Mavic Ksyrium Pro USTとチューブレスタイヤの取りつけについて


昨年の秋にCervelo C5をドイツの業者から買った時に、一緒に購入したのがMavic Ksyrium Pro USTのディスクブレーキ対応のモデルです。このホイール、リムブレーキでもエグザリッドリムの同じものを使っていて印象が良かったんですよね。

この記事では、このホイールそのもののインプレというよりは、Mavicが提唱してきたUSTというチューブレスタイヤについて語ってみようと思います。このタイヤ、とっても良いです!

最新モデルのMavicのホイールはチューブレス対応

もともとMavicのクリンチャー(WO)対応のホイールはスポークのニップル穴がないのでチューブレス化しやすいということで有名でしたが、ついにメーカー側が正式にチューブレスタイヤに対応してくれた訳です。

自分はチューブレスタイヤが好きで、これまでもWOのホイールにNoTubesのチューブレス化キットを使ってチューブレス化したり、チューブレス対応のホイールを使ったりしてきてました。その辺はチューブレスというタグを記事につけておいたので、興味ある方はどうぞ。ただし、現在の考えではWOホイールをチューブレス化するのはオススメしません!

最近、手組ホイールを全然使わなくなりましたが、やはりトータル性能では完組には敵わないなぁと思いまして。またディスクブレーキ用の手組ホイールとなると、リムブレーキとは違ったノウハウが必要になりそうで勉強するのがかったるいです。

ちなみにMavicのホイールはメンテ用の部品の入手性が良く自分でも整備しやすいです。ただし、コスミックカーボンみたいなホイールは素人はメンテしにくいので、一時期使ってましたがすぐに手放しました。

この最新のUSTというモデルにはYksion Pro USTというチューブレスタイヤがセットで出荷されています。Mavicはホイールとタイヤがセットであるという考えの元に、完組ホイールにタイヤが付属するのです。このセットには他にも前後のタイヤ用の一回分のシーラントが付属します。

正直、WOのYksionはグリップや乗り心地には不満は無かったですが、WOタイヤとして私が愛用しているMASSA T2601に比べるとパンクしやすいです。なので新品のうちにヤフオクに出品すると、1本2500~3000円ぐらいになるので売ってました。

このYksion Pro USTというチューブレスタイヤは非常に良い感じでしたし、シーラントでの運用も相まってパンクしにくいので愛用してます。難点は新品だと国内の業者では一本7000~8000円という非常に高価なこと。しかも海外通販で安く販売出来るサイトが今のところ見つかりません。

私がWOのYksionをヤフオク!で手放していたように、このタイヤを使わずに手放す人がおりますので、ヤフオクで入手すると現在の相場は1本5000円ぐらいです。

チューブレスなんで低圧で運用出来ますから乗り心地は良いですし、このタイヤはとても転がり抵抗が低いです。グリップもいいし、こりゃ実にいいタイヤだ!というちょっと感動しております。ちなみに自分は25Cのタイヤを愛用してます。

このYksion Pro USTとMavicのホイールの組み合わせですが、チューブレスでありがちな面倒くささが解決されています。このタイヤを半年使ってみて、やっぱりチューブレスタイヤって良いな!と実感出来ました。今回は取りつけ方法を紹介しつつ、どの辺が楽になっているか?を語ってみましょう。

チューブレスバルブはバルブコアが外れます

チューブレスタイヤ用に付属するチューブレス用のバルブは通常、バルブコアが外れるようになっています。これはシーラントを注入するときにコアが外れないと注入しにくいからですね。

このバルブコアが外れないタイプのバルブだとシーラントを入れるのが非常に面倒です。ビードをあげてタイヤとホイールを密着させてバルブからシーラントを入れると、シーラントをこぼすことなく注入できます。チューブレスバルブを外してみましょう。専用のバルブコア外し工具でしっかり絞めてあるはずです。外したらホイールとバルブの気密を維持するOリングを止めている部品を外します。

ちなみにMavicのUSTホイールにはシーラントだけではなく、このバルブコアを外した状態のバルブにシーラントを注入するためのシリンジ(注射器)とパイプが付属します。

ちょっと脱線しますが、ディスクブレーキ対応のホイールはご覧の通りブレーキ面がリムにありません。タイヤを取りつけるとホイールとタイヤが黒色で一体化して見えるため、格好良く見えますね。

