Cervelo S5 Team 2012 組立 その3

Cervelo S5 Team 組立

さて、一通り部品が揃いましたので、組み付けていきます。自分はTVでもみながらダラダラとやるのが好きなので、リビングにブルーシートを引いて作業してます。工具やケミカルはもちろんですが、手元を照らすライトがあると作業が捗ります。

結局、S5にはFelt F4から外したブレーキを取り付けてあります。この辺の手順は79デュラで仮組したときと手順は一緒です。ステムもこの前、折れたボルトをサルベージしたもので、フォーク回りはタップリとグリスアップをして組み付けておきます。

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まず最初はハンドルにSTIを取り付けていきます。電動アルテのSTIのバンド締め付けボルトはノーマルのアルテグラと違って、少し中心線からオフセットされた所にあります。この方が作業しやすくて楽です。

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ハンドルにSTIを両方取り付けたらおおよその位置決めをします。ここで水準器を使って水平取ってますが、どうせあとで弄ることになると思うので、この時点であまり神経質にならなくても良いかと。

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ブラケットカバーをめくって、コントロールボックスから出ているSTIに接続するためのケーブルをコネクターに取り付けます。STIに取り付け用の工具が付属しますので、これを使ってカチンと音がするところまでケーブルを押し込みます。なお、STI側にもう一つソケットがありますが、これはPCと接続したりサテライトスイッチを増設するときのケーブル接続先として使うんだそうです。

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この前はワイヤーの79デュラエースで仮組しましたが、今回は電動なのでトップチューブに3つあるケーブル内蔵用の穴の一番後ろのを使います。この穴からダウンチューブの中をケーブルを通るように入れていくのですが、ガイドのあるワイヤーと違ってなかなか通りません。写真ではフォークが取り付けてありますが、このケーブルを通すためだけに一度フォークを外してヘッドチューブ内が見える状態にしました。

ヘッドチューブ内はワイヤーを通すためのガイドチューブが2本あるため、そこを避けてケーブルをダウンチューブに導く必要がありました。やはりフォークを付けたままで通すのは無理ですね。シュッっとまっすぐなワイヤーに比べて、グネグネと曲がりやすい電線をダウンチューブからBBまで通すのも一苦労でした。ここはライトで照らしながら作業しましょう。

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防水対策で前の二つの穴はビニールテープで綺麗に塞ぎます。また電線を通したら、別売りされている電線用のグロメット(300円ぐらいで4つ付属)を付けて穴を塞ぎます。このグロメットですが、穴の大きさに合わせて二種類あります。自分は穴のサイズを計って小さい方にしたのですが、穴に対して緩いので、大きいサイズの方が良かったかなー。まぁ、あとから交換可能なので、先に進みましょう。

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STIに接続したコントロールボックス、FD、RD、そしてバッテリーからの合計4本の電線ををBBから外に出します。写真に写っている四角い部品が、この4本の電線を接続するジャンクションです。このジャンクションは内装用のコンパクトなヤツで、接続したらフレーム内に入れてからBBを嵌めます。

このジャンクションですが、4本はどこに挿しても認識しますのでPCのネットワークハブみたいですな。なお電動アルテグラは電力線に信号を合わせて送るPLCになっているので、電線は2芯なんだそうです。先に発売された電動デュラエースは信号線と電力が別になっているので、4芯なんだとか。

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リアディレイラーに繋がる電線のアップ。下の黒い部品はフレームに付属してくるグロメットで、これでフレームにケーブルを通すために開けてある穴を塞ぎます。更にその穴を小さなゴムのグロメットを取り付けてます。

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配線が完了したので、この状態で動作するか確認してみましょう。おお、簡単にFDとかRDがウインウインと動きますよ。この辺はワイヤーに比べて非常に簡単ですが、実際の調整はBB、クランク、チェーンを取り付けてからでないと出来ません。

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いよいよROTORのシマノクランク用のBBアダプタを取り付けます。クランクもFelt F4から取り外したアルテグラグレードの50-34のコンパクトクランクです。色的には後から発売された黒っぽいグレーの方がフレームに似合うでしょうが、流用なのでシルバーなのはやむを得ません。新型デュラが11速化した以上、これから10速のクランクを新しく買うのは少し気が引けますし、クランクは自転車部品の中でも単価の高い部品ですからね。

真ん中に写っているのが、あさひで3000円ほどで購入したプレスフィットBBの圧入工具です。

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もともと付いていたROTORのBBRight用のアダプタを外したら、たっぷりとグリスアップしてありました。自分もそれに習ってグリスを塗ってBBアダプタを上の写真のように圧入工具を嵌めてアーレンキーとスパナを回してBBを圧入します。しかし、工具なんか要らないじゃん!っていう緩さであっさりと嵌りました。

もっとグリグリと締めて押し込むのか?とも思いましたが、無理に力をかけてフレームの重要なBB回りを割ってしまったら取り返しが付きません。クランクは無事の取り付けられる所まではちゃんと入ってますので、これでヨシとしましょう。ただし、BBアダプタに付属してたOリングが、クランクとBBのクリアランスがギリギリで挟むことが出来ませんでした。

Cerveloの2012年のフレームはBBからの異音がすることというトラブルが多いという噂をネットではよく見かけます。解決方法としてはロックタイトなどのゆるみ止めを塗ってBBを圧入するとよい、という噂も耳にします。しかし、プロチームが使っていた機材でBBはグリスアップされて取り付けられていた訳ですから、どっちが正解なんだろう?

