Edge520J向けの地図を作ってもらって、ブルベ用のサブGPSとして使う

EdgeシリーズとeTrexシリーズはこれまでも何度も買い換えてきましたが、昨年発売となった1000や520はこれまでの800系、500系と比較すると確実に進化しています。

自分はブルベはキューシートも持ちますが、基本的にはGPSに頼って走っています。GPSのトラブルに備えて2台持つようにしていますが、1台は安定のeTrex、もう一台は高機能なEdgeを利用しています。

実際、eTrexが動作不良を起こすことは殆どないので地図の表示はeTrexに任せて、サイクルコンピューターとして各種データの表示をさせつつ、たまに高度プロフィールをEdgeに表示させたりしていました。

eTrexと併用するのであれば高機能な1000を持ち出す必要はなく、520で十分だなぁ、というのが最近のスタイルです。

20160127_1

自分が購入したのは日本語版のEdg520Jです。520は価格が安いこともあり、内外価格差があまりありませんから素直にJモデルを買うのが正解だと思います。

センサー無しの本体を34500円(ポイント還元1300円分)ぐらいで購入しました。本体のみだと海外通販でも3万円前後ですので、あまり海外通販で買うメリットはないですね。センサー付きのモデルだともう少し内外格差は広がりますが、Jモデルは日本語が標準で表示されることやサポートを考えると、やっぱりJモデルが自分はオススメだと思います。

ちなみに1000Jとか520Jについてくるケイデンスセンサーとスピードセンサーは新型となります。ハンドル前につけるマウントも新型の物が付属します。マウントは新旧の差は殆どないですが、新型センサーは本体だけで計測可能であり、マグネットの位置調整などが不要なので使い勝手がよいですね。

520の本体は非常にコンパクトですが、液晶画面自体はeTrexと同じぐらいの大きさがあります。本体はタッチパネルではないので、周囲に色々とボタンが付いており、少々、ボタンを押した感じが重いです。操作性はタッチパネルが上ですが、ボタンは分厚い手袋をしていても操作できたり、雨が降っても確実に操作できるメリットもあります。

気になる電池の持ちですがカタログスペックでは15時間で、実際に使っても12時間ぐらいは持ちます。Edge1000や520からUSB端子がMicroUSBになりました。Edge800や810のminiUSBよりも汎用性が高く、スマホを充電するケーブルと共有出来るのがありがたいです。

300kmブルベなど20時間に近い走行の場合には、途中で継ぎ足し充電をする必要があります。ただ、Edgeはスマホなどと比べると電池容量が全然小さいので充電時間は非常に短いです。先日300km走ったときには、2回のご飯休憩時(それぞれ30分)にモバイルバッテリーから継ぎ足し充電しておくだけで十分でした。

20160127_2

Edge1000Jと比較すると画面は小さいですが見にくいということはないです。ただ、520はバックライトをONにしたいときに必要のないページ切り替えなどのボタン操作が必要になるのが面倒です。タッチパネルの機種はパネルに触るだけでバックライトが点灯しますからね。

ちなみに自分はヘッドライトを使っているので、それを点灯しておけばバックライトは不要です。eTrexは非常に電池が持つので、夜にバックライトを常時ONにしたままでも問題ないですが、流石にEdge系は常時ONではあっという間に電池がなくなりますね。

20160127_3

背面はこんな感じ。ゴムの蓋を外すとUSB端子が姿を現します。ここにUSBケーブルを挿せば給電できますが、本体が小さいのでステム上にマウントに取り付けたりするとケーブルが干渉してしまいます。

常時給電するならEdge1000だとUSB端子が本体の隅にあるので、ケーブルを接続したままマウント出来るので、フロントバッグやトップチューブバッグのモバイルバッテリーを使うのも手ですね。520は逆にそういう運用はしにくく、休憩時に継ぎ足し充電ですかね。

薄いL字のUSBケーブルなどがあれば、520でも常時給電出来る可能性があるので、その辺はちょっと検討してみます。もっともと、雨天時には少々心配ですが、本体の裏側にあるため、横にある800系よりも雨には強いのでは?という意見もあります。

20160127_4

自分はブルベ時の1頁目には、このような項目を表示しています。気温が出るのはEdgeシリーズの良いところ。eTrexは外部の気温センサーを買わないと気温は表示出来ません。勾配もEdgeシリーズの方が直感的に分かりやすいですね。

なおブルベ走行時に自分が優先的に見たい情報を1頁目に集めています。パワーはパワーメーターがついているCervelo R3の時しか表示されませんが、実走中にパワーが分かると「FTPを超えないようにセーブして走る」という走り方が出来ます。

先日の300km走の時に上記を心がけて走った時、平坦では自分のFTPである250W前後を超えないようにセーブしたら翌日の筋肉痛があまりありませんでした。

20160127_5

2頁目には、たまに見たくなるという情報を集めています。この表示項目のカスタマイズはボタン操作の520ではかなり面倒くさく、タッチパネル長押しでサクサクと表示項目が切り替えられる800系とか1000の方が圧倒的に楽ですね。

進行方位が出ているとおり電子コンパスも内蔵です。GPSもGLONASSに対応してますし、地味にいろいろな所が上位機種である800や1000譲りのハイスペックなのです。

20160127_6

Bluetoothで携帯と連動させると、天気が取得出来たり、走ったコースをスマホからGarminConnectに自動的にアップロードしたり、スマホの通話通知などを受けることが出来ます。