ホイールから付属のバルブを完全に外してみました。シマノのチューブレス対応に付属するバルブと似た形ではありますが、Mavicのオリジナルっぽいですね。気密も維持しやすく扱いやすいチューブレスバルブだと思います。

ちなみに最近、フルクラムのRacing4 DBを買ったのですが、2Way-fitのモデルにもかかわらずチューブレス用のバルブが付属しません。バルブは別売りで一本1200円ほどですので、前後で2本を追加で買わないとチューブレスタイヤが使えません。

Mavic Ksyrium Pro のリムの接合箇所です。溶接後に切削してありますので、一見荒っぽい仕上げに見えますが、リムテープを張らなくてもチューブを入れても大丈夫です。

チューブレス対応のホイールは中央部が凹んでまして、ここにビードを落としてタイヤをはめるように作業します。この凹みを上手く使わないと、チューブレスタイヤにありがちな「タイヤが固くて填まらない」というトラブルを回避出来ます。

チューブレスタイヤを取りつける

半年ほど使って先日のツーリングで初めてこのタイヤでパンクしました。リア側はかなりすり減っていましたので新品に交換し、フロントは取りつけ直してシーラントを再注入してみます。

MavicのUSTホイールのチューブレスタイヤは専用設計ということもあって、これまでのチューブレスタイヤと比較すると非常にタイヤをホイールにハメやすくなっています。コツを掴めば素手で脱着が可能なのは驚きました。

中にチューブを入れる必要がないので、チューブがちゃんとタイヤの中に収まっているか?等の確認が不要であるため、慣れてくるとタイヤ脱着の手間はWOよりもTLの方が楽ちんだったりします。もっとも、この後にTLタイヤの場合にはタイヤがビードに密着するように空気を入れる、というWOタイヤでは気にする必要がない面倒くささがありますが。

タイヤを取りつける前にバルブを再セットしておきましょう。出先でパンクした時などには、このバルブを外さないと行けないのですが、Mavicのバルブは素手で取り外しが十分に可能です。

ここの気密性を上げるために、素手でバルブを取りはずしをするのが難しいぐらいタイトなバルブがあります。出先でパンクしてチューブを入れて対処するときのトラブルの一つが、このバルブが外れない事です。

TLタイヤでビードが上がらなかったりすると、バルブ周辺から空気が漏れているんじゃ?と疑心暗鬼になって、このバルブをキツく取りつけたりしがちです。ですが、実際にはここは素手でバルブの取り外しが出来るように組み付けても十分に気密は維持出来ます。

バルブコアだけは工具でしっかり締め付けておく必要がありますが、バルブそのものの取り付けは素手で脱着出来るぐらいの締め付けにしておきましょう。

次にタイヤを填めるわけですが、チューブレスでは真ん中の凹みにタイヤのビードを落とすように取りつけていくのが基本です。WOホイールにNoTubesのリムテープを張ってチューブレス化すると、この凹みがないのでタイヤを填めるのが非常にキツいです。

まずはタイヤの片側をホイールに填めて、ビードをしっかりこの溝に落とします。タイヤのもう片側をリムに押し込んでタイヤを取りつけるのですが、WOの場合には強引にタイヤレバー等で押し込むことが可能です。ビードの気密性が重要となるチューブレスの場合には、タイヤレバーを使うとタイヤのビードを傷つけてしまって気密が損なわれる場合があるのでタイヤレバーの使用は推奨されません。

IRCからチューブレスタイヤ専用のビードを傷つけないタイヤレバーが発売されてますが、自分は使ったことがありません。正しく取りつければ、タイヤレバーなど無くてもチューブレスタイヤをホイールに填めることが可能です。特にこのMavicのUSTホイールと専用タイヤはこれが楽に出来ます。

チューブレスタイヤを填めるのはバルブ周辺を最後にする

チューブレスタイヤの取りつけ方のノウハウとして、よく語られているのが「バルブ周辺を最後に填める」という事ですが、これはノウハウというよりも「これを守らないとチューブレスタイヤはホイールに填まらない」というぐらいの必須テクニックです。

チューブレスタイヤの片側をホイールに填めて中央の溝にビードに落としておいて、タイヤのもう片側をホイールに填めてたら、もう片側のビードも同じように溝に落としていきます。

新品タイヤはまだタイヤ自体が固いこともあって、両側のビードを溝に落とそうとしても気がついたら溝からビードが外れているということがあります。ここは丁寧にチェックしてビードの両側を溝に落としていきますが、最終的にはWOタイヤと同じようにリム内にタイヤを全て押し込まないと行けません。




WOタイヤはビードに気密性は必要ないので、ビードはそこまで固くありません。なのでリムにタイヤを押し込むのにそんなに苦労は要らないのですが、チューブレスタイヤはビードが固く、ここでハマらないタイヤに絶望感を感じた人も多いのでは無いでしょうか?

