを長く確保した方がいいですね。

ホースをできるだけ長く確保して分解すると、同じサイズのフレームとか小さいサイズのフレームならばブレーキホースのキットを新しく買わなくても済む可能性があります。

もっともオリーブは再利用出来ないのですが、後述するブリーディング用のキットに予備が付いてきますし、オリーブだけならば国内でも比較的入手しやすいです。SRAMのコネクトインサートは圧入式のシマノと違ってねじ込み式なので、再利用しやすいです。

届いたeTap用のブレーキホースキットを開けてみましょう。

eTap HRD用のブレーキ側に取りつけられる形状のバンジョーがついた2mのホースとOリング、オリーブ、コネクトインサート、レバー側の取りつけ金口にねじ込むためのボルトなどの一式が付属します。ご覧の通りバンジョーの形が間違って買ったブレーキホースとは全然違います。

全ての部品がeTap HRDの組み立て時に見たことがある部品です。間違って買ったほうのブレーキホースキットは「この部品、何に使うんだろう」というのがチラホラありました。

オリーブをねじ込む側の作業についてちゃんと分かり易い説明書が付属しています。コネクトインサートをねじ込むためのトルクスレンチも付属しています。最初からこっちを入手出来ていれば悩む事はなかったなぁ。

右下のネジが切ってあるのが、バンジョーとブレーキを接続するための部品でして、こればブレーキ側の部品です。油圧ラインの気密を維持するために3つのOリングが填まっています。

左上の3つのOリングが、このホースキットに付属する交換用のパッキンです。今回は特に劣化も見られなかったので、パッキンはそのままにしてOリングは保管しておきましょう。

ちなみにSRAMのブレーキはブレーキフールドにシマノのような鉱物油ではなく、DOTブレーキフールドを使います。鉱物油を使うとパッキンなどのゴム類がやられてしまうようなので、絶対にDOTブレーキフールドを使いましょう。

フレーム内にブレーキホースを通してブレーキを取りつける

eTap HRDに限らずロード用の油圧ディスクブレーキの場合、ブレーキそのものに前後はありません。油圧ブレーキホースをフレーム内に通してブレーキ本体にホースを接続し、ブレーキそのものをフレームに取りつけます。

リアブレーキにバンジョー経由でホースを接続しました。eTap HRDの場合、ここでオイルラインとブレーキ本体を直角に取りつけています。SRAMの公式動画を見ると、ワイヤー変速のRedの場合、ブレーキ本体にストレートにホースを接続するようになってました。

油圧ブレーキの世界ではMTBを中心にSRAMはポピュラーですが、ロード用だとまだまだ情報が少ないなぁと思いますので、写真多めに載せておきます。SRAM公式の作業手順動画にeTap専用の動画がもっと増えてくれるといいんですけどね。

ちなみに私は後輪に140mmのローター、前輪に160mmのローターを取りつけています。以前は前後とも160mmのローターを取りつけていたのですが、後輪のブレーキにそんなに性能は必要はなく、後輪に大きなローターを付けていると格好悪いので、後ろだけ140mmに変更しました。

リアブレーキは付属のアダプタを挟んでブレーキ位置を高くすると160mm、アダプタを挟まずにフレームに直接取りつけると140mmのローター位置に対応となります。上はアダプタ無しで取りつけたところ。

Cerveloの最近のフレームは、ブレーキホースやアウターはフレームの中を通すようになっています。通すのはそんなに面倒ではないです。5分ほど試行錯誤してたらケーブルがするっと通りました。

eTapの場合、このブレーキの取りつけネジがトルクスになっています。正直、ちょっと舐めやすい材質のネジなので、取り付け時にあまりねじ込みすぎてネジ穴をバカにしないように注意です。

フロントのブレーキを取りつけます。ロード用のフラットマウントの場合、フロントはアダプタにブレーキを取りつけて、アダプタをフレームに固定します。このアダプタの上下の向きを変えることで140mmと160mmのローターを切り替えられます。

これはeTap HRD用のブレーキだけなく、シマノのブレーキでも同様です。もし2台のディスクブレーキ用の自転車でホイールを使い回す場合、ローター径の組み合わせは統一しておかなければなりません。

フレームにブレーキを取りつけるネジは、リアブレーキの取りつけでも記載したようにeTap HRDに付属するネジはトルクスです。ちなみにフレームによってはブレーキ取りつけ用のネジが付属するようですが、このフレームには付属しません。

