Escape R3のライトをハブダイナモ化は快適度大幅アップ。

※2015/11/15追記  2015年 現在のEscape R3はこちら


2014年の夏に普通のママチャリが欲しくなりました。日常的にはEscape R3を改造したものを使っていたのですが、日常使いで地味に不満があったのです。

その中でも大きな不満が乾電池式のライトです。日常使いだと取り外しや停車のたびに小さなボタンでON/OFFも面倒なのです。その辺にかなり嫌気がさしてました。

買い物とかでストレス無く使うための私の勿論は以下の通り。

  1. こまめな停車でON/OFFする必要がない明るいフロント&リアライト
  2. ガッチリと停車出来るスタンドと沢山の荷物が運べるカゴ
  3. 安定して停車出来るハンドルロック
  4. 簡単に取りはずし出来るものは使わない

この条件を満たしたくて、国産のマトモなママチャリを買おうかなと思ったのですが、あまり興味があるモデルがなく見送っちゃいました。マルイシのシャフトドライブ自転車欲しかったなぁ。

さて、少しでも解決しようと思い、夏にEscape R3にブロックダイナモを付けました。馬蹄状のステンレスのブロックダイナモを取り付ける為の部品を購入して、Vブレーキ台座に取り付けます。

この部品にブロックダイナモとLEDライトが一体化したマルゼンのマグボーイを取り付けます。どちらもAmazonで購入しましたが、取り付け部品とマグボーイを合わせて3500円ぐらい。カゴ用のステーとブロックダイナモが干渉するので、取り付けはかなり困難でしたが部品を曲げたりして対応しました。

リアもメンテナンスフリーになるようにママチャリ等で使われているキャットアイのソーラー充電器付きのリアテールライトも取り付けてしばらく使ってました。電池の交換や乗車前のスイッチON/OFFの儀式がなく、盗難の心配も低いことがこんなにストレスフリーになるとは!と少し見直しました。

しかし、このマグボーイ、ワイヤー引きでON/OFFの操作をハンドルから出来る手元スイッチが付いてくるのですが、そこの金具が緩くて勝手にON状態になるようになってしまいました。ちょっと走っているとダイナモがパタンと倒れてライトがONになっちゃうのです。

これがどうにも直らないので、この際、以前から気になっていたハブダイナモ化することにしました。ホイールはDT SWISSのR450のリムが余っていたので、それで組みます。

ハブダイナモ及びライトは以下のものをドイツのBIKE-DISCOUNTでオーダー。届いたのが上の写真の品物です。

  • シマノ DH-3N80 6V-3W
  • BUSCH+MULLER Lumotec IQ Cyo Premium T senso plus
  • BUSCH+MULLER Secula Plus ダイナモリアライト
  • BUSCH+MULLER ヘッドライドブラケット

BIKE-DISCOUNTは同じドイツのBIKE24と並んでハブダイナモ系のパーツが充実している。どちらのお店も送料がかかるのでまとめてオーダーするのがよいですね。

今回はシマノのDH-3N80を買ったが、2014年12月の為替レート(1ユーロ=145円)だと、お値段的には国内で買うよりちょっとだけ安い。B&Mのライト類は勿論国内よりやすいのでまとめて買った。この記事を書くのに為替レートを調べたら、2015年1月25日現在で1ユーロ=131円まで暴落してるじゃん(泣)

DH-3N80ですが、6V-3Wと発電量が多いヤツを選んだ。ちなみに2.4Wモデルはフロントライトのみ、フロント&リアライトを使うなら3Wは必要。ブルベで使っているシュミット SON Deluxeは700Cで使うと、2.4Wほどの発電量と推測される。これにリアライトも付けてるからUSB給電する余裕はなく自分の場合は実用になっていない。

ブルベの場合はある程度の速度で走る前提なのでSON Deluxeにフロント&リアライトを使っているが、USB給電も期待しているならばSON Deluxeよりも発電量のあるハブがいいと思う。しかしシュミットのハブは為替の影響もあり、海外から買っても3万円を超える。DH-3N80なら1万円を切る値段なので1/3のコストで済む。

ちなみにドイツから買うと電圧が高くなりすぎるのを防ぐ為の保護回路部品であるレギュレーターパーツが付属してきた。こいつは最近のLEDライトでは出番はないが日本で調達すると別売りらしいので、普通の電球ライトで使う場合には注意である。

小型で高性能なハブダイナモの選択として、高級品としてのシュミットのSONシリーズ、廉価なモノとしてのシマノ、そしてその間を埋める価格帯に新興の台湾のSPのハブダイナモがある。

SPのハブダイナモ、2014年の伊勢1000を完走したDavidさんが詳細なレポートを書いている。そういえばゴール受付でも「SPにお願いすればモニター利用出来るよ」とDavidさんが言ってたなぁ。新型の9シリーズのレポートももうUpされていた。9シリーズは発電量的には700Cで使うとSON Deluxeぐらいの発電量しか出ないが、圧倒的に軽量コンパクトである。

今回はシマノハブを試してみたが、今度はSP社のハブダイナモも試してみたい。ちなみにシマノとSP社のハブダイナモのコネクタは同じE2端子である。DH-3N80はママチャリ代わりのクロスバイクに使うにはオーバースペックだとは思うが、ロードテストという意味でチョイスした。

ライトはB&Mの上から二番目のLUMOTEC IQ Cyo Premium T senso plus。日本語で書くとルモテック IQ サイヨ プレミアム T センソ プラスとちょっと格好悪い。現在、ブルベで使っている最上位モデルに比べるとコンパクト。手元スイッチはないのでオートライトで使うのが基本となる。ちゃんとリアライトと接続するための端子もある。いや、正確にいえば端子ではなくリアライト接続用の短いケーブルと端子が本体から伸びている。