特にチューブレスタイヤは後述するビードを上がりやすくするために、ビードに石けん水やビードワックスを塗布しましょうと言われてますが、これは滑りをよくするためです。タイヤをリムに押し込む時に、既にこれらを塗布していると滑ってしまって余計にタイヤが填まりにくくなります。

自分は今は石けん水は使わずに作業していますが、使う場合でも塗布するのはタイヤをリムに完全に填めてからですよ!

さて、バルブ周辺を最後に填めるという必須テクニックですが、バルブ周辺はバルブがありますからタイヤのビードを溝に落とす事が出来ません。当然、溝の部分にタイヤを落とすと、700cのホイールの外周部よりも内側にタイヤを取りつけていることになり、最後にリムを越してタイヤをハメる際のテンションが下がります。

なので、バルブ周辺に先にタイヤの両側を填めてしまうと、タイヤがビードに落ちません。このバルブ周辺部のみ外周部にタイヤを取りつけることになりますから、タイヤの嵌合はキツくなります。こうなると「おおおお、全力をもってしてもタイヤがリムを越えてくれない!」という事態になるわけです。

タイヤですが上の写真のように、ホイールの溝にビードに落とすように片側を取りつけておきます。写真は一度取りつけていたタイヤの再取りつけなので、タイヤ自体がしなやかで新品タイヤのような折り畳んだクセも抜けているので作業しやすいです。

写真で比較してみましょう。バルブ周辺に先にタイヤの両側を填めて、素手で簡単にタイヤを押し込めるとこまで作業してみました。

ちゃんとタイヤをチェックして両側のビードが溝に落ちていることを確認しても、バルブ周辺部は溝にタイヤを落とせません。なので、ここからは力任せでタイヤをリム内に押し込むわけですが、こんなにハマっていない状態から力任せに押し込むのはかなり無理があります。

正しい手順に従い、バルブ周辺部を最後に填めてみましょう。タイヤのビードが全周に渡って溝に落ちていますから、素手で簡単にここまでタイヤを填められます。上の写真との違いは一目瞭然ですね。

残りのタイヤを填めるにしても、このくらいの残りであれば力任せに押し込むという最後の作業も比較的楽に行えます。実際、素手で簡単にタイヤを完全に填めることが出来ました。逆に言うと、タイヤを最後に填める作業をする時のタイヤの残りがこのくらいの状態になっていなければ、ビードの両側を溝に落としきれていないということになります。

新品タイヤの場合には癖があって溝からビードが外れがちになるので、念入りにチェックしてから最後のタイヤを填める作業をしましょう。石けん水とか塗布していると溝からビードが外れがちになるので要注意です。繰り返しになりますが、石けん水を塗布するとしても必ずタイヤを填めてからですよ!

ビードを上げるのが一苦労だったり

チューブレスタイヤですが、前述した必須テクニックを知らずにタイヤを填めるのに一苦労して嫌になったところに、いくら空気を入れてもビードが上がらずにウンザリという経験がないでしょうか? 私にはあります。

特に新品タイヤは馴染みが出てないこともあって、なかなかビードが上がってくれません。チューブレスは一度ビードが上がってシーラントを入れて馴染みが出てくれば、その後は空気が抜けても簡単にビードがあがるようになります。

写真の新品タイヤを取りつけてビードを挙げてみましょう。ちなみに新品タイヤを携帯ポンプ等を使ってビードを上げるのはほぼ不可能ではないか?と個人的には思っています。

ビードを上げやすくするために石けん水を塗るのは、ビードの摩擦を減らす事も目的ですが、空気が抜けている場所が目視で分かりやすくなるという目的もあります。しかし、私は最近は石けん水は使ってませんし、ビードワックスなども使ってません。だって、面倒なんだもん。