ブレーキはしっかり固定されていないと危ないので、ネジの緩み防止にネジロック剤を塗布したほうがよいです。ですが、前述した通り付属のトルクスのネジは舐めやすいです。実はCervelo C5に組み付けるときに、実際にネジを舐めちゃって大変でした。

なので自分はシマノのディスクブレーキ取りつけ用のネジを取り寄せて、それに交換してあります。シマノのネジは普通にアーレンキーで回せるし、ネジ自体の材質も舐めにくいと思います。

このネジですが、シマノの部品表からY品番を特定してサイクルベースあさひとかワールドサイクルのサイトで検索するも見つからず、モノタロウのサイトで見つけて注文しました。シマノのスモールパーツの取り寄せは、Y品番で殆どの部品が見つかるモノタロウが今のところ一番便利なサイトだと思っています。

モノタロウでは注文が入ってからシマノに取り寄せるようなので2週間ほど掛かります。懇意のショップがある場合には、そちらにお願いして取り寄せるのもアリでしょう。

ブレーキホースをブレーキレバーに取りつける

この作業手順はYouTubeのSRAMの公式動画で説明されていますが、あまりWebで写真とセットで説明されている記事を見たことがないので、ここに記載しておきます。

上の動画にありますが、eTap HRDは出荷時にはレバーとブレーキがホースで繋がった状態になっています。なので取り付け時には一度取りはずして、フレーム内にケーブルを通して、自分のフレームサイズに合わせてホースをカットする必要があります。

この動画は普通の新品のeTap HRDを取りつける時には必見です。揃えておかなければならない道具などについて全て説明があります。

まず最初にハンドルにブレーキレバーを取りつけて、ホースの長さを決めます。輪行などでハンドルを目一杯切るときに無理がないようします。

前輪のブレーキのホースはフォークが一緒に動くため、ハンドルを切っても必要な長さが変化しませんが、後輪のブレーキホースはハンドルを目一杯に切ったときに合わせて長めにしておきます。

このフレームのようなダウンチューブ内をブレーキホースを通すようになっているのでれば、長さには十分に余裕を取って、普通に乗車しているときはフレーム内に余分なホースを収納しておけばハンドル回りの見た目がスッキリします。

レバー側の取り付け金具。eTap HRDはこの金具にストレートでホースを繋ぐようになっています。何度もいいますが、ワイヤー変速のRedのレバーはここの構造が全然違っていて、レバー側にバンジョーを接続するようになってます。

今回は譲ってくれた方が根元でホースをカットしていたので、ホース取りつけ用のボルトが付いた状態になっています。このネジを緩めて中に残っているホースとオリーブを取り出します。

このように根元でカットしていれば、譲って頂いた方が取りつけていたよりも小さいサイズのフレームであればホースは再利用できる可能性が高いです。ちなみに取りはずしてもホース内に残ったDOTフールドを全部排出するのは無理なので、爪楊枝などを刺して栓をしておいて、もし漏れてきても他にDOTフールドが付着しないようにボロ布等で包んでおくのがよいでしょう。

これもクドクドと書いてますが、SRAMは天然オイルではなくDOTブレーキフールドを使うので、これが漏れて塗装等に付着すると塗装を侵してしまうので注意です。もし漏れてフレーム等に付着したら、ディグリーザーですぐに拭き取りをします。また作業時は目に入らないようにゴーグルや眼鏡等で目を保護しましょう。

ボルトを緩めて外すとDOTブレーキフールドが漏れてくる場合がありますので、すぐに拭き取れるようにディグリーザー&ボロ布は準備して作業するようにしましょう。

ハンドルを左右に切って余裕を持った長さでホースをカットします。自分はオーソドックスに左側のレバーをリアブレーキにしています。

リアブレーキのブレーキホースは今回買った新品のブレーキホースを使います。フロントブレーキのホースはこれまでリアに取りつけていたホースをカットして再利用します。

ブレーキホースのカットは専用の工具を使うと綺麗に水平にカット出来ます。私はJagwireのホースカッターを使っています。

次にカットしたホースの先端にコネクトインサートとオリーブを取りつけます。ここでDOTフールド対応の専用グリースを使います。

これもUSのAmazonの業者から後述するブリーディングキットと一緒に調達しました。お値段は1000円しなかったかな? 他に使い道のないグリースなので、これで一生分持ちそうですw

