Cervelo S5 Team 2012 組立 その1

Cervelo S5 Team 2012

フレームの仮組をしてみました。

まずは届いたフレームを綺麗にお掃除してから、コーティング剤を塗布して光沢処理をしちゃいます。その後、手持ちの部品で取り付け方を調べつつ仮組していきます。

組み立てるのに全部の部品が揃う前に仮組してみるのは非常に重要です。ちゃんと手持ちのパーツだけで組めるか?を確認しておかないと、組み立てている途中に部品が足りなくて買いに行くハメになったりします。

不足部品が入手が困難で取り寄せが必要だったり、近所で買うと非常に値段が高い場合でも「これさえそろえば完成だ!」と思うと、ついお金で解決しちゃいたくなります。後で冷静になってみると、手持ち品で充分だったという経験をした人も居るのでは?

特にブレーキは色々なフレームに取り付けられるように、調整用のスペーサーやナットが付属しています。新品の取り付け時には付属品も揃っているので問題はないのですが、次回のコンポの移植の時に使わなかった付属品が行方不明ってのもよくありますね。

上記のような理由から、一気に部品を揃えるのではなく徐々に揃えて仮組していった方がトータルではお金や時間の無駄が減らせると思います。完成を急がなければ、足りない部品もゆっくりと探せますしね。

今回の仮組でも、ブレーキ回りで今までのフレームでは必要なかったワッシャーとかスペーサーが必要になって手持ちからやっと見つけて取り付け出来たのであります。

またフレームってのは説明書が付属しませんから、手探りで取り付け方を調べつつ、わからない場合にはネットの先駆者の知恵に頼りましょう。自分がこうやって組み立て方をまとめているのも、そういう先駆者にお世話になった恩返しですな。

結局、今回のフレームで足りない部品はヘッドキャップぐらいで、後は手持ちの部品で全て取り付け出来そうということが分かりました。出来るだけ多くの自転車の構造を見ておくと経験値がUpするので、組み立てのお手伝いをお願いされた時には出来るだけ手伝うようにしているでした。

さて、ここからは各部の仮組の話に移ります。

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今回のフレームが手元に届くまで一番よくわからなかったのが、Cerveloの独自規格であるBBRgiht。シマノのクランクを使うためのアダプタがおまけにつくという噂があったり、取り外しや圧入の専用工具が本当に必要か?など、実際にモノを見てみないと判断出来ない内容が多いです。

という訳で実際に届くまでは工具やアダプタは購入せずに、届いたものを見て何を調達するか検討しましょう。写真では既に外れてますが、届いたフレームにはROTORのクランクを取り付ける事を前提にしたBBが嵌ってました。これはこのままじゃシマノのクランクと直径が合わないので外して交換するしましょう。

取り外しですが、フレームにしっかりと圧入されていますので手で引っ張ったぐらいじゃさすがに外れません。BBRightの口径は30mmですから、BB30用の取り外し工具を用意すればよいと思いますが、単に外すためだけの工具が4000円もします。要するにベアリングを傷つけないように打ち出せる棒状の何かがあればいいんだろ?

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で、探してきたのがチューブレスタイヤにシーラントを入れる時に使っているシリンジ(注射器)ですな。この中のシリンダーの部分って先端がゴムで柔らかいし、直径も割とピッタリなのでは?

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試して見たら計ったようにピッタリ。これをちょっと中心軸からちょっとズラして、ベアリングを傷つけないようにプラハンでシリンジの尻をコンコン叩いたら、あっさりとフレームから外れました。

後はシマノのクランクを取り付けるためのBBをProbikekit.comにオーダーします。WiggleやCRCでも扱いがあればよかったんですが、残念ながらProbikekitと3Dセキュアカードがないと購入出来ないSlaneCycleでしか取り扱いがなかったです。お値段は4000円ほどなのでシマノのデュラのBBよりちょっと高いぐらいです。