2012年のフレームはどうもこのBB回りが緩いのが色々とトラブルの原因になっているのでは?という気がしますので、BB回りについては様子を見つつ注意して運用していきましょう。Oリングが余ったことといい、BBはもっと深いところまで圧入出来るかも?など、なんか気になります。

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クランクが付きましたのでチェーンをつないで、FDの位置合わせです。電動になったことで大型化したFDですが、その動作トルクを支えるためにサポートボルトが新設されてます。これはFDをマウントしたあとに、ボルトを回してフレームに軽く当てて、このボルトを動作時の支えにする構造になっています。

カーボンフレームに直接ボルト(といっても先端は丸く加工されている)を当てると、カーボンが割れたりしますので、これを受けるための金属パーツがFDに付属しており、両面テープでボルトが当たる位置にあらかじめ貼り付けておきます。

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金属プレートを貼るべき位置を調べるためにビニールテープを貼ってから、FDのサポートボルトを回してテープに残ったボルトの跡から位置を調べてみました。このフレームの場合、FDマウントが大型ということもあって、この金属部にFDのサポートボルトが当たること判明したので、FDに付属する金属プレートは使う必要がありません。

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RD回りはこんな感じ。RDの変速調整は超簡単でして、コントロールボックスのボタンを長押しして、調整モードに切り替えます。後はSTIのシフトアップ、ダウンの操作により、変速機の位置が15段階で左右に微調整可能です。これで合わせれば変速はそれでスパっと決まります。あとはトップとローにしたときにアジャスターボルトが軽く当たるぐらいの位置に来るまでボルトを回します。

なお、トップ側は当たる位置から1回転戻す方向に回しておきます。シフトアップ時にRDは少し行き過ぎてから戻る、という動作をすることでスムーズな変速を実現しているのでトップ側は少しばかり動作範囲に余裕が必要だから、ということのようです。

FDは調整らしい調整はアウターとインナー時のアジャスターボルトぐらいで、あとは殆どいじる必要がありません。

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さて、Di2対応のフレームの場合、リアのチェーンステー下あたりにバッテリーをマウントするための穴が設けられています。ただし、今回購入したキットにはボトルゲージに取り付けるためのバッテリーマウントが同梱されてました。ごらんの通り、不要な部分が目立ちます。

Di2対応のフレーム用のマウンターというのも別売りされているのですが、わざわざ買うほどではないでしょう。ちなみにタイラップでチェーンステーに取り付けてあるのは、ガーミンのスピード/ケイデンスモニター用のセンサーです。

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さて、ボトルゲージ下にバッテリーを取り付けるバッテリーマウントですが、アルミ製なんで糸鋸で簡単に切れそうです。

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糸鋸でアッサリと切れましたので、切り口はヤスリで整形します。このバッテリーマウントはボトルゲージのネジで取り付ける事を想定しているので、取り付けネジが付属していません。ちなみにマウントの面はツライチに仕上げないと、バッテリーが取り付け出来ないので、頭が平たいボルトが必要です(なぜか1本は付属してくる)。

丁度良いボルトが手持ちにないかなーと探していたら、スピードプレイのクリートを取り付けるボルトの頭が平らでジャストフィットしそうです。ツライチになるように穴の回りにネジがピッタリと潜るように更にゴリゴロと削って、アルミの地肌が剥き出しになったところはマジックで黒く塗ります。

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あつらえたかのようにピッタリとネジが合いました。やはり重心の低いところに重量物が取り付けられるのが理想的なので、Di2対応フレームはこの左チェーンステーの下側がバッテリーの定位置のようですね。

Cervelo S5 Team 組立

電池を実際に取り付けてみました。電線はすぐ下にあるグロメットを付けてある穴からフレーム内に入れて、先に説明したジャンクションに接続してあります。ちなみにフレームのBB真下にある穴は使い道が不明なのですが、水抜き穴になりそうなのでそのままにしています。左側のワイヤー通しの部分もそのままです。S5みたいにDi2にもワイヤーにも両対応のフレームってのは汎用性が高くていいですね。

今回の組立ですが、水曜日の夜の時点で部品は揃ってたのですが、なんか時間が掛かりそうな予感がしたので平日の夜は手を出しませんでした。土曜日の朝9時ぐらいから組み立てを開始したのですが、バッテリーマウントの加工など想定外に時間を取られて、丸一日かかってしまいました。

という訳で最後にバーテープをクルクルと巻いて出来上がっていく様は非常に清々しい気分になりますな(笑)