MavicのUSTは石けん水を塗らなくてもビードが上がりやすいです。普通のフロアポンプで空気を入れてビードが上がらなかったら、タイヤ全体をモミモミして再チャレンジ。これでもどうしてもビードが上がらない場合、石けん水を塗る事を検討します。

しかし石けん水を塗るよりも確実にビードを上げることが出来る手段があります。コンプレッサーやチューブレス対応のポンプで一気に空気を送り込むことですが、お手軽にやるならばCO2ボンベを使うことです。

最近はCO2ボンベも安くなりましたし、一度ビードが上がって馴染みが出てしまえば、その後は携帯ポンプでも空気が入れられるようになります。新品タイヤを取り付けた時にビードが上がらなかったら、さっさとCO2ボンベを使って空気を入れちゃいましょう。大体はこれで一発でビードがあがります。

チューブレスタイヤ+シーラント運用をしているとパンクしにくくなるので、たまには手持ちのCO2ボンベで空気を入れる練習をしておかないと、出先でパンクした時に困るということもありますので「え~、ビード上げるためにCO2ボンベ使うなんて勿体ない!」と思わずに時間の節約と思って躊躇無く使う様にしてます。

Amazonとかで10本で2000円ちょいで買えますし、随分とお値段も下がりました。たまにはCO2ボンベの使い方を再確認しておかないと、マジで外でパンクした時に使い方を間違ってボンベを無駄にしたりしますから、家で落ち着いて試しておくのは重要です。

という訳で新品タイヤもCO2ボンベで一発でビードがあがりました。CO2ボンベを使うと石けん水やビードワックスを塗布する必要もないです。一度ビードが上がってしまえば、あとはもう普通に運用するだけです。

ちなみにMavicのこのタイヤ、回転方向がありますのでよく確認してから取りつけましょう。この後、シーラントを入れるわけですが、入れてからタイヤを外して取りつけ直すとなるとシーラントが無駄になりますからね。

シーラントは最後に注入

ビードが上がってタイヤの気密性が確認出来たらシーラントを入れます。すぐに入れるよりも1日ぐらいタイヤを放置してホイールリムとビードの嵌合に馴染みが出てから入れた方がいいという意見もありますが、自分はビードが上がったらバルブコアを外してすぐにシーラントを入れちゃってます。

付属のシリンジとバルブコアを外したバルブを接続するチューブをセットしたら、シリンジに50~60ml程のシーラントを入れてシリンダーをセットしてタイヤ内に注入します。

もっともシリンダーをセットしなくても上の状態でシーラントを注げば、タイヤ内にシーラント液は入っていきます。シーラントが入ったらバルブ回りを綺麗に拭き取って、バルブコアを専用工具でしっかりと取りつけます。

バルブコアをしっかりと工具でネジ込んでおかないと、ねじ込み式の携帯ポンプを使った後にポンプを外そうとするときにコアが一緒に外れて苦労して入れた空気が抜けてしまうというトラブルになります。バルブコア回し工具は小さな物なので、ツール缶などに入れておいて携帯することをオススメしますね。

シーラントを入れたら、バルブを上に来るようにして再び空気を入れます。一度、ビードがしっかり上がっていればシーラントが漏れることは殆どありません。気密が緩かった所にシーラントが入り込んで更に気密性がアップします。これで万全ですね。

ちなみにチューブレスレディと言われるホイールはシーラントを入れる事で気密性を維持するというもので、シーラントを入れることが必須です。パンクをした時にピンホールならシーラントが塞いでくれるというパンク予防剤的なシーラントですが、実はチューブレスを安定運用するためには欠かせない存在だと私は思っています。

自分はシーラントはNoTubesのRACE用という言われるシーラントを使っています。無印とあんまり値段も変わらないですし、こっちの方がNoTubesの無印のシーラントよりも優れているという意見もあります。まぁ、殆ど同じ感覚で使えますし。

シーラントを入れる事で外出先でのパンクの発生率を大幅に下げることが出来ます。チューブレスタイヤのパンクは忘れた頃にやってくる、という訳で、先日のツーリングでは使い始めて半年で初めてパンクが発生したのでありました。

なかなかパンクしないこともありまして、チューブレスは出先でのパンク修理の経験値がWOタイヤより貯まらないという困った弊害があったりして、出先でパンクするとWOタイヤに比べてとても時間が掛かったりします。

という訳で次回は出先でチューブレスタイヤがパンクした時の対処について、まとめてみようと思います。

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