取り外したBBはBB30規格のクランクを取り付ける時までは使い道がありませんので、大事に保管しておきましょう。

さて、次は空力に拘るSシリーズのフレームの大きな特徴であるケーブルのフレーム内装化を仮組してみましょう。正直、面倒なんじゃないか?と思って思ってましたが、凄く簡単に通すことが出来ました。

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まずはトップチューブの根本にあるケーブルガイドをチェックします。穴が3つありますが、前側の2つがそれぞれフロントとリアのディレイラーのワイヤーを通す穴です。一番後ろ側は電動コンポ(Di2)のケーブルを通す穴です。

納品時はワイヤーを通す2つの穴がビニールテープでふさいでありましたので、これまでは電動コンポをつけていたのでしょう。私は一番後ろの電動コンポのケーブルを通す穴をテープで塞ぎます。

ワイヤーを通す穴の中にはシリコン製のワイヤーガイドが入っていました。ここにシリコンスプレーを吹いて、ワイヤーを通していきます。ここからディレイラーの方はダウンチューブ内を通ったワイヤーをBBのところで一旦外に出して、またフレーム内に入れます。
このワイヤーを通す作業をするときはクランクを外して、BB内のワイヤーが見える状態でないとうまく通りません。ワイヤーだけ交換する時には要注意です。

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Cerveloのフレームを組むときの注意ですが、R3もS5もフレームにワイヤーテンションを調整するアジャスターがありません。この為、ディレイラーのワイヤーのテンション調整用にアウターケーブル用のアジャスターをかます必要があります。

自分はR3を組む時に入手したものがありますので、これを上の写真の様に組み込みます(ステムの上あたりにある部品がアジャスター)。なお、リアディレイラーはディレイラー本体にアジャスターがありますので、これだけで十分に調整可能です。

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リアディレイラーの所のケーブル受けのグロメットです。このプラスティックのグロメットを外すと、フレームに割と大きな穴がポッカリと見えるようになります。ワイヤーをトス場合、この穴からピンセットで容易にワイヤーを引き出せますので楽にワイヤーを通すことが出来ました。

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リアブレーキ用のアウターケーブル受けも同じような構造で、グロメットが簡単に外せます。電動コンポを付けるときには、ここにシマノから出ている楕円向けのグロメットを付ければ良さそうですね。

ちなみに写真にシートポストの根本にアルミの部品が見えてますが、これはシートクランプでございます。とにかく徹底的に空力に対する配慮がされています。

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取り付けに苦労したリアブレーキ。シートステイの根本の構造が普通のフレームと違っていますので、どうやって取り付けるのか悩みました。

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まず、リアブレーキのマウントの上部にある金具のボルトを外します。この金具は大変固い素材で作られていて、小さい部品ながらガッチリしてます。

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まずは金具にブレーキをガッチリと固定します。ここでブレーキ取付け用のスペーサーとワッシャーが追加で必要となりました。色々と手持ちの部品から合うのを探して、何とか固定したら、この金具ごとブレーキをフレームにボルトで取り付けます。

ブレーキを掛けると、金具がフレームに押しつけられる方向に力が掛かりますので、ボルト一本で固定するだけでもブレーキ剛性は確保されるのかな。

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前輪とダウンチューブの間のクリアランスははこんな感じ。23cより太いタイヤを取り付けるのは難しいと思います。ちなみに、写真のタイヤはHutchson Intensiveのチューブレスでスペック上は25cですが、実際の太さは他の23cのタイヤと同じです。

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リアタイヤ周りですが、整流効果を意識したシートチューブのおかげでタイヤとのクリアランスはギリギリまで狭められていますね。

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今日のパーツプレビューはここまで。最後はシートポストです。

シートレールを左右から挟んで固定するクランプがついてます。問題はシートポストのリア方向の張り出しのおかげで、シートの位置によっては、シートレールにマウントを取り付けて固定するタイプのサドルバックは使えないかもしれません。