ちなみに上の写真ですが、下においてあるオリーブ接続済みのホースの一部が以前取りつけていたものです。今回購入したホースキットに必要なものは全て付属してますね。

マニュアルおよび動画の手順に従って、ホースにコネクトインサートを付属のトルクスレンチでねじ込みます。ここでねじ込みすぎてホースを破損しないように注意です。

シマノの油圧ブレーキの場合、コネクトインサートは専用工具で圧入ですが、SRAMはねじ込み式で作業性は良好です。

ねじ込んだらここにオリーブを取りつけますが、オリーブは逆ネジなので反時計回りに回す事で先端にねじ込めます。ブレーキレバーにホースを固定するためのボルトも予め通しておきましょう。

DOT対応のグリースをオリーブ全体に塗布します。たっぷりと塗っておいて、レバー側のコネクタに挿入します。挿入したら、レバー側の金具にオープンスパナを当てて固定し、もう一本のスパナでボルトを回してねじ込んでいきます。

このボルトはトルク指定がありますが、確か8Nとちょっと強めの力でねじ込んでいく必要があります。ここでは2本のオープンスパナが必要になりますが、あまり自転車整備では使わない工具なので持っていない人がいると思います。自分は100円ショップで調達した安物のオープンスパナで作業しているので、トルクはテキトーです。

必要なサイズなどはSRAMの公式動画やマニュアルに説明がありますので、そちらをご覧ください。

適当に締め付けてレバーとブレーキホースを固定します。シマノのオリーブはもっと柔らかい金属素材でねじ込むと明らかに変形しますが、SRAMのオリーブは殆ど変形しません。

ここはしっかりとねじ込んでホースからDOTブレーキフルードが漏れない様にしましょう。前後のブレーキのホースを左右のブレーキレバーにねじ込んだら、オイルラインの接続は完了です。

油圧ディスクブレーキのブリーディング

割と面倒くさい作業として認識されている油圧ディスクブレーキのエア抜き作業、通称ブリーディングについての説明です。

これもYouTubeの前述のSRAMの公式動画に手順がアップされているのですが、これもあまり写真での解説記事がないので書いておきましょう。

まずブリーディング用のキットを調達しておく必要があります。参考までに日本のAmazonにおいてある商品のリンクを張っておきますが、日本だと1万円以上するこのキット、USのAmazonだと5000~6000円ぐらいで入手できます。

このキットにはDOTフールド、交換用コネクトインサート、オリーブなども付属していますが、付属しないキットもあるみたいなので注意です。組み立てる前にUSのAmazonから前述のDOT対応グリースなどと一緒に調達しておくことをオススメします。

まずブリーディングを始める前に、ブレーキからブレーキパッドを外しておきます。ブレーキパッドを外して状態のブレーキにブリーディング用のブロックを差し込みます。これはSRAMやAvidのブリーディング用のキットに含まれています。

このブリーディングのブロックですが、何種類かの形もののがキットに含まれています。前述のYouTube動画のeTap HRD用のブリーディング手順を見て、どのブロックを差し込むかを確認してください。

ブリーディングブロックを挿入したら、ブロックの位置がズレないようにブレーキパッドの脱落防止用のネジを取りつけておきます。ただ、ブリーディングブロックはかなりしっかり挿入されるので、この作業時にネジは取りつけなくても大丈夫かも?と個人的には思ったり。

SRAMのブリーティング用のキットに入っているシリンジ(注射器)とホースを接続します。

右の銀色の金具がついているホースがレバー側のブリーディングポートと接続するもので、左側の赤い金具がついているホースが、ブレーキ側のブリーディングポートと接続する物です。

ホースをシリンジにねじ込んで、DOTブレーキフールドでシリンジを満たします。この時点でシリンジの中の空気を抜いておきましょう。

シリンジのホースを上に向けて、気泡がホースの先端に上がったらシリンジを押して、エアと共に溢れてくるDOTフールドをボロ布で拭き取ります。

準備が出来たらホースの途中にあるロック(赤いプラスティックのパーツ)を填めて、不用意にシリンジ内のDOTフールドが出ないようにしておきます。

レバー側のブリーディングポートのネジはトルクスなので、トルクスレンチで緩めます。このネジを緩めるとDOTフールドが溢れてくる場合があるので、すかさず拭き取ります。