リアライトはこれまでも使っているSecula Plus。シートステーに固定出来るリアライトがB&Mではこいつしかないので仕方が無い。後述するが、1年前に買ったモデルと微妙に変わっていた。

最後がヘッドライドブラケットであるが、ライトの標準の取り付けパーツだとキャリパーブレーキ取り付け部にしか取り付け出来ないので、カゴがあると干渉する。なのでフォークステーで使うために必要だ。国内で入手は困難なので必ず一緒に買う。

さて、組み立てましょう。今回はクロスバイク用なのでスポークは安いホシのヤツで良いかな~と。DT SWISSのスポークと比べるとコストは半分である。今回もスポークはPAX CYCLEさんにお願いした。相変わらず発送作業が早いのがありがたい。

なお、ニップルレンチがホシにニップルとDT SWISSとは違うので調達してきた。黒いニップルレンチがDT SWISS用、赤いのがホシのニップルに使えるパークツールのニップルレンチである。仮組も含めてドリルがあると作業が捗る。

フロントは左右均等に組めばよいので作業が楽ちんである。写真は仮組が終わったところである。この後、ぐーっとスポークテンションを上げて馴染ませて、リムテープを貼って完了である。

この辺は何時もの手順なので説明は割愛します。

シマノハブの端子であるE2端子ですが、実物をまじまじと見るのは初めてでネットで調べにくかったのでケーブル取り付けの拡大写真を載せておく。ハブダイナモのマニュアルにしっかりと書いてあるので、わかりにくいということはないです。

最初はカバーが取り付けてあるので、それを外してマニュアルに従ってケーブルの皮膜を剥いて端子に指します。ちなみにこの手のケーブルはハブではなくライト側の方に付属するのが一般的です。

皮膜部を折り返して溝に沿わせるようにします。半田付けなどは不要なので楽ちん。溝からはみ出ないように、先端は切りそろえておきましょう。

カバー部品をパチンとはめ込んで端子加工が終了。この辺の簡単かつ確実な取り付け方法は流石シマノと感心してしまいます。この状態でハブダイナモ側のソケットに差し込みます。

ただし、ハブダイナモ側との付け外しは結構しっかりしている。輪行時に付け外しがあるので、個人的にはシュミットのハブの端子の方が好みかな。ただし、端子自体の入手性は地方などではシマノの方が確実。

前述したSecula Plus ダイナモリアライトの取り付けですが、以前購入したモノは金属の端子が剥き出しだったのですが、今回はケーブルを写真のプラスティックパーツで押し込むようになりました。

このパーツの後ろからケーブルの皮膜を剥いて挿入し、リアの端子にグイっと押し込むのですが、かなりしっかりしていて堅い。リアライトの端子は取りはずすようなものではないので、しっかり取り付け出来る方がよいです。

金属端子が剥き出しても雨のブルベなどで支障はありませんでしたが、なんとなく現在の取り付け方法の方がちょっとばかり安心ですが、この部品がなくなると色々と困りそうではある。

フロントフォークに取り付けたライトマウントにヘッドライドブラケットを取り付けて、そこにライトを取り付けます。80ルクスの明るさなのでブルベにも使える…うーん、夜通し走るにはもう一声明るさが欲しい(贅沢すぎ?)

配線が賑やかになってますが、動作確認が完了したらやり直します。ケーブルが賑やか過ぎるのでサイコンも有線センサーから無線の安いのに交換しました。

もちろん一発でちゃんと動作しました。ライト後部にロータリースイッチがあり、OFF、オートライト、常時ONを切り替えできます。基本はオートライトで使います。

ただ、オートライトにしても日中にフロント、リアともに光るのでマニュアルをよく見たら「明るいところでは最低の照度になる」というような記述がされている。暗くなってくると照度がUPするようだ。

最初はあれ?っていう感じだったんだけど、ドイツではライトの規定についての法律が五月蠅いので、わざと完全にOFFにはならないようにしているのだと思います。リアが常時点灯するのは悪くないかな。

日常使いでは全く不満なし。ライトのON/OFFとか、付け外しの煩わしさから完全に解放されました。商店街のお買い物とかだと1分乗って停車を繰り返すとか多いんで助かります。

クロスバイクで使う限り回転が重いなぁ~という感じはしないです。ブロックダイナモに比べたら別次元の軽さですし。しかしながら、停止状態から手でタイヤを回してみると、SON Deluxeより回転は重いですね。

しかし、DH-3N80はSON Deluxeよりも発電量も多くて値段も1/3。自分みたいな重たい乗り手だと、慣性の力が働くのであまり差は感じない。これで十分じゃないかな、とも思う。

でも、時間制限があるブルベだとスペック的は微妙な差がメンタル的に気になるのか、ハブダイナモは回転の軽いシュミットのユーザーが多いんだよね。

リアライトも後ろから見て非常に明るいですし、内部に蓄電出来るのでちょっとした停止なら点灯し続けます。リアライト本体にまったくスイッチ類はなく、フロントライトに連動して点灯します。

明るいリアライトは市街地で走るときの視認性Upの大きく貢献します。乾電池のリアライトに比べると、照度も非常に高くてよく目立ちます。ハブダイナモ化するならリアライトもセットでオススメしたい。

それから以前から付けているのですが、GIANTのR3純正オプションの馬蹄鍵。手探りでさっさと施錠できるし、ワイヤーロックと違って切断されることもなく、ママチャリ的に使うには必須の装備です。

さて、これでライト周りがメンテフリーになりました。雨ざらしで屋外保管でも問題は全く発生していません。次はカゴをもっと積載量があるものに交換ですね。