それからEdgeは500/510/800/810の世代だと、バイクを登録して、それぞれで使っているスピード&ケイデンスセンサーを登録しておくという管理方法でしたが、1000と520ではバイクの登録はなくなり、センサーだけ複数登録出来る様になりました。

実際に稼働しているセンサーとだけペアリングする仕様になり、バイクを選ぶ必要は無くなりました。この管理方法は自分としては面倒くさくなくてよいのですが、人によってはどのバイクで何km走ったのかの管理がしにくくなったという意見がありますね。

20160127_7

上位機種と同様にコースを入れておけば、高度プロフィールを表示する機能があります。峠での勾配の心構えとして、自分はとてもこの機能を重視しているので、これが表示出来るようになったのは大きくプラスです。

ただし、X軸、Y軸の縮尺を変更することは出来ませんので、もっと先の状況を俯瞰して高度プロフィールを見たいというのであれば、Edge1000とか800系のようにグラフの軸の縮尺が変更出来る機種が必要になります。

なおeTrex30にも高度プロフィールの機能はあるので、縮尺を変えたい場合にはeTrexで見ます。なので、併用している自分としてはEdge520で縮尺が変更出来なくても困りません。

これは520に限った話ではありませんが、コースを入れておかないと先の勾配は表示されません。コース無しでは自分が走った高度変化のグラフを追えるだけという機能になります。

これ以外のページの表示についての話になるのですが、難点はラップ表示画面の表示がとても遅いこと。ページを切り替えるとフリーズした?と思ってしまうほど表示されるまで時間が掛かって、10秒近く待たされます。

自分は10km毎にオートラップにしているのですが、10ラップとかを超えてくると上記のような状態になります。なので、ロングライド時にラップ表示画面は表示しない仕様にしていまいました。

さて、ここから地図のお話に移りたいと思います。Edge520は外部のMicroSD端子が存在しないので、データは本体の空きメモリに入れるしかなく、この空き容量が80MBほどしかありません。

eTrex30などは本体メモリで1GB近く空いてますので、600MBほどのOSM日本地図をコピーできるのですが、Edg520にそんな大きな地図を入れることは出来ません。

なので標準では大変間引かれている、日本全国地図のとても簡単な地図がインストールされています。この地図ではルートの上を走っているという感じではなく、GPSでルートを辿っているだけという寂しい表示になります。

なので、OSM地図を間引いて表示するエリアを限定して小さい地図を作れば、80MBの空きにインストール出来る地図が出来るかも?と考えていました。

20160127_10

Twitterでそんな話題が出ていたところ、ガーミン向けの地図を公開している囧(masarap)さんがEdge520用の地図を作りましょうか?という話になり、人柱として作って貰った地図を520Jに入れてみました。

それをEdg520Jで表示したのが上の画像です。写真は池尻大橋の大橋JCTのあたりです。Edge520は地図をスクロールして表示する機能がありませんし、縮尺の変更もボタン操作を何度もする必要があるので、自転車の走行中の縮尺はほぼ固定です。

ごらんの通り、Edg520に綺麗な地図が表示されました。80MBに余裕で収まるようにOSM地図から大幅にデータを間引いても、デフォルトの地図とは全くレベルの異なる、実用的な地図が表示されます。

20160127_9

ちなみに公開されている地図は、日本をいくつかに分割してデータ生成されています。私が入れたのは東日本版でして、ごらんのように西の方はデータが間引かれているのが分かるかと思います。

このような素晴らしい地図を作ってくれた囧(masarap)さんにはとても感謝したいです。今のところ、SJIS版しか作成されていませんので、日本語モデルのJでしか地名は漢字で表示されないと思います。

20160127_11

ブルベのコースをロードしてみました。BRM111はとバス200のコースデータですが、駒沢公園の丸い緑の記号がスタート地点、四角い赤い記号がゴールとなります。

地図上のコースはピンク色で表示されて、このピンク色の道をなぞるように走ります。Edge1000や800のように交差点の前で拡大案内をするというような機能はありませんが、コースを外れるとオフコース警告だけは表示されます。

20160127_8

ちょっと表示する向きを変更してみました。漢字もバッチリ表示されますし、eTrex30がもし不調になっても、このコース表示を頼りに走り続けることは十分に可能でしょう。

20160127_12

囧(masarap)さんのご厚意で鉄道駅とコンビニをPOI化してもらいました。四角い小さな青い点がコンビニで、電車のアイコンが駅です。

池尻大橋の駅の周りにはコンビニがとても沢山あります。この縮尺でコンビニが6軒もあるって凄いな。ただ、残念なことに200mスケールじゃないとこのPOIは表示されません。

1/31追記
800mスケールまで駅とコンビニのPOIが表示されるようにように囧(masarap)さんが修正した地図を公開してくれました。自転車だと使う縮尺は300mと500mが中心になりますので、これは非常に嬉しい修正です。毎度毎度ありがとうございます。

値段で言うとEdge1000Jの約半額である520Jでここまで出来てしまうと、1000Jの出番がないのが我が家の状況だったります。今日は紹介していないですがGarmin Vectorでのペダリング時の様子をGUIで表示出来る機能もありますし、非常に優秀な弟分だと思います。

1000とか800系と全く同じ機能を期待されると機能制限がある部分もありますが、この値段でここまで機能があると単なるトレーニング用のサイコンとしてだけではなく、サブのGPSとして立派に利用できますね。