キットに付属するトルクスレンチは作業性が悪いですし、eTap HRDはトルクスのネジが沢山使われているので、作業に必要なトルクスレンチを一式揃えておいた方が良いです。

また作業全体を通じて言える事ですが、ブリーディングポートのフタのネジみたいな特別な部品は絶対に無くさないように作業しましょう。SRAMのスモールパーツは、シマノみたいに簡単に調達できないからです。

このポートにシリンジに取りつけたレバー用の端子が付いたホースをねじ込みます。これでレバー側の準備は完了です。

なおポートの下の穴はアーレンキーを突っ込んで右に回してネジ込む事で回すことで、レバーの引きとパッドの当たりの動作位置を調整するできます。自分はブリーディング時は目一杯左に回して、動作位置をもっとも広げた状態にしてます。

ブレーキ側のブリーディングポートにもシリンジを取りつけます。ゴムのシールを取りはずして、ブリーディング用のポートを露出させます。

この状態ではポート自体は閉じているので、このままではシリンジを取りつけてもオイルラインは閉じています。ポートにアーレンキーを突っ込んで、反時計回りにほんの少しだけ回してポートを緩めます。固く閉まっているポートを緩める分だけ回せば十分です。ここで大きく開けてしまうとDOTフールドが溢れてくる場合があります。

ブレーキもレバーも前後で構造に違いはないので、上の例はリアブレーキですが、フロントでも要領は一緒です。

ブリーディングポートにブレーキ用のポート接続金具が付いたホースの金具を突っ込みます。

レバー側はネジ回しでしたが、ここは押し込むと「カチン」と音がします。音がするまで押し込んだら赤い金具を反時計回りに1回転させて、ポートを開放します。動画で説明されていますが、1回転で十分です。あまり回転させすぎるとブリーディング時にDOTフールドが漏れてきます。

この手順は忘れやすいです。ポートを開放してないとシリンジからオイルを押し込めません。

ここからの手順はSRAMの公式動画を見て貰った方が分かり易いでしょう。レバー側、ブレーキ側のシリンジを交互に押してDOTフールドを行き渡らせ、ブレーキレバーをクイクイと引いたりしながらエアを抜いていきます。

慣れると5分ぐらいの作業でエアが抜けますが、じっくりと時間を掛けた方が確実です。動画にもある通り先にブレーキ側のシリンジを取りはずしますが、外す前に反時計回りに1回転させて緩めたブリーディングポートからDOTフールドが漏れないように、時計回りに金具を回してポートを閉じてからシリンジのホースを引っこ抜きます。

ブレーキのブリーディングポートからホースを抜いたらアーレンキーで本締めしてポートを閉じることも忘れないようにしましょう。そして抜いたらディグリーザーでDOTフールドを拭き取っておきましょう。

ブレーキ側のシリンジを取りはずして、レバー側のシリンジを操作してエア抜きが完了したらねじ込んだホースを抜いてブリーディングポートを閉じるネジを取りつけて、こちらも作業完了です。

ホースを抜いてネジを閉めるまで、DOTフールドが漏れますのですぐに拭き取りをしましょう。この辺の作業は慣れです。公式動画を見て手順を理解して、何度か繰り返して作業すれば素人でもブリーディングは可能です。

くれぐれもDOTフールドの漏れには注意です。フレームについて放置しておくと塗装がダメになります。手順や作業工程を間違えると、シリンジに力を加えたときにブレーキ側のポートからシリンジが外れて、DOTフールドが飛び散って大慌てというのが一度ありました。

なお普通に作業していればDOTフールドはそんなに量は使いませんので、キットについている小瓶でしばらく持つでしょう。

ブレーキパッドの取りつけ

ブリーディングが終わったら、ブレーキのシリンダーを一番広がった状態で保持してくれていたブリーディングブロックを外して、ブレーキパッドを取りつけてブレーキ回りの作業は完了です。

純正のブレーキパッドと、脱落防止用のネジ、更にネジが抜けないようにするためのストッパー?がセットになっています。

ブレーキパッド自体は板バネの部品に填めておきます。この板バネ、ローター挿入時に引っかけて曲がってしまう場合があります。その場合には取り出してペンチで曲げを修正しないと、ローターに当たってシャリシャリと音を立てたり不快です。

ちなみにAmazon等で互換品のブレーキパッドが1000円ほどで入手出来ますが、純正品の交換用ブレーキパッドのセットとは異なり、クリップやネジは付属しません。

板バネに取りつけたブレーキパッドを挿入します。外見からブレーキパッドの減りが確認しにくいですが、交換は屋外でも容易いのでロングライド時には予備のブレーキパッドを持っていった方がいいでしょう。

挿入したら脱落防止のネジを閉めます。ここは普通のアーレンキーで回せます。

写真では分かりにくいですが、最後にネジの脇にクリップを填めて作業完了です。これでブレーキ関係の作業は終了。

あとはローターを取りつけたホイールを実際に取りつけて、ローターがブレーキパッドに当たらない位置にブレーキの取り付け位置を微調整します。

eTap HRDのブレーキですが、このパッドとローターのクリアランスがシビアな気がします。走っているウチに馴染みも出るでしょう。

BBRightのシェルの圧入

フレームから購入した場合、素人がなかなか手を出しにくい圧入BBの取り付けです。

これもちゃんとした工具があれば難しい作業ではありません。取り外しに比べたら圧入はホント簡単です。圧入のみの工具はそんなに高いものではありません(3000円ほど)。ホームセンターのボルトとネジで圧入している事例をネットでは見かけますが、ちゃんとまっすぐに圧入するためにここは工具を使うべきです。

圧入BBが異音がするというトラブルをよく耳にしますが、ちゃんと工具を使って取りつけている私の場合、BBから異音がするという体験は一度もありません。

フレーム側のBB回りを綺麗に洗浄しておきましょう。

Cerveloはいつも通りBBrightという独自企画のBBなのですが、扱いは普通の圧入BBと違いません。

圧入するBBはROTERのセラミックベアリングのモデルです。自分は軸30mmのROTORのクランクを使いますが、24mm軸のシマノクランクを使う場合には、それに対応するBBシェルを調達しておきましょう。

圧入工具は持っていたのですが、以前のフレームからBBを取りはずすために工具を新規に調達しました。

なんか日本で入手出来る安価なBB取り外し工具って、BBに反対側からハンマーでぶっ叩いて外すみたいな非常に作業していて怖い工具ばっかりです。経験者に聞くと大変怖い作業だと伺っておりますが、ちゃんとネジを回す力でジワジワとBBシェルやカートリッジベアリングを外す工具が存在します。

普通に日本のショップで購入すると、この工具一式が2万円以上します。これは手が出ないのでAliExpressで探したら、6000円ぐらいで上記の工具のセットが入手出来ました。現在はAmazonでも買えるみたいですね。

これで軸24mmと30mmのBBの圧入、カートリッジベアリングの取り外し、BBシェル自体の取り外しに対応しています。この工具を使えば、BBシェルをぶっ叩いて外すという怖い作業をせずにBBシェルをフレームから抜く事が出来ます。

実際に2014 R3のフレームからBBシェルを上記の工具で外してみたのですが、ボルトをアーレンキーでジワジワと回す事で非常に簡単に外す事が出来ました。

いやー、やっぱり正しい道具を揃えることは重要ですよ。

取り外しに比べると簡単な圧入ですが、工具を正しくセットしたらアーレンキーでボルトを閉めてジワジワとフレーム内にBBシェルを圧入していきます。

途中で曲がって挿入されないようにチェックしながらゆっくり作業しましょう。なお嵌合がきつめだったので、自分はネジロック剤などは塗布せずに圧入しました。ゆっくりジワジワと作業することが重要です。焦らずにまっすぐ圧入されていくことを確認しながらアーレンキーを回していきます。

圧入完了。普段は見えなくなるものですが、ロゴとかの取りつけ方向にはこだわりたいですね。

フォークのカラムカットなどは、これまでのCerveloのフレームの組み立て記事で紹介した内容と変わりませんので割愛します。

エポキシ接着剤でスターファングルナット入りのアルミ円柱を接着するという手順は相変わらずです。正直、この作業も面倒なんですよね。

BBの圧入、フォークのカラムカット、この2つがフレームから組み立てる場合の面倒くさい作業の筆頭だったんですが、油圧ブレーキの場合にはこれにブレーキホースの取りつけとブリーディングが加わった感じです。

変速系は割愛。RATスルーアクスルについて

変速系の組み付けはワイヤーブレーキのeTapと全く同じなので割愛します。eTapの変速の組み付けはワイヤーがないので超簡単ですし。

2018年のCerveloのフレームから導入されたRATというスルーアクスルについて紹介しましょう。

普通、スルーアクスルはネジが切ってあってねじ込むことで固定するのですが、FOCUSが提唱したRATという規格のスルーアクスルはネジではなく、金具を回して引っかける事でシャフトが抜けないようにしてあります。

これだと捻っただけでスルーアクスルがスポっと抜けるので、クイックのように簡単のシャフトの取り外しが出来ます。とはいえ、今のところ、FOCUSのバイクとCerveloの2018年モデルのバイクでしか採用されていません。

今後のロード用のスルーアクスルの規格として普及するかは未知数ですが、正直ねじ込みでもそんなに不便はないので規格が乱立するのは避けて欲しいと個人的には思います。昨年の秋に購入したC5はオーソドックスなねじ込みなので、同じメーカーの最近のバイクなのにスルーアクスルのシャフトが使い回せないのは正直不便です。

という訳で、個人的にはこのRAT規格はあまり歓迎してません。この後、使い込んでいくと便利だと感じるケースが出てくるのでしょうか?

ホイールはFulcrum Raicing4 DB

ディスクブレーキ用のホイールとして、我が家にはキシリウムProとC5にくっついてきたHEDのホイールがあるのですが、後者は太いタイヤが履ける反面、かなり重量があるのでダート走行があるときに使います。

キシリウムProは万能的に使えるのですが、ディスクロードが2台になったこともあり、気分的にもう一組ホイールを調達したくなりました。という訳でMERLINでFulcrum Racing4が4万円ぐらいだったので調達。国内で買っても+1万円ぐらいなのですが、国内ではどのショップも在庫がないという状態でした。

リムハイトの低いRacing5の方が少し軽くてオールマイティに使えるのでしょうが、そういう用途にはキシリウムProを使えば良いので、キャラが被らないようにリムハイトの高いRacing4 DBにしました。

以前、4は縁起が悪いので日本のモデルはクワトロという名前だったという噂を聞きましたが、今年のモデルからグラフィックが一新されてモデル名も4になりました。なかなか見た目もよいですし、ディスクブレーキだとリムにブレーキ面がないので、タイヤとリムが一体に見えてハイトがより高く見えて格好いいです。

1日掛けて2018 Cervelo R3 Diskが完成

2014のR3に取りつけていたクランクとサドルを移植して、バーテープを巻いて作業完了です。

ちょっとバーテープの色味がマッチしなかったかな…次は違う色にしよう。

フレームサイズは56です。このくらいが一番バランスがよくて一番自転車が格好良く見えるサイズだと個人的には思っています。

フレーム付属するシートポストですが、今はCervelo自社製の素っ気も無いカーボンポストです。以前のように3TとかFSKのカーボンポストが付属してたほうが格好良かったなぁ。

eTapの変速とは相性が悪いですが、楕円リングをそのまま使います。パワーメーターも以前から使っていたものをそのまま移植します。

楕円リングはチェーン落ちしやすいのでチェーンキャッチャーは必須装備です。最近、Cerveloのフレームにはチェーンキャッチャーが標準装備されるようになりました。

またチェーンライン側のチェーンステーに取りつけられるプラスティックのプロテクタが付属します。これを両面テープで貼り付けますが、変速系の組み付けをする前のフレームだけの状態の時に貼っておいた方が作業性は良好です。

変速用のケーブルがないので、ヘッド回りのサッパリした感じはeTapならでは。

という訳で、先週末に少しだけ乗車して細かいセッティングを煮詰めました。これで3台目となるR3ですが、どんどんダウンチューブなどの各チューブが太くなってきていて、シュッとしたR3の佇まいは失われて、どんどんマッシヴなフレームになってきてますね。

正直、昨年買ったグラベルロードのC5よりもボリューム感があります。2018年モデルはこの辺が昨年に比べて大きく変わった印象です。

おかげでディスクブレーキでガツっとブレーキをかけても剛性感の高まりのおかげで、印象は良好です。リムブレーキのモデルでも同じフレーム構造のようですから、あちらはどういう印象なのか気